底割れは、比較的多く起こる現象です。特に底の広い作品や、轆轤挽きした作品に多く発生します。
底割れは、素焼きや本焼きで起こる事もありますが、圧倒的に素地の乾燥時に発生する事が多いです
素焼きや本焼きで突然発生した様に見えますが、実際には乾燥時に確認できない程度の「ひび」が
すでに起きている結果、焼成でよりはっきりと出現する事になります。
例え成形が無事に終わっても、安心は出来ません。乾燥時に突然底割れが現れる事も珍しくは無い
からです。多くの場合、大きく底割れが発生した後に見つける事になります。
又、底割れを起こし易い人もいます。底割れの原因はある程度判明し予防できるのですが、なぜか
どうしても一人の人に集中して起こり勝ちです。多分その人独特の「癖」や習慣が関係していると
思われます。
尚、「底割れ」に付いては、以前に何度か述べていますので、重複するかも知れません。
ご了承して下さい。
1) 底割れの特徴。
① 底の中央付近に、一本の直線又はやや曲た線として現れます。割れがひどい場合には、底を
数mmの幅の溝が貫通しています。程度が低い底割れの場合は、主に内側の中央部分に数cmの
長さで「Iの字」状に現れます。
② 小さな「ひび」が成長して「割れ」へと発展して行きます。
轆轤挽き直後の濡れている作品には、「ひび」は入っていません。例えこの段階で「ひび」に
気付いていれば、「皮」や指で撫ぜて補修する事ができますので、「割れ」まで成長する事は
有りません。
③ 一度発生した底割れは、の補修はかなり難しいです。
) 素地の乾燥と伴に「割れ」は発生しますので、「割れ」始めを見つける事は中々困難です
なぜなら、制作し終えた作品を常に監視している事はほとんどありません。
) 乾燥以前であれば、「ひび」の周囲の土を「ひび」の方に移動させて、補修する事が
出来ますが、乾燥している状態では、周囲の土の移動が困難ですので、その「割れ」た部分に
同じ土を盛る事に成ります。
) 当然盛った土は柔らかいですし、乾燥の進んだ作品との収縮に差が出てきます。
即ち、後から盛った土は大きく縮む事になります。その為、補修しても補修部分に、更に
「割れ」が起る事になります。
要するに、確実に「割れ」の溝に新たに土を充填する事ができませんので、補修できない
訳です。数度の補修を繰り返す事で、どうにか素地の段階での「割れ」を補修できても、
本焼き時には、作品が縮みますので、弱い補修部分に「割れ」が発生します。
) 素地の乾燥時に「割れ」が見付かった場合、素焼きに進まずに、この段階で「お釈迦」
にします。素焼きを行うとより悪い結果になるからです。この段階ならば、素地を再生する
事が出来るからです。
2) 底割れの原因は、乾燥時と本焼き時に土が縮む事が原因です。
① 土が縮む原理は乾燥時と本焼き時では、若干の違いがあります。
) 乾燥と伴に素地の水分は、徐々に蒸発して行きます。同時に体積を小さくしようとする
現象が起こります。
) 体積を小さくする際、各粘土粒子は中心に向かう力が働きます。その為、各粒子は綱引き
の様に引っ張り合います。引っ張り力の弱い処は、両側から引っ張られ股裂き状態になって
「ひび」が入り、やがて大きく成長して「割れ」と成って現れます。
) 乾燥時には水分が関係していますが、本焼き時の収縮は水分とは関係なく、粘土自体の
質的変化の結果起こります。
以下次回に続きます。
底割れは、素焼きや本焼きで起こる事もありますが、圧倒的に素地の乾燥時に発生する事が多いです
素焼きや本焼きで突然発生した様に見えますが、実際には乾燥時に確認できない程度の「ひび」が
すでに起きている結果、焼成でよりはっきりと出現する事になります。
例え成形が無事に終わっても、安心は出来ません。乾燥時に突然底割れが現れる事も珍しくは無い
からです。多くの場合、大きく底割れが発生した後に見つける事になります。
又、底割れを起こし易い人もいます。底割れの原因はある程度判明し予防できるのですが、なぜか
どうしても一人の人に集中して起こり勝ちです。多分その人独特の「癖」や習慣が関係していると
思われます。
尚、「底割れ」に付いては、以前に何度か述べていますので、重複するかも知れません。
ご了承して下さい。
1) 底割れの特徴。
① 底の中央付近に、一本の直線又はやや曲た線として現れます。割れがひどい場合には、底を
数mmの幅の溝が貫通しています。程度が低い底割れの場合は、主に内側の中央部分に数cmの
長さで「Iの字」状に現れます。
② 小さな「ひび」が成長して「割れ」へと発展して行きます。
轆轤挽き直後の濡れている作品には、「ひび」は入っていません。例えこの段階で「ひび」に
気付いていれば、「皮」や指で撫ぜて補修する事ができますので、「割れ」まで成長する事は
有りません。
③ 一度発生した底割れは、の補修はかなり難しいです。
) 素地の乾燥と伴に「割れ」は発生しますので、「割れ」始めを見つける事は中々困難です
なぜなら、制作し終えた作品を常に監視している事はほとんどありません。
) 乾燥以前であれば、「ひび」の周囲の土を「ひび」の方に移動させて、補修する事が
出来ますが、乾燥している状態では、周囲の土の移動が困難ですので、その「割れ」た部分に
同じ土を盛る事に成ります。
) 当然盛った土は柔らかいですし、乾燥の進んだ作品との収縮に差が出てきます。
即ち、後から盛った土は大きく縮む事になります。その為、補修しても補修部分に、更に
「割れ」が起る事になります。
要するに、確実に「割れ」の溝に新たに土を充填する事ができませんので、補修できない
訳です。数度の補修を繰り返す事で、どうにか素地の段階での「割れ」を補修できても、
本焼き時には、作品が縮みますので、弱い補修部分に「割れ」が発生します。
) 素地の乾燥時に「割れ」が見付かった場合、素焼きに進まずに、この段階で「お釈迦」
にします。素焼きを行うとより悪い結果になるからです。この段階ならば、素地を再生する
事が出来るからです。
2) 底割れの原因は、乾燥時と本焼き時に土が縮む事が原因です。
① 土が縮む原理は乾燥時と本焼き時では、若干の違いがあります。
) 乾燥と伴に素地の水分は、徐々に蒸発して行きます。同時に体積を小さくしようとする
現象が起こります。
) 体積を小さくする際、各粘土粒子は中心に向かう力が働きます。その為、各粒子は綱引き
の様に引っ張り合います。引っ張り力の弱い処は、両側から引っ張られ股裂き状態になって
「ひび」が入り、やがて大きく成長して「割れ」と成って現れます。
) 乾燥時には水分が関係していますが、本焼き時の収縮は水分とは関係なく、粘土自体の
質的変化の結果起こります。
以下次回に続きます。