前回に続き、「徳利を作る」の話を、続けます。
③ 徳利には、酒が冷めにくい、陶器が向いています。
現在では、電子レンジを使い、熱湯でお燗する事は、少なくなっていると、思います。
・ 磁器製は、肉が薄く、更に熱伝導が良いので、暖め易く、冷め易い性質が有ります。
それ故、熱くて持てない場合や、直ぐに冷めて仕舞いがちです。
・ 陶器は、やや肉厚な事と、熱伝導が、磁器より悪いので、冷え難い、利点が有ります。
2) 徳利を作る
手捻りと、電動轆轤(ろくろ)で作る、方法が有りますが、電動轆轤の方が、綺麗で、肉が薄く
出来ます。それ故、ここでは、轆轤で作る方法を、述べます。
・ 徳利の形の、構想が出来たら、いよいよ製作に、取り掛かります。
① 準備
) 土を選び、土の量を選びます。轆轤で作る場合、数挽きと、一個挽きが有ります。
一塊の土から、数個の作品を、作るやり方と、一個の作品を作る方法です。
その方法の違いで、土の量も変化します。
) 土を良く練り(特に菊練)、気泡を抜きます。
これを轆轤上に据え、轆轤面に密着させ、底に水が、浸み込まない様にします。
轆轤挽きする方法は、何度かお話していますので、ここでは、省略し、注意点のみを、記したいと、
思います。
② 徳利の轆轤挽きの注意点
) 徳利は、袋物と呼ばれる、形の物です。
即ち、胴が広がり、肩が有り、更に首が細くなった、形です。
) 胴を広げてから、肩を張ったり、首を細めるのは、轆轤に成れない人には、大変難しい
作業と成ります。それ故、形作りは、以下の順序で行えば、より容易に作業できます。
) 土を薄く上に粗く伸ばしたら、形作りに入ります。
a) まず、首の太さを、設計寸法より、やや太めに取ります。
胴は、柄コテを使い、膨らませますので、柄コテが容易に入る、太さにしておきます。
b) 手の入らない、内部から、形を整える道具が、柄コテです。
柄コテは、木の棒の先端近くの、側面に、凸状の出っ張りが、付けられています。
突起の大きさや、柄の長さなど、色々な形があります。
c) 使い方は、コテを水に濡らすか、コテの先に、布切れを巻きつけ、水を付け、水切れを、
防ぎます。布を巻く場合は、巻く方向に注意します。轆轤の回転で、布が解けない様に
巻きます。即ち、轆轤が右回転ならば、布も右回転に、巻きます。
d) 柄コテは、片手(右手)で、鷲掴み(わしずかみ)にし、右手の肘は、太ももに付けて、
固定します。コテを底に、強く押し付けると、底に孔が開く、恐れがありますから、
底に触れ無い様に、浮かせるか、軽く押し当てます。
e) コテの凸部を、内側に軽く押し当て、外側の左手と、向かい合わせます。
その際、内側のコテをやや下にし、内外の位置に、上下の差を設けます。
f) コテを持つ右手の、親指を外側に、小指を内側に成る様に、捻りを入れ、内側の壁を、押し出し
膨らまさせます。左手は、外側を撫ぜる程度で触り、内側から押されたら、外側に
逃げます。外側が、逃げないと、膨らみませんから、注意して下さい。
(慣れない方は、外側が強くて、胴が膨れない場合が、多いです。)
g) コテと左手は、その上下差を、維持したまま、下から上に移動させます。
h) 力の入れ具合も、大切です。強い力ですと、一部が急に膨らみ、作品が振ら付きます。
回数を重ねて、除々に、膨らませます。一番膨らむ場所を、どこにするかによって、
作品の、形は大きく、変化します。
土の厚みは、下段ほど肉厚で、上に行く程、薄くなっているのが普通です。
それ故、下部ではやや、力を強くし、上部へ行く程、力を抜く必要が有ります。
以下次回に続きます。
③ 徳利には、酒が冷めにくい、陶器が向いています。
現在では、電子レンジを使い、熱湯でお燗する事は、少なくなっていると、思います。
・ 磁器製は、肉が薄く、更に熱伝導が良いので、暖め易く、冷め易い性質が有ります。
それ故、熱くて持てない場合や、直ぐに冷めて仕舞いがちです。
・ 陶器は、やや肉厚な事と、熱伝導が、磁器より悪いので、冷え難い、利点が有ります。
2) 徳利を作る
手捻りと、電動轆轤(ろくろ)で作る、方法が有りますが、電動轆轤の方が、綺麗で、肉が薄く
出来ます。それ故、ここでは、轆轤で作る方法を、述べます。
・ 徳利の形の、構想が出来たら、いよいよ製作に、取り掛かります。
① 準備
) 土を選び、土の量を選びます。轆轤で作る場合、数挽きと、一個挽きが有ります。
一塊の土から、数個の作品を、作るやり方と、一個の作品を作る方法です。
その方法の違いで、土の量も変化します。
) 土を良く練り(特に菊練)、気泡を抜きます。
これを轆轤上に据え、轆轤面に密着させ、底に水が、浸み込まない様にします。
轆轤挽きする方法は、何度かお話していますので、ここでは、省略し、注意点のみを、記したいと、
思います。
② 徳利の轆轤挽きの注意点
) 徳利は、袋物と呼ばれる、形の物です。
即ち、胴が広がり、肩が有り、更に首が細くなった、形です。
) 胴を広げてから、肩を張ったり、首を細めるのは、轆轤に成れない人には、大変難しい
作業と成ります。それ故、形作りは、以下の順序で行えば、より容易に作業できます。
) 土を薄く上に粗く伸ばしたら、形作りに入ります。
a) まず、首の太さを、設計寸法より、やや太めに取ります。
胴は、柄コテを使い、膨らませますので、柄コテが容易に入る、太さにしておきます。
b) 手の入らない、内部から、形を整える道具が、柄コテです。
柄コテは、木の棒の先端近くの、側面に、凸状の出っ張りが、付けられています。
突起の大きさや、柄の長さなど、色々な形があります。
c) 使い方は、コテを水に濡らすか、コテの先に、布切れを巻きつけ、水を付け、水切れを、
防ぎます。布を巻く場合は、巻く方向に注意します。轆轤の回転で、布が解けない様に
巻きます。即ち、轆轤が右回転ならば、布も右回転に、巻きます。
d) 柄コテは、片手(右手)で、鷲掴み(わしずかみ)にし、右手の肘は、太ももに付けて、
固定します。コテを底に、強く押し付けると、底に孔が開く、恐れがありますから、
底に触れ無い様に、浮かせるか、軽く押し当てます。
e) コテの凸部を、内側に軽く押し当て、外側の左手と、向かい合わせます。
その際、内側のコテをやや下にし、内外の位置に、上下の差を設けます。
f) コテを持つ右手の、親指を外側に、小指を内側に成る様に、捻りを入れ、内側の壁を、押し出し
膨らまさせます。左手は、外側を撫ぜる程度で触り、内側から押されたら、外側に
逃げます。外側が、逃げないと、膨らみませんから、注意して下さい。
(慣れない方は、外側が強くて、胴が膨れない場合が、多いです。)
g) コテと左手は、その上下差を、維持したまま、下から上に移動させます。
h) 力の入れ具合も、大切です。強い力ですと、一部が急に膨らみ、作品が振ら付きます。
回数を重ねて、除々に、膨らませます。一番膨らむ場所を、どこにするかによって、
作品の、形は大きく、変化します。
土の厚みは、下段ほど肉厚で、上に行く程、薄くなっているのが普通です。
それ故、下部ではやや、力を強くし、上部へ行く程、力を抜く必要が有ります。
以下次回に続きます。