6) 実際に市販されている土を、紹介検討してみます。
粘土の中には、用途に関わらず、万能な土もあります。(其れなりに、どんな用途に使える土)
一方用途的に適した粘土を使いたいと思っている方も多くいます。市販されている粘土類には、
ある程度その用途に適した粘土が用意されています。その用途別の土に付いて述べたいと思います
但し、磁器土に付いては、後日述べる予定です。
① 轆轤作業に向いた土。
轆轤挽きに適する土は、腰が有り直ぐに「ヘタラ」ない事と、土がスムーズに伸びてくれる事
です。肌理が細かく手触りの良い土が多いのですが、大物の場合には、若干粒子が粗い方が向い
ています。
ⅰ) 信楽水簸(すいひ)粘土: 良質の蛙目土と木節土を沈殿させ、その上部の微粒子を篩
(ふるい)に掛け、木くずや砂などの不純物を取り除き、天日などで乾燥させた土です。
粘り気が多く、砂気の少ない粘土です。尚、並漉し(なみこし)は篩の目の100を通した土で、
特漉しはそれより細かい篩を通した土たです。 篩目は数の多い程、目が細かくなります。
信楽水簸(すいひ)粘土には、幾つかの種類があります。
a) 信楽水簸(すいひ)並漉し粘土: 安価で代表的な粘土で、初心者からベテランまで、
万人向きの多く使う事われる土です。安価で容易に手に入り、極一般的な粘土です。焼き上が
りが黄白色で、他の土とも相性が良く馴染み易いです。食器などに使われる人気のある土です。
小物から大物まで使われています。
b) 信楽水簸(すいひ)特漉し粘土: 並漉しより篩目が細かい土です。
作品に細工を施す場合に向い粘土です。小物向きです。目が細かいですので、並漉しより
若干縮み量が大きいです。
c) 信楽赤水簸(すいひ)粘土: 鉄分の多い土で、焼成では茶色から褐色を呈します。
この粘土を100%で使と、釉が焦げてしまったり、釉剥げを起こす事も多く、更に耐火温度も
下がり、焼き縮みも大きくなり、器形が崩れ易くなります。その為、並漉しなど他の粘土と
混ぜて使う事が多いです。混ぜる量は10~50%程度が安全です。当然混ぜる量が増えるに
従い、素地の色も濃くなります。釉の発色も鈍く(渋く)なりますので、好んで赤土を混ぜ
て使う人も多いです。 尚、用途や混入物の違いによって赤1号~4号が)有ります。
又はそれ以上番号の物もあります。
d) 古信楽土(細目、荒目): 石ハゼ(珪長石の祖粒石)が5~10%程入った白色の粘土です。
素地と石の粒子の細かい細目と、素地と石の粒子がやや粗い荒目があります。
焼成すると、作品の表面に半透明の石がとび出してきますので、野趣溢れた作品になります。
尚、皿の様に口径を広げる作品では、荒目を使うと口径に「ひび」が入りや易くなります
ので、慎重に轆轤挽きしなければ成りません。
・ 古信楽赤土: 古信楽土に赤土を混入した土です。焼き上がりは茶褐色に成ります。
e) 信楽原土:信楽石ハゼ原土、黄瀬(きのせ)原土、特選黄瀬原土。
信楽石ハゼ原土は白色の原土で、このままで作陶できる古信楽風の作品になります。
黄瀬(きのせ)原土は、黄瀬山に産する原土で、黄味白色になります。石ハゼ、緋色、焦げ等
の窯変はこの土の化学的作用と言われています。この土単体での作品は素朴で力強い表現に
なります。 特選黄瀬原土は、粘りの強い腹土で、緋(火)色が良く出ます。
f) 黄瀬土: 黄瀬土原土を水簸した土で、信楽土の最高級品とも言われています。
g) 信楽黄土水簸粘土: 耐火度があり、酸化及び還元焼成で黒っぽく焼き上がります。
h) 白御影土、黄御影土、黒御影土:
古信楽土にマイカ(雲母)を混入した土(白御影土)。
古信楽土に黄土とマイカ(雲母)を混入した土(黄御影土)。
古信楽土にマイカ(雲母)と黒顔料を混入した土(黒御影土)。
ⅱ) 薪窯用信楽水簸(すいひ)粘土。
以下次回に続きます。
参考資料: 東京丸二陶料、(株)ヤマニファーストセラミック、(株)新柳北信などのメーカーの
カタログ。
粘土の中には、用途に関わらず、万能な土もあります。(其れなりに、どんな用途に使える土)
一方用途的に適した粘土を使いたいと思っている方も多くいます。市販されている粘土類には、
ある程度その用途に適した粘土が用意されています。その用途別の土に付いて述べたいと思います
但し、磁器土に付いては、後日述べる予定です。
① 轆轤作業に向いた土。
轆轤挽きに適する土は、腰が有り直ぐに「ヘタラ」ない事と、土がスムーズに伸びてくれる事
です。肌理が細かく手触りの良い土が多いのですが、大物の場合には、若干粒子が粗い方が向い
ています。
ⅰ) 信楽水簸(すいひ)粘土: 良質の蛙目土と木節土を沈殿させ、その上部の微粒子を篩
(ふるい)に掛け、木くずや砂などの不純物を取り除き、天日などで乾燥させた土です。
粘り気が多く、砂気の少ない粘土です。尚、並漉し(なみこし)は篩の目の100を通した土で、
特漉しはそれより細かい篩を通した土たです。 篩目は数の多い程、目が細かくなります。
信楽水簸(すいひ)粘土には、幾つかの種類があります。
a) 信楽水簸(すいひ)並漉し粘土: 安価で代表的な粘土で、初心者からベテランまで、
万人向きの多く使う事われる土です。安価で容易に手に入り、極一般的な粘土です。焼き上が
りが黄白色で、他の土とも相性が良く馴染み易いです。食器などに使われる人気のある土です。
小物から大物まで使われています。
b) 信楽水簸(すいひ)特漉し粘土: 並漉しより篩目が細かい土です。
作品に細工を施す場合に向い粘土です。小物向きです。目が細かいですので、並漉しより
若干縮み量が大きいです。
c) 信楽赤水簸(すいひ)粘土: 鉄分の多い土で、焼成では茶色から褐色を呈します。
この粘土を100%で使と、釉が焦げてしまったり、釉剥げを起こす事も多く、更に耐火温度も
下がり、焼き縮みも大きくなり、器形が崩れ易くなります。その為、並漉しなど他の粘土と
混ぜて使う事が多いです。混ぜる量は10~50%程度が安全です。当然混ぜる量が増えるに
従い、素地の色も濃くなります。釉の発色も鈍く(渋く)なりますので、好んで赤土を混ぜ
て使う人も多いです。 尚、用途や混入物の違いによって赤1号~4号が)有ります。
又はそれ以上番号の物もあります。
d) 古信楽土(細目、荒目): 石ハゼ(珪長石の祖粒石)が5~10%程入った白色の粘土です。
素地と石の粒子の細かい細目と、素地と石の粒子がやや粗い荒目があります。
焼成すると、作品の表面に半透明の石がとび出してきますので、野趣溢れた作品になります。
尚、皿の様に口径を広げる作品では、荒目を使うと口径に「ひび」が入りや易くなります
ので、慎重に轆轤挽きしなければ成りません。
・ 古信楽赤土: 古信楽土に赤土を混入した土です。焼き上がりは茶褐色に成ります。
e) 信楽原土:信楽石ハゼ原土、黄瀬(きのせ)原土、特選黄瀬原土。
信楽石ハゼ原土は白色の原土で、このままで作陶できる古信楽風の作品になります。
黄瀬(きのせ)原土は、黄瀬山に産する原土で、黄味白色になります。石ハゼ、緋色、焦げ等
の窯変はこの土の化学的作用と言われています。この土単体での作品は素朴で力強い表現に
なります。 特選黄瀬原土は、粘りの強い腹土で、緋(火)色が良く出ます。
f) 黄瀬土: 黄瀬土原土を水簸した土で、信楽土の最高級品とも言われています。
g) 信楽黄土水簸粘土: 耐火度があり、酸化及び還元焼成で黒っぽく焼き上がります。
h) 白御影土、黄御影土、黒御影土:
古信楽土にマイカ(雲母)を混入した土(白御影土)。
古信楽土に黄土とマイカ(雲母)を混入した土(黄御影土)。
古信楽土にマイカ(雲母)と黒顔料を混入した土(黒御影土)。
ⅱ) 薪窯用信楽水簸(すいひ)粘土。
以下次回に続きます。
参考資料: 東京丸二陶料、(株)ヤマニファーストセラミック、(株)新柳北信などのメーカーの
カタログ。
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