わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉の話 28 (顔料1)

2010-04-01 21:51:52 | 釉薬の調合と釉を掛ける
色釉を作るには、基礎釉に、顔料を添加して、色を出す方法が有ります。

自分で調合したり、市販されている顔料を、使ったりします。

(勿論、最初から、全て調合されている、色釉も市販されています。面倒な方は、最初からこの釉を

 使う方が、早いです。)

1) 市販の顔料 

  顔料の種類は、割合豊富で、基礎釉1ℓに、顔料を5~10g加え、良く撹拌して使用します。

  更に、他の酸化金属粉を、1~2%添加すると、色が変化し、還元焼成をすると、雰囲気の違った、

  色が出たりします。

   注意: 顔料には、素地に入れる、練り込み用と、上絵用、下絵用の物、釉薬用の物が有ります。

    下絵用は、釉薬に使える場合が、多いですが、必ず確認して下さい。

 ・ 色の種類は、トルコ青、カイヘキ(濃青)、カナリヤ黄色(明黄)、バナナ黄色(茶黄)、グリーン(緑)、

  ヒワ(淡黄緑)、ピーコック(青緑)、エンジ赤(小豆色)、ピンク(桃)、ライラック(淡紫)、

  ブラウン(赤茶)、グレー(灰色)、呉須(紺)、ローズ(ばら)、赤などです。

2) 自分で顔料を調合する

  顔料を作るには、乾式混合と、湿式混合の方法が有ります。

  乾式:定量の目方を、水を使わずに、乳鉢などで、混合し「サヤ鉢」などで、所定の温度で、

     焼成します。

  湿式:水を用いて、乳鉢やボールミルで、粉砕混合し、脱水後、「サヤ鉢」に入れ、焼成します。

  この顔料を、基礎釉に適量(1~10%)添加して、使います。

 ① 褐色系顔料

   ) 赤褐色顔料

     a) 亜鉛華:51、 酸化鉄:17、 酸化クロム:16、水酸化アルミナ:16 (乾式、1000℃)

     b) 亜鉛華:48.8、 酸化クロム:24.4、 酸化鉄:24.4、 炭酸ナトリウム:2.4 

      (乾式、1000℃)

   ) ココア色

      酸化ジルコニウム:24.8、 亜鉛華:42.5、 水酸化アルミにウム:21.3、酸化鉄:5.7、

      酸化クロム:5.0、 酸化アンチモン:0.7 (乾式、1000℃)

   ) 緑褐色

      a) 亜鉛華:66.7 酸化クロム:33.3 (湿式、1000℃)

      b)  カオリン:33.4、 酸化クロム:33.3 亜鉛華:33.3 (湿式、1000℃)

   ) 暗灰褐色

      亜鉛華:51.7、 酸化クロム:48.3 (湿式、1000℃)

  ② 青色系顔料

   ) 明青色

    a) 水酸化アルミニウム:53.4、酸化錫:33.3、亜鉛華:8.0、炭酸コバルト:5.3 

      (湿式、1000℃)

    b) 水酸化アルミニウム:76、 亜鉛華:12、 酸化コバルト:12、 (乾式、1000℃)

    c) 酸化錫:42、 酸化コバルト:18、 石英:40、 (乾式、1000℃)

   ) 暗青色

    a) カオリン:40、 酸化コバルト:20、 亜鉛華:20、 酸化錫:20、(乾式、1000℃)

    b) 水酸化アルミニウム:85、 炭酸コバルト:15、(乾式、SK-7~8で焼成)

 ③ 黄色系 

以下次回に続きます。 顔料

参考資料:「図解 工芸用陶磁器」 素木洋一著、技報堂出版(株)


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