千家に伝わる「七事式」と言う、「茶の湯の稽古方法」に付いて述べます。
① 「花月式」とは客四人、亭主一人の五人で行います。
お茶に対して、臨機応変に対処できる様に稽古する事を目的とし、七事式中最も変化に富みます。
お茶を点てる亭主と客が入れ替わり、緊張感を持た稽古と成ります。
籤(くじ)で「花」札を引き当てた人が、亭主になり、「月」を当てた人が、客になる
決まりで、引き当てた札によって、役割が変わります。何時自分が亭主に成るか解からないので、
緊張感が有り、稽古も自然と身が入り、上達も早くなる利点があります。
② 「且座(しゃくざ)式」は五人で行います。(亭主の東1人、半東1人、客3人で行います。)
亭主を「東(とう)」といい、亭主の補助役を「半東(はんとう)」と言います。
正客が花を活け、次客が炭を継ぎ、三客が香を焚き、東が濃茶を点て、半東が薄茶を点てます。
花を活け、炭をたし、香を焚き、濃茶と薄茶を点てる事で、全ての客が役目を負います。
尚、且座には、茶の湯のすべてが含まれています。
③ 「廻(又は回)り花」とは、主客が順次、花を生ける茶花の生け方の稽古です。
客は何人という定めはなく、花入は主に竹の三重切の物を用い、花と花台等を用意します。
・ 数種類の花を巧みに生け変えたり、前の人の花を生け変えず、一枝添えて花の風情を加えたり
する事も可能です。
・ 一巡とは限らず「どうぞお水にてお留め下さい」の声が掛かるまで、続ける場合もあります。
④ 「廻り炭」とは、主と客ともに、順次炉に炭を継ぐお炭の稽古です。
前の人が継いだ炭の形は避けて、格好良く継ぐ様にします。
炭の置き方の変化を見、また炭を火箸ではさむ稽古でもあります。
七事式の中でこれだけが炉を使います。
・ 客達が炉辺に寄り、亭主が炉中の火をあげて、主客ともに、順番に炉に炭を継ぎます。
・ 前の人がついだ炭の形、嫌い炭(丁字、帆かけ、十字、重ね)を避け、格好よく炭を継ぎます。
・ 一巡とは限らず、留炭がかかるまで炭の変化を楽しみます。
⑤ 「茶カブキ」とは、通常6人(亭主の東1人、執筆者1人、客4人) で行います。
三種五服の濃茶を飲み、茶の銘柄を当てる遊びの一種です。
まず最初に銘の解かった試茶二種を飲み、次に銘の伏せられた本茶三種(前の試茶二種+もう一種)
を飲んで、客がその茶銘を当てるゲーム性のある稽古方法です。
闘茶を基に、味覚の修練の為に作られたものです。
・ 当日使用する茶銘、茶舗を掛板に書いておきます。
・ 花月札と折据を用い、役(東と執筆者)を決める。
⑥ 「一二三」とは、亭主が濃茶を点て、客はその点前を見て、その出来不出来に札を入れます。
札の順位で、亭主の点前を9段階で評価する方法です。
人数に制限はないが、5人が適当(亭主と客4人)です。
⑦ 「員(又は数=かず)茶式」とは、通常7名以上(亭主1人、札元1人、目附1人、客)
客一同が札を挽き、札元の挽いた札と当たった者から、亭主の点てた薄茶を順次飲む事になります。
客は大勢でも良く、客の末座に札元が座り、札の世話をします。
・ 「花月」が厳格な式に行われるのに対し、煙草盆、菓子器で席中を和らげ、薄茶をいただきます。
この「七事式」の稽古方法は、表千家の如心斉と裏千家の一燈斉によって考案されましたが、
如心斉の弟子で、後の江戸千家開祖の川上不白(1719~1807年)によって完成します。
以下次回に続きます。
① 「花月式」とは客四人、亭主一人の五人で行います。
お茶に対して、臨機応変に対処できる様に稽古する事を目的とし、七事式中最も変化に富みます。
お茶を点てる亭主と客が入れ替わり、緊張感を持た稽古と成ります。
籤(くじ)で「花」札を引き当てた人が、亭主になり、「月」を当てた人が、客になる
決まりで、引き当てた札によって、役割が変わります。何時自分が亭主に成るか解からないので、
緊張感が有り、稽古も自然と身が入り、上達も早くなる利点があります。
② 「且座(しゃくざ)式」は五人で行います。(亭主の東1人、半東1人、客3人で行います。)
亭主を「東(とう)」といい、亭主の補助役を「半東(はんとう)」と言います。
正客が花を活け、次客が炭を継ぎ、三客が香を焚き、東が濃茶を点て、半東が薄茶を点てます。
花を活け、炭をたし、香を焚き、濃茶と薄茶を点てる事で、全ての客が役目を負います。
尚、且座には、茶の湯のすべてが含まれています。
③ 「廻(又は回)り花」とは、主客が順次、花を生ける茶花の生け方の稽古です。
客は何人という定めはなく、花入は主に竹の三重切の物を用い、花と花台等を用意します。
・ 数種類の花を巧みに生け変えたり、前の人の花を生け変えず、一枝添えて花の風情を加えたり
する事も可能です。
・ 一巡とは限らず「どうぞお水にてお留め下さい」の声が掛かるまで、続ける場合もあります。
④ 「廻り炭」とは、主と客ともに、順次炉に炭を継ぐお炭の稽古です。
前の人が継いだ炭の形は避けて、格好良く継ぐ様にします。
炭の置き方の変化を見、また炭を火箸ではさむ稽古でもあります。
七事式の中でこれだけが炉を使います。
・ 客達が炉辺に寄り、亭主が炉中の火をあげて、主客ともに、順番に炉に炭を継ぎます。
・ 前の人がついだ炭の形、嫌い炭(丁字、帆かけ、十字、重ね)を避け、格好よく炭を継ぎます。
・ 一巡とは限らず、留炭がかかるまで炭の変化を楽しみます。
⑤ 「茶カブキ」とは、通常6人(亭主の東1人、執筆者1人、客4人) で行います。
三種五服の濃茶を飲み、茶の銘柄を当てる遊びの一種です。
まず最初に銘の解かった試茶二種を飲み、次に銘の伏せられた本茶三種(前の試茶二種+もう一種)
を飲んで、客がその茶銘を当てるゲーム性のある稽古方法です。
闘茶を基に、味覚の修練の為に作られたものです。
・ 当日使用する茶銘、茶舗を掛板に書いておきます。
・ 花月札と折据を用い、役(東と執筆者)を決める。
⑥ 「一二三」とは、亭主が濃茶を点て、客はその点前を見て、その出来不出来に札を入れます。
札の順位で、亭主の点前を9段階で評価する方法です。
人数に制限はないが、5人が適当(亭主と客4人)です。
⑦ 「員(又は数=かず)茶式」とは、通常7名以上(亭主1人、札元1人、目附1人、客)
客一同が札を挽き、札元の挽いた札と当たった者から、亭主の点てた薄茶を順次飲む事になります。
客は大勢でも良く、客の末座に札元が座り、札の世話をします。
・ 「花月」が厳格な式に行われるのに対し、煙草盆、菓子器で席中を和らげ、薄茶をいただきます。
この「七事式」の稽古方法は、表千家の如心斉と裏千家の一燈斉によって考案されましたが、
如心斉の弟子で、後の江戸千家開祖の川上不白(1719~1807年)によって完成します。
以下次回に続きます。
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