前回からの続きです。
3) サインは釉の種類や釉の色や、釉を厚く掛ける事で、消えてしまう場合もあります。
サインの上に釉が厚く掛かった場合、字が「ぼやけた」り、釉に埋もれてしまう場合があります
その為、サイン周辺の釉を薄くしたり、サイン上の釉を軽く拭き取る事です。釉を部分的に薄く
するには、予め水を含んだ筆などでサイン周辺を濡らす事で達成できます。但し流れ易い釉
(結晶釉などに多い)を使うと、流れ落ちた釉がサインに掛かる場合もありますので、釉を掛け
る際、塗る範囲に注意が必要です。
4) サインの天地を逆にしない事、及び左右のバランスも考慮する事。
① サインを手書きする場合にはほとんど問題に成りませんが、方向性のある作品に、印などを
捺す場合、天地を逆さに捺す事も決して稀ではありません。印面は反転していますので、特に
間違い易い印鑑もあります。
② 一般的には、上部(天方向)のスペースを多く取り、下部(地)のスペースを少なくします。
なるべく左右の隙間を同じにしたいです。
③ 釘彫り等のサインでは、縦書きと横書きがあります。更に縦書きでも垂直でなく若干斜め方向
に書く(傾斜を付ける)事もあります。手書きし彫り込む際に、サインの周囲が毛羽立つ事が
あります(バリとも言います)。このバリは、手書き直後ではなく、ある程度土が乾燥した時
に削り取るか、素焼き後に紙やすり等で削り取ります。そのまま放置しておくと、バリの先端が
尖り(とがり)手や指を傷付ける事にもなります。
④ 一般的な作品では、サインまで見る人は少ないです。
但し、芸術(美術)的にまで高められた作品では、サインが重要な働きをします。勿論贋作の
疑いを晴らす役目もしますが、著名な作家であれば、サイン一つでその価値も飛躍的に高める
効果があるからです。
5) 取っ手や耳、注ぎ口などを有する作品の場合、作品に方向性が出ますので、サインを入れる際
入れる方法に注意が必要に成ります。
① 取っ手(持ち手)のある作品の高台内にサインを入れる場合、特に片手で持つコーヒーカップ
の様な器では、持った状態で口縁を向こう側に倒してサインを入れます。
高台脇に入れる場合には、取っ手の根元近辺に入れます。但し取っ手の手前側に入れる方法と
向こう側に入れる方法があります。
② 徳利や片口など注ぎ口を有する器では、底にサインを入れる際には、注ぎ口が真下に向けて
反転した位置でサインを入れます。又、高台脇に入れる場合には、注ぎ口と反対側、又は真横
に入れると、良いでしょう。
6) 蓋物の作品では、本体側にサインを入れ、蓋側には入れないのが一般的です。
焼成する際、蓋をした状態で行いますので、蓋が行方不明に成る事は少ない様です。
7) サインを強調する場合には、掘り込まれた部分に、呉須などの下絵絵の具で絵付けを施す場合
もあります。一般にはサインは目立たない状態で施しますが、あえて目立たせる為に行う事も
あります。サインが模様の一部と成っている場合などです。
8) サインは一個とは限りません。(基本的には一個ですが・・)
① 作品に応じてサイン自体を変えたり、書体を変えたりする場合もあります。又、作者の年代と
共にサインを変える事もあり、心境の変化で変える事もます。特に手書きのサインであれば容易
です。ご自分で作った印であれば、容易に作り変える事も可能です。印面が摩滅した場合や、
欠損した場合には作り換えた方が無難です。
② 大小の印を使い分ける。作品の大きさに対し、サンイが大き過ぎる場合には、小さな印を使い
大きな作品には、大きめの印を捺すなどの方法です。
9) サインはフルネイム(姓名)で入れる事は少ない様です。
伝統ある窯元では、代々名前を引き継いでいる所も多く、同じ名前のサインもあります。
しかし、一般的には名前の一文字や、屋号などのマークを使う事が多いです。
近年では、アルファベットのサインさえ見受けられます。
最後に、ご自分だけの窯であれば、サインを入れるかどうかは自由ですが、共同で使う場合には必要
になります。又サインに対する決まりもありません。民藝と呼ばれる作品群には無銘の作品が多いの
ですが、近年ではほとんどの作品に銘(サイン)が入っている物が多い様です。
以上にて銘(サイン)の話を終わります。
3) サインは釉の種類や釉の色や、釉を厚く掛ける事で、消えてしまう場合もあります。
サインの上に釉が厚く掛かった場合、字が「ぼやけた」り、釉に埋もれてしまう場合があります
その為、サイン周辺の釉を薄くしたり、サイン上の釉を軽く拭き取る事です。釉を部分的に薄く
するには、予め水を含んだ筆などでサイン周辺を濡らす事で達成できます。但し流れ易い釉
(結晶釉などに多い)を使うと、流れ落ちた釉がサインに掛かる場合もありますので、釉を掛け
る際、塗る範囲に注意が必要です。
4) サインの天地を逆にしない事、及び左右のバランスも考慮する事。
① サインを手書きする場合にはほとんど問題に成りませんが、方向性のある作品に、印などを
捺す場合、天地を逆さに捺す事も決して稀ではありません。印面は反転していますので、特に
間違い易い印鑑もあります。
② 一般的には、上部(天方向)のスペースを多く取り、下部(地)のスペースを少なくします。
なるべく左右の隙間を同じにしたいです。
③ 釘彫り等のサインでは、縦書きと横書きがあります。更に縦書きでも垂直でなく若干斜め方向
に書く(傾斜を付ける)事もあります。手書きし彫り込む際に、サインの周囲が毛羽立つ事が
あります(バリとも言います)。このバリは、手書き直後ではなく、ある程度土が乾燥した時
に削り取るか、素焼き後に紙やすり等で削り取ります。そのまま放置しておくと、バリの先端が
尖り(とがり)手や指を傷付ける事にもなります。
④ 一般的な作品では、サインまで見る人は少ないです。
但し、芸術(美術)的にまで高められた作品では、サインが重要な働きをします。勿論贋作の
疑いを晴らす役目もしますが、著名な作家であれば、サイン一つでその価値も飛躍的に高める
効果があるからです。
5) 取っ手や耳、注ぎ口などを有する作品の場合、作品に方向性が出ますので、サインを入れる際
入れる方法に注意が必要に成ります。
① 取っ手(持ち手)のある作品の高台内にサインを入れる場合、特に片手で持つコーヒーカップ
の様な器では、持った状態で口縁を向こう側に倒してサインを入れます。
高台脇に入れる場合には、取っ手の根元近辺に入れます。但し取っ手の手前側に入れる方法と
向こう側に入れる方法があります。
② 徳利や片口など注ぎ口を有する器では、底にサインを入れる際には、注ぎ口が真下に向けて
反転した位置でサインを入れます。又、高台脇に入れる場合には、注ぎ口と反対側、又は真横
に入れると、良いでしょう。
6) 蓋物の作品では、本体側にサインを入れ、蓋側には入れないのが一般的です。
焼成する際、蓋をした状態で行いますので、蓋が行方不明に成る事は少ない様です。
7) サインを強調する場合には、掘り込まれた部分に、呉須などの下絵絵の具で絵付けを施す場合
もあります。一般にはサインは目立たない状態で施しますが、あえて目立たせる為に行う事も
あります。サインが模様の一部と成っている場合などです。
8) サインは一個とは限りません。(基本的には一個ですが・・)
① 作品に応じてサイン自体を変えたり、書体を変えたりする場合もあります。又、作者の年代と
共にサインを変える事もあり、心境の変化で変える事もます。特に手書きのサインであれば容易
です。ご自分で作った印であれば、容易に作り変える事も可能です。印面が摩滅した場合や、
欠損した場合には作り換えた方が無難です。
② 大小の印を使い分ける。作品の大きさに対し、サンイが大き過ぎる場合には、小さな印を使い
大きな作品には、大きめの印を捺すなどの方法です。
9) サインはフルネイム(姓名)で入れる事は少ない様です。
伝統ある窯元では、代々名前を引き継いでいる所も多く、同じ名前のサインもあります。
しかし、一般的には名前の一文字や、屋号などのマークを使う事が多いです。
近年では、アルファベットのサインさえ見受けられます。
最後に、ご自分だけの窯であれば、サインを入れるかどうかは自由ですが、共同で使う場合には必要
になります。又サインに対する決まりもありません。民藝と呼ばれる作品群には無銘の作品が多いの
ですが、近年ではほとんどの作品に銘(サイン)が入っている物が多い様です。
以上にて銘(サイン)の話を終わります。
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