わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶磁器と色彩 14 (色のイメージ5)

2010-12-28 21:47:47 | 陶磁器と色彩
釉を使う場合、単色の釉を使う場合と、複数の釉を、重ね塗りする場合が有ります。

 (施釉する方法も、漬け掛け、流し掛け、吹き掛け、筆で塗る等の方法があり、その違いによって、

  問題の発生の仕方に、若干の差が出ます。)

 単色の場合は、ほとんど問題になりませんが、重ね合わせの場合、重ねる事による、色々な問題が発生

 して来ます。 以下問題点を、列挙します。

 ① 釉が剥がれる

  ) 塗り重ねる事により、釉が厚く掛かる為、焼成時に、釉が「ひけ」て仕舞い、素地の一部に、

     釉が掛からなく成ります。

   ・ 注: 「ひけ」とは、焼成後、窯の冷却時に、ガラス質が固まり始めると、厚掛けした部分に、

      釉が引張られて、回りの釉薬が、寄り集まる現象で、周囲の釉が素地から離れます。

   ・ 釉が厚くなると、焼成前でも、釉がめくれ、素地から、浮き上がる事が有ります。

     釉の濃度を薄めれば、大体は解決します。

  ) 釉の相性の違いによる。冷却時の縮み率は、釉によって違いが有ります。その差が大きいと

     縮の大きい方に、釉薬が引張られます。

     又、釉が熔けた時の、釉の粘性(流れやすさ)の差も、関係します。

     流れ易い釉は、どうしても、引っ張られたり、薄くなったりします。

 ② 重なった境目の色が、中間色ではない。

  ) 片身分けの様に、部分的に違う釉を、掛ける場合も多いです。その際、その境目には、両方の

     釉が二重に掛かる事が普通です。その境目の色は、思わぬ色(良い色ではない)に成る事が

     多いです。

  ) どちらを、先に塗るかによっても、発色は違います。当然、後に塗った色が、優先的に発色

     し易いですが、必ずしもそうとは、限りません。試し焼きして、塗る順序を決ます。

  ) 基本的には、釉同士を混ぜ合わせると、綺麗な色は出ませんので、注意が必要です。

  ) 釉は熔けて、ガラス質の液体と成りますので、幾ら分離して色を掛けても、お互いの領域に、

     侵略して行き、境界線が「ぼやけ」ます。

    この現象を防ぐには、絵付けや、練り込み土を、使うしかありません。

 
   前置きが、長くなりましたが、前回の続きを、述べます。    

7) 青のイメージ: 青色は、精神を安定させる、作用があります。

   世界中で、好まれる色の、「ベスト3」に入っています。

   青は空の色と、水の色を連想させる色で、自然の美の一つに成っています。

  ① 「爽やか」「神秘的」「冷静」「知的」「平和」「誠実、信頼」「真面目」のイメージです。

    否定的には「憂鬱(ゆううつ)」「冷たい」「遠い」などがあります。

  ② 青の色の範囲は、かなり広いです。

    濃い藍色から、明るいスカイブルー(空色)まで、色々な名前が付けられています。

    (藍色、ロイヤルブルー、ブルー、青、スカイブルー等が有ります。)

  ③ 下絵付けでは、「呉須」と呼ばれる色が代表的な、青と成ります。

    「呉須」には、色によって幾つかの名前があります。

    (古代呉須、墨呉須、紫呉須、青呉須、土呉須、焼貫呉須等です。)

     その外に、コバルトブルー、トルコブルー、カイヘキ等が有ります。

  ④ 青い釉には、瑠璃色、瑠璃海鼠(るりなまこ)、トルコブルー、空色、深青緑などが、有ります。

    いづれも、コバルト系の釉です。

 8) 紫のイメージ

以下次回に続きます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする