わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

茶道と焼き物 2 (見所1)

2010-04-18 22:23:44 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
茶道と焼き物の、話を続けます。

3) 茶道具の見所(鑑賞のポイント)

  陶芸をやった事が有る方は、一度は、抹茶々碗を、作った事が、あるはずです。

  むしろ、最初に作った作品が、抹茶々碗である事が、多いです。

  (私も、最初に、紐造りで、茶碗を造りました。軽く作る様にと言われ、削り過ぎて穴を明けてしまった、

   経験が有ります。形はどうにか作れますが、中々難しい物です。)

  又、茶道具特に、茶碗を専門に、作られる方も、多いです。茶道をなさっている方なら当然、

  見所の勉強を、されていますが、茶道の心得の無い方は、どこがポイントなのか、ある程度は、

  理解されていますが、作る上での、ポイント(見所)を逃しては、良い作品は、出来ません。

 以下 見所の概略をお話し、後で個別の道具の見所(作る上でのポイント)を、私なりの見方で、

 述べたいと、思います。

 ① 作行き(さくゆき)について

   作行きとは、胎土によって、造りだされた、造形美です。

   この造形美こそが、茶道具の美の、大半を占めている物です。 

   前回述べた様に、単に綺麗な物、形が整った物の意味ではなく、茶の湯独特の、美意識で見る、

   造形美です。

   更に、視覚的美だけでなく、触覚(触感)美も含まれるのも、茶道具の特徴です。

  ) 作行きは、道具(作品)全体に対する美ですが、その味わい方は、幾つかの部分に分けて、

     見所を鑑賞します。

  ) 例えば茶碗では、口造り、見込み、茶筅摺り(ちゃせんすり)、茶溜り、胴、腰、高台脇、

     高台、高台内など、個々の部分を、鑑賞のポイントにします。

  ) 手触りや、作品の重さなど、触覚的なものも、鑑賞のポイントに成ります。

 ② 土味(つちあじ)について

   茶道具では、石物と呼ばれる、磁器よりも、土物と呼ばれる、粘土で作った陶器が多く、

   使われています。 手触りの良さや、「ザックリ」感などの他に、暖かさ(温もり)や、

   実際に使用して、お茶が、冷めずらいなどの、利点がある為です。

 ・ 茶碗などは、高台脇、高台内、畳み付きと呼ばれる部分に、釉を掛けない事が、多いです。

   その為、胎土がむき出しに成り、土の色や、土の粗さなどが、観察されます。又、土を削ると、

   土の表面が荒れたりし、そこに釉が掛かると、梅花皮(かいらぎ)と云う、茶人が喜ぶ、

   縮緬皺(ちりめんしわ)が、出来たりします。

   これらの状態を、ひっくるめて、土味と言い、鑑賞のポイントと成ります。

 ・ 土の種類や、状態を見て、産地を特定する、手掛かりにも成ります。

   (茶道具には、作者の銘が無いのが、普通で、作品の呼び名としての、銘は有ります。)

   土の種類は、黒っぽいものが、多い傾向に有ります。

   次に述べる、釉との関係があると、思われます。

 ③ 釉について

以下次回に続きます。

 茶道具の見所  
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