わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

焼成のメカニズム 9 (楽焼4)

2010-04-16 21:54:31 | 失敗と対策
焼成のメカニズムの、話を続けます。

 ② 楽焼きについて

  ) 楽焼の焼成

   a) 楽焼用の窯について、

     窯の種類には、ガス窯、灯油窯、電気窯などが有りますが、本焼き用の窯に比べて、

     かなり小型が、多いです。

   b) 窯の特徴

     楽焼の窯は、作品に、直接火が当らない様に、中窯(マッフル)を持ち、窯壁と、

     中窯の隙間(外窯)に、燃料を入れて、焼成します。中窯には、専用の蓋が付いています。

     但し、電気窯の場合には、炎が出ませんから、特別の構造である、必要は有りません。

   c) 楽焼の焼成

     予め800~1100℃に、加熱した窯に、施釉十分乾燥した、作品数個を入れ、蓋をした後、

     短時間で釉が熔けますので、火箸などを用いて、引き出し、急冷します。

    ・ その為、貫入が入るのが、普通です。

      又、枯葉を用意しておき、引き出した作品を、その中の置き、更に、上から鉄製のバケツを、

      かぶせて、木の葉が、燃え尽きたら、取り出せば、窯変した作品に、成ります。

    ・ 鉢や壷などの大物は、最後の窯で焼き、挟み出しによる、危険(落す、ひび)を避け、

      窯が冷えてから、取り出します。

      その他にも、高い温度で、窯の開閉を行いますので、火傷しない様に、注意が必要です。

    ・ 窯の棚板などに、接する高台部分に、傷跡が出来ますが、これを嫌う場合には、この部分に、

       施釉しない事です。

     ・ 窯の温度は、火の色で判断しますが、慣れないうちは、釉が熔け、光が反射する状態で、

       引出せば良く、釉は熔けています。

   d) 楽焼の取り扱いの、注意点

     楽焼は、「ざっくり」した作りで軽く、暖かい物が、冷め難いと言う、特徴が有りますが、

     焼成温度が低いので、強度的に弱いです。又、本焼きの器よりも、吸湿性があり、水を吸い易く、

     十分乾燥してから、収納しないと、「カビ」が発生し易いので、注意して取り扱う必要が有ります。

以上にて、焼成のメカニズムの話を、終わります。


次回から、別のテーマ「茶道と、焼き物(茶道具)」で、お話したいと、思います。

その中で、楽焼に付いても、述べる予定です。
     
楽焼の窯 焼成
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする