2) 素地に入れる異物の種類。
① 顔料を入れる。(色土を作る):(以上までが前回の話です。)
② 海砂を入れる。
) 海砂には、塩分が含まれる為、山砂とは若干異なります。素地に大量の塩分を含ませると
悪い影響を与えます。それ故、なるべく塩抜きをして使います。
) 釉としては、食塩を使った塩釉があります。焼成時に有毒な塩素を発生しますので、
注意が必要です。尚、釉に添加しても、海砂はほとんど熔けず、粒子と成って残ります。
) 川や山砂に対し、容易に入手使用が可能と思われます。砂は岩石が砕けて細かくなった
物に酸化鉄などの微粉な金属粒子(黒浜=砂鉄と言います)の他、腐食した有機物が含まれる
場合もあります。その為、川や山砂が地域によって荒さ等に若干の差が出易いですが、海砂の
場合、地域によって若干異なりますが、比較的安定しています。
) 砂は本焼き程度の温度では、熔ける事は少ない(ほとんど無い)です。又、色も黒ずみ、
焼いても色の変化はほとんどありません。海砂を使う場合、貝殻の粉末も含まれる場合があり
粒子の細かさもバラバラですので、粒子の大きさを揃える為、篩(ふるい)に掛ける事も
あります。
) 素地に練り込む場合と、表面に摺り込む方法があります。摺り込む際には、少々多めに
しないと、砂が剥がれ落ちます。練り込みの場合は、やや少な目にした方が、見栄えが良い
です。素地に斑点状の黒い「シミ」が現れます。釉は透明系の物を使うと良いでしょう。
尚、無釉の場合、摺りこんだ砂の粒子がボロボロ落ちる場合もあります。
③ 貝殻の微粉末を入れる。
) 本焼きする際、くっつき防止と、作品の変形(下に垂れる)を防ぐ為、作品の下に貝を
置く事も多いです。この場合、貝の種類は問いません。
) 桜貝の貝殻の様に、表面の模様を作品に残し、鑑賞する場合もあります。
縄文土器などには、貝を嵌め込んだ作品もあります。土器程度の温度では、ほとんど火の影響
を受けませんので、そのまま現れます。
) 素地と貝の接触部分には、塩分のせいと思われる緋色又は、赤茶の焦げ目の様な色が
付きます。桜貝では、殻の文様が緋色掛かっている場合が多いです。
) 本焼き終了後でも、貝の形は残りますが、手などで簡単に砕けてしまいます。
水を加え乳鉢で摺る事で、更に細かくする事が出来ます。貝は石灰石と同じ炭酸カルシウムが
主成分ですので、釉としても使えます。特に日本画の白い顔料である胡粉(ごふん)は、
ホタテ貝などを焼いて作ります。
) 素地に添加した場合、素地を若干白くする作用はありますが、目に見えた効果は得られ
ないと思われます。
④ 骨灰を入れる。
骨灰の主成分は燐酸カルシウムです。主に釉や素地に混ぜて用いられます。
これを利用した焼き物に、ボーンチャイナがあります。
) 落ち着いた卵殻色の色になります。骨灰は牛骨(特に牝牛の背骨)を焼いて炭化させた
物が良いと言われています。
) 現在では、安定性のある合成牛骨(第二燐酸カルシウムと石灰石との化合物)が使われ
市販されています。
⑤ 火山灰や溶岩を入れる。
火山灰と溶岩は、高温でガラス質になりますので、それ自体は釉と見なす事ができます。
但し、素地に入れた場合、いずれも黒や灰色掛かった汚れた感じと成りますので、余りお勧め
出来ません。興味のある方は、試して下さい。但し少量に留めます。
火山によって流動性のある溶岩や、流れ難い溶岩があります。即ち何処の火山の溶岩かに
よって違いがありますので、当然テスト焼きしてから使う事です。
⑥ 釉を入れる。
) 釉も素地も構成成分は同じ様物質から出来ています。違いは熔ける温度の違いです。
一般に釉は、素地より100℃ほど低いと言われています。
) 素地に釉を入れると、素地の融点は下がります。更に釉の色も素地に反映しますので、
素地に色が付く事に成ります。
) 練り込みの要領で、釉を練り込むと、境界部分が「ぼけ」はっきりせず、ぼやけた様な
感じになります。但し、釉を入れ過ぎると、素地本体が弱くなりますので、入れ過ぎない
事です。
⑦ コーヒーの出からしを入れる。
以下次回に続きます。
① 顔料を入れる。(色土を作る):(以上までが前回の話です。)
② 海砂を入れる。
) 海砂には、塩分が含まれる為、山砂とは若干異なります。素地に大量の塩分を含ませると
悪い影響を与えます。それ故、なるべく塩抜きをして使います。
) 釉としては、食塩を使った塩釉があります。焼成時に有毒な塩素を発生しますので、
注意が必要です。尚、釉に添加しても、海砂はほとんど熔けず、粒子と成って残ります。
) 川や山砂に対し、容易に入手使用が可能と思われます。砂は岩石が砕けて細かくなった
物に酸化鉄などの微粉な金属粒子(黒浜=砂鉄と言います)の他、腐食した有機物が含まれる
場合もあります。その為、川や山砂が地域によって荒さ等に若干の差が出易いですが、海砂の
場合、地域によって若干異なりますが、比較的安定しています。
) 砂は本焼き程度の温度では、熔ける事は少ない(ほとんど無い)です。又、色も黒ずみ、
焼いても色の変化はほとんどありません。海砂を使う場合、貝殻の粉末も含まれる場合があり
粒子の細かさもバラバラですので、粒子の大きさを揃える為、篩(ふるい)に掛ける事も
あります。
) 素地に練り込む場合と、表面に摺り込む方法があります。摺り込む際には、少々多めに
しないと、砂が剥がれ落ちます。練り込みの場合は、やや少な目にした方が、見栄えが良い
です。素地に斑点状の黒い「シミ」が現れます。釉は透明系の物を使うと良いでしょう。
尚、無釉の場合、摺りこんだ砂の粒子がボロボロ落ちる場合もあります。
③ 貝殻の微粉末を入れる。
) 本焼きする際、くっつき防止と、作品の変形(下に垂れる)を防ぐ為、作品の下に貝を
置く事も多いです。この場合、貝の種類は問いません。
) 桜貝の貝殻の様に、表面の模様を作品に残し、鑑賞する場合もあります。
縄文土器などには、貝を嵌め込んだ作品もあります。土器程度の温度では、ほとんど火の影響
を受けませんので、そのまま現れます。
) 素地と貝の接触部分には、塩分のせいと思われる緋色又は、赤茶の焦げ目の様な色が
付きます。桜貝では、殻の文様が緋色掛かっている場合が多いです。
) 本焼き終了後でも、貝の形は残りますが、手などで簡単に砕けてしまいます。
水を加え乳鉢で摺る事で、更に細かくする事が出来ます。貝は石灰石と同じ炭酸カルシウムが
主成分ですので、釉としても使えます。特に日本画の白い顔料である胡粉(ごふん)は、
ホタテ貝などを焼いて作ります。
) 素地に添加した場合、素地を若干白くする作用はありますが、目に見えた効果は得られ
ないと思われます。
④ 骨灰を入れる。
骨灰の主成分は燐酸カルシウムです。主に釉や素地に混ぜて用いられます。
これを利用した焼き物に、ボーンチャイナがあります。
) 落ち着いた卵殻色の色になります。骨灰は牛骨(特に牝牛の背骨)を焼いて炭化させた
物が良いと言われています。
) 現在では、安定性のある合成牛骨(第二燐酸カルシウムと石灰石との化合物)が使われ
市販されています。
⑤ 火山灰や溶岩を入れる。
火山灰と溶岩は、高温でガラス質になりますので、それ自体は釉と見なす事ができます。
但し、素地に入れた場合、いずれも黒や灰色掛かった汚れた感じと成りますので、余りお勧め
出来ません。興味のある方は、試して下さい。但し少量に留めます。
火山によって流動性のある溶岩や、流れ難い溶岩があります。即ち何処の火山の溶岩かに
よって違いがありますので、当然テスト焼きしてから使う事です。
⑥ 釉を入れる。
) 釉も素地も構成成分は同じ様物質から出来ています。違いは熔ける温度の違いです。
一般に釉は、素地より100℃ほど低いと言われています。
) 素地に釉を入れると、素地の融点は下がります。更に釉の色も素地に反映しますので、
素地に色が付く事に成ります。
) 練り込みの要領で、釉を練り込むと、境界部分が「ぼけ」はっきりせず、ぼやけた様な
感じになります。但し、釉を入れ過ぎると、素地本体が弱くなりますので、入れ過ぎない
事です。
⑦ コーヒーの出からしを入れる。
以下次回に続きます。
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