茶道具の一つである、香炉に付いて、お話致します。
1) 香炉の分類
香炉には、その使い方によって、幾つかかに、分類されます。
① 仏事に使う香炉
② 香道即ち、聞き香の為の香炉
香合(こうあわせ)と言い、 種々の香を焚いて、その香の名を、嗅ぎ当てたり、匂いの優劣を
競ったりする遊戯(ゲーム)。
③ 茶道などに使われる香炉
2) 香炉の歴史
① 香はインドが発祥と、言われています。
古くから、臭気を除く事と、清めの意味で、香が焚かれ、それが、仏を供養する為の仏具にも、
使われる様に、成ります。
② 我が国では、平安時代に、貴族達が、衣服(着物)に、香を焚き込み、香りを付ける、
薫炉が、優美な嗜好として、流行します。
③ 鎌倉時代に、中国の、禅宗が我が国に伝わり、その影響で、仏事の香と共に、香炉なども、
輸入される様になり、国焼(和物)も、作られる様に、なります。
④ 室町時代に、茶の湯が起こると、唐物茶入が、茶道具として活用される共に、香炉もまた、
書院付の御座敷で、床の間に飾られたり、書院や違棚に、配されたりする様に、なります。
・ 書院飾りに用いられる香炉は、金属と陶磁器が主で、いずれも唐物です。
金属では火舎香炉・釣香炉・毬香炉・鼎形香炉、それに獅子・麒麟・鹿・象・驢馬など
様々の動物の形の、香炉があります。
・ 陶磁器製は。種類は少なく、鼎形(袴腰)や千鳥、竹節、浮牡丹などが主で、動物の獅子や
水鳥などの、香炉があります。
⑤ 安土桃山時代には、千利休の侘び茶が、しだいに発展すると、香炉類は、用いられなくなります。
⑥ 江戸時代に、大名茶が復興し、茶家では、香炉がまた鑑賞の対象となっていきます。
更に、香炉鑑賞は、大名茶ばかりでなく、公家茶にも浸透しますが、その功労者が金森宗和です。
名工、野々村仁清を育て、優れた香炉の数々を生み、香炉は茶の湯の世界ばかりではなく、
京焼全般の花形となります。
・ 仁清作「雉香炉」雌雄一対は、国宝として、日本美の象徴と、されています。
3) 香炉の形と素材
① 基本的には、上又は側面に、大きく開口した筒、椀、箱、皿状の容器であり、
脚を備えている物が、多いです。
② 穴の空いた蓋(火屋、ほや)を備えた物が普通ですが、香道で用いる、聞香炉(もんこうろ)は、
蓋を持ちません。形態や色彩、寸法などは、比較的自由に、作られています。
③ 材質は、不燃性の、陶磁器、金属、石材などです。
4) 香炉の種類
居(すえ)香炉、柄(え)香炉、釣香炉、象炉などがあります。
① 居香炉は、前机の上に置いて、用いる物で、博山(はくさん)炉、火舎(かしゃ)香炉、
蓮華形香炉、哩字(きりく)香炉、蛸足香炉、鼎(かなえ)形香炉などの種類があります。
② 柄香炉は、朝顔形の炉に、座と柄をつけ、手に持って用いる物です。
③ 釣香炉は、環を付けて、釣り下げて用います。
④ 象炉は、象を型取るもので、密教で使われ、またいで、身を清めるのに用いました。
⑤ 薫炉は、室内や、衣服に香を、焚きしめるのに、用いられます。
⑥ 聞(もん)香炉は、香道に用いられています。
以下次回に続きます。
1) 香炉の分類
香炉には、その使い方によって、幾つかかに、分類されます。
① 仏事に使う香炉
② 香道即ち、聞き香の為の香炉
香合(こうあわせ)と言い、 種々の香を焚いて、その香の名を、嗅ぎ当てたり、匂いの優劣を
競ったりする遊戯(ゲーム)。
③ 茶道などに使われる香炉
2) 香炉の歴史
① 香はインドが発祥と、言われています。
古くから、臭気を除く事と、清めの意味で、香が焚かれ、それが、仏を供養する為の仏具にも、
使われる様に、成ります。
② 我が国では、平安時代に、貴族達が、衣服(着物)に、香を焚き込み、香りを付ける、
薫炉が、優美な嗜好として、流行します。
③ 鎌倉時代に、中国の、禅宗が我が国に伝わり、その影響で、仏事の香と共に、香炉なども、
輸入される様になり、国焼(和物)も、作られる様に、なります。
④ 室町時代に、茶の湯が起こると、唐物茶入が、茶道具として活用される共に、香炉もまた、
書院付の御座敷で、床の間に飾られたり、書院や違棚に、配されたりする様に、なります。
・ 書院飾りに用いられる香炉は、金属と陶磁器が主で、いずれも唐物です。
金属では火舎香炉・釣香炉・毬香炉・鼎形香炉、それに獅子・麒麟・鹿・象・驢馬など
様々の動物の形の、香炉があります。
・ 陶磁器製は。種類は少なく、鼎形(袴腰)や千鳥、竹節、浮牡丹などが主で、動物の獅子や
水鳥などの、香炉があります。
⑤ 安土桃山時代には、千利休の侘び茶が、しだいに発展すると、香炉類は、用いられなくなります。
⑥ 江戸時代に、大名茶が復興し、茶家では、香炉がまた鑑賞の対象となっていきます。
更に、香炉鑑賞は、大名茶ばかりでなく、公家茶にも浸透しますが、その功労者が金森宗和です。
名工、野々村仁清を育て、優れた香炉の数々を生み、香炉は茶の湯の世界ばかりではなく、
京焼全般の花形となります。
・ 仁清作「雉香炉」雌雄一対は、国宝として、日本美の象徴と、されています。
3) 香炉の形と素材
① 基本的には、上又は側面に、大きく開口した筒、椀、箱、皿状の容器であり、
脚を備えている物が、多いです。
② 穴の空いた蓋(火屋、ほや)を備えた物が普通ですが、香道で用いる、聞香炉(もんこうろ)は、
蓋を持ちません。形態や色彩、寸法などは、比較的自由に、作られています。
③ 材質は、不燃性の、陶磁器、金属、石材などです。
4) 香炉の種類
居(すえ)香炉、柄(え)香炉、釣香炉、象炉などがあります。
① 居香炉は、前机の上に置いて、用いる物で、博山(はくさん)炉、火舎(かしゃ)香炉、
蓮華形香炉、哩字(きりく)香炉、蛸足香炉、鼎(かなえ)形香炉などの種類があります。
② 柄香炉は、朝顔形の炉に、座と柄をつけ、手に持って用いる物です。
③ 釣香炉は、環を付けて、釣り下げて用います。
④ 象炉は、象を型取るもので、密教で使われ、またいで、身を清めるのに用いました。
⑤ 薫炉は、室内や、衣服に香を、焚きしめるのに、用いられます。
⑥ 聞(もん)香炉は、香道に用いられています。
以下次回に続きます。