わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

茶道具を造る 2 (抹茶々碗1)

2010-04-23 22:40:57 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
抹茶茶碗を造る

 ① 手捻りで造る

   手捻りで造る茶碗は、個性豊かな作品に成ります。轆轤で造る作品より、「ぬくもり」が有り

   時間を掛けて、じっくり造る事が、出来ますので、初心者にとっては、造り易い方法です。

   造り方は、玉造り、板(たたら)造り、紐造りなどが有ります。

  ) 玉造りは、初心者が最初にやる、造り方で、手回し轆轤が有れば、便利ですが、無くても

     大丈夫です。片手で支えながらや、新聞紙などを、下に敷き、その上で造る事も、可能です。

     (紙が有ると、作品は自由に、回転、移動が出来ます。)

   a) 適量の土を、団子状に丸め、両手の親指を、中央に差込み、深く掘り込みます。

     底の厚さは、付け高台で5mm程度で、削りの場合は、約1cm程度にします。

   b) 次に内側の底を造ります。

     底の形状によって、全体の形が決まりますので、必要な広さまで、拡げます。

     朝顔形は、底が狭く、馬盥形では、広く取ります。内側から外側へ、土を押し拡げます。

   c) 土を上に延ばします。

     高台脇や、胴などを、しっかり削る(削ぐ)場合は、肉厚は、全体に残す必要が有りますが、

     削る作業を少なくし、作品を軽く造りたい時は、土を両手で摘み、薄く延ばします。

     土を摘むと、直径は広がり易く成りますので、径が大きくならない様に、土を締めながら、

     延ばします。

   d) 形を造る

     基本は、口径を丸く造りますが、口縁を含めて、器全体を、変形する事も、多いです。

     勿論、削り作業で、形は変化しますが、土が変形できる、軟らかい間に、好きな形に造ります。

     器の基本形は、前回述べ様な形が有りますが、必ずしも拘る(こだわる)必要は有りません。 

   e) 形を整える

     削り作業は、赤松を割ったり、削って作った、木のヘラを使います。ヘラも、何種類か用意し、

     使い分けます。大胆に削ぎ落す場合も有ります。

     又、この削り作業で、作品により強い個性を、与える為、ヘラ目を入れる場合もあります。

    ・ 削りでは、器の外側を削り、内側を削る事は、少ないです。但し、楽茶碗の場合は、内側も

      削る事が多いです。

      特に高台脇、高台、高台内を、削りますが、付け高台の場合には、土を付けてから、

      形を整え、削ります。

    ・ 高台内には、兜巾(ときん)と言って、中央がやや盛り上が様に、削ります。

    ・ 底には、茶溜りを造ります。造るタイミングは、人によって違いますが、底を押し広げる時、

      削りに入る前、一番最後の段階などで、造り方も、単に指で凹ましたり、乳棒を使ったりします。

    ・ 口縁は、唇が触れる所ですので、特に丁寧に仕上げ、皮を使い、違和感の無い様にします。

 ) 板(たたら)造り

以下次回に続きます。

抹茶茶碗(手捻り)

 
コメント
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