わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶磁器と色彩 4 (色の好み2)

2010-12-18 21:43:08 | 陶磁器と色彩
前回に続き、色の好みについて、お話します。

3) 地域差について

   我が国でも、関西と関東では、色の好みが違うと、言われています。

   特に、ファッション関係の色では、同じブランド品でも、色によって関東、関西では、売れる色の

   違いが、あるそうです。

 ① 東京では、青系の色が好まれ、大阪では、赤系の色が、好まれると、昔より言われています。

 ② この差の原因に、気候や、日照時間が関係しているとも、言われています。

   特に、太陽の影響が強く、光の強さ、日照時間、空気の透明度、気温、湿度、気圧が大きく関係して

   います。

 ③ 各地の太陽光を比較してみると、関東(東京)地方では、青領域の波長(短波長)の量が多く、

   関西(大阪)では、特に夏場で、強い光と共に、長波長(赤の領域)の量が、多く注がれるとの
   
   事です。その為、それぞれの波長に合った、色が綺麗に見えるので、関東では、ブルーを含む

   寒色系を、関西では、赤やオレンジを含む、暖色系を、好む傾向が有ると、言われています。

    注) 寒色、暖色についてが、後日お話致します。

 ④ 関東と関西の色の好みの差を、武士階級が好む色と、宮廷貴族が好む色との対比で、説明する人も

   います。 東の武家文化は、「剛直さ」を好む気風で、明快な色調を、好む傾向があり 青、緑、紺

   といった、男性的な色合いが多いです。

   一方、西の貴族文化は、優雅で繊細に洗練された、「雅(みやび)」を好む、傾向にあります。

   それ故、華やかな色調の他、微妙な配色が、好まれている様です。

4)人種差について

 地球上では、住む地域によって、肌や髪の毛の色、瞳の色などは、人種によって、大きく変わります。

 又、宗教と色との関係や、気候風土も、異なります。

 気候も強い日光が降り注ぐ、熱帯地方から、日光が乏しい、寒冷地帯まで、幅広く変化があります。

 砂漠の様に、雨のや湿度の少ない地域や、逆に熱帯雨林の様に、常に大量の雨や、湿度を含む地域が

 有ります。 これらの環境風土によっても、色に対する感覚が、違う事は多いに、理解できる事です。

 ① 日差しの強い地域

   東南アジアや、赤道直下の地域に住む人は、派手な色(原色に近い、鮮明な色)の暖色系の色を、

   好みます。又、ラテン系の民族では、性格も刺激的なものや、興奮を引き起こす色(例えば赤)を

   好みます。強い光の下では、派手な色が引き立つからです。

 ② 日差しの弱い地域

   ヨーロッパや北欧では、日差しも弱く、日照時間も短く成ります。

   この様な地域の方は、落ち着いた、寒色系を好み、内向的に成ります。

   地域の差は、配色のみならず、文化芸術にも、多くの影響を与えるものです。

 ③ 日本人の色の好み

   我が国は、温帯に属し、熱帯と寒帯の、両方の要素を、受けていると、思われます。

   日本人は天然の素材を生かし、その素材の持つ美しさを、引き出そうとして来ました。

   天然の石を、粉末化して、顔料にしたり、植物からは、多様な染料を、生み出しています。

   それ故、特有の色彩文化を、作り上げたとも言えます。

  ・ 但し、顔料の色の種類は、染料に比べて、非常に少ないそうです。

    (岩絵の具、泥絵の具と呼ばれる色で、群青、緑青、朱、弁柄、黄土、胡粉の類、墨、金、銀

    程度の、色数です。)

     注: 胡粉とは、貝を焼いて作った、白い粉で、炭酸カルシウムが主成分です。

  ・ 日本人は、色に対して、繊細であり微妙で、暖色系や、鈍い色の色数が多いのが、特徴に

    成っています。

  ・ 日本人の好みの色の、ベスト3は、一位が「白」、二位が「鮮やかな青」、三位が「明るい青」と

    成っています。

次回は、「色が与える印象について」お話致します。
 
コメント
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