HON様より、以下の様な質問を受けましたので、お答えします。
透明マット釉(HON)について
日本陶料やヤマニファーストセラミックなどで透明でマットな釉薬というものがありますが、どの様な成分なのでしょうか。白濁しないスリガラスのようなものなのかと想像しますが、白濁しないで透明感のある原料が思い浮かびません。
明窓窯より
① マット釉(艶消釉)は透明な光沢釉の中に、非常に小さな結晶が閉じ込められている状態です。
結晶は冷却時に析出したもです。光の一部は結晶に当たり乱反射して、表面はマット状になり
ますが、ほとんどの光は、釉を素通りして素地まで到達します。それ故、透明釉となります。
透明釉ですので、下絵付けが可能で、白化粧土などの装飾に施釉する事が出来ます。
② 一方不透明な乳濁釉は、最初から釉に熔けない成分(酸化錫、ジルコニア、酸化マグネシウム、
酸化チタンなど)を入れた釉で、マット釉と区別しています。
③ 艶消釉は、光沢釉(一般の透明釉など)に微量の添加剤を加えて作る事が出来ます。
例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化錫、硫酸バリウム(炭酸バリウム)、純酸化チタンなどです。
尚、大量に使うと結晶釉となり、透明感が無くなります。
④ 一般に珪酸(珪石)を減らし、アルミナ成分(長石、カオリン)を多くすると艶消釉となります。
釉が熔け難く成った際には、硼酸を加えると熔け易くなります。
尚、アルミナ成分とシリカ成分の比率はモル比で以下の様になります。
Al2O3 : SiO3 = 1 : 3 ~ 1 : 6 の間です。
⑤ 釉の成分を一部置換すると、艶消釉となる場合もあるとの事です。
Na2O -> CaO、 K2OとCaOの一部をMgO2で置き換える。
(ナトリウム)ー>(カルシュウム)、(カリウムとカルシュウム)の一部を(マグネシュウム)に
以上 不明な点がありましたら、再度連絡して下さい。
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