わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

轆轤で造る、抹茶々碗 (天目茶碗2)

2010-04-26 06:53:14 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
前回に続き、天目茶碗の話を、述べます。

2) 轆轤造り

 ② 天目茶碗を造る

  ) 轆轤を挽くのに、適した形です。

   a) 前回、お話した様に、天目茶碗は、他の茶碗と異なり、歪み(ゆがみ)や、口縁の凹凸などが

     無い、綺麗でシンプルな形を、しています。(但し口造りは、スッポン口に成ってはいますが。)

     この歪みの無い形は、轆轤で造るのに、大変適しています。

     即ち、轆轤挽きでは、さほど難しくない、基本形をしています。

   b) 土も細かい粒子の物を、使いますので、目の粗い土を使う時に、気を付ける、手水の量、

     手早く造る、径を急激に拡げない等の、注意事項を、それほど、心配する事なく、

     轆轤作業を、行う事が出来ます。

     又、高台も、径が小さいですが、基本通りの削りで、対応できます。

  ) 轆轤を挽く

     土の選定、土練(菊練)、轆轤に据える、土殺し、土取り、中央に穴を開ける、底造り、土延ばし、

     形造りと、順次作業を進めますが、この中の幾つかの点に付いて、取上げます。

   a) 轆轤の回転速度

     回転速度が、ある程度速い方が、歪まず綺麗な形と成ります。

     作品を歪ませる方法に、回転を遅くする方法が有ります、遅くすると、振ら付きが出易い為で

     後日、作品を歪ませる方法の項で、述べる予定です。

   b) 形造りの際、高台が小さいからと言い、最初から、底(裏側)を狭くしない事です。

     狭過ぎると、作品が、振れます。但し、内側の底は、狭くしなければ、なりません。

     即ち、高台脇は、肉厚に成りますが、削り作業によって、肉を薄くします。

     内側に「牛ベラ」や「丸コテ」を当てて、形を整えます。特に茶溜りから、茶筅摺り周辺は、

     丸っこくします。

   c) 口造り、この部分は、天目茶碗の見せ場ですので、綺麗なスッポン口を、作る必要が有ります。

     内側に凹ます位置と、凹み量、凹み巾によって、作品の趣(感じ)が変わります。

     一般には、位置は口縁に近くで、凹みの中心が、最上部(口)より、8mm~1.5cm位で、

     巾は、指(人差し指)の巾、程度にします。凹み量は、外側から見て、はっきり溝が、

     見えなければ、なりません。但し、内側に出っ張る量は、外側と同じとは限りません。

   ・ 口のそり返しは、極端ではなく、僅かに反る程度で、溝を挟んだ下のラインと、

     なだらかに、繋がるようにします。

   ・ 口縁は、やや厚めにし、皮で締めながら、拭きます。

以下次回に続きます。
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