大きな作品(大物)を作る話を、続けます。
4) 轆轤で大きな作品を作る。
一般家庭では、大きな作品を作っても、出番が少なく、余り役に立た無いかも知れません。
置く場所が無い事と、一度仕舞い込むと、取り出すのが、面倒な為も有りますが、何よりも、使い難い
事が最大の、理由かと思われます。
大皿でも30cm程度までが使い易く、花瓶や壷なども、高さが30cm程度までの物が多く使われます。
陶器で背の高い物は、傘立て位です。高さが42cm~50cm程度の物が普通で、外径も16cm~
25cm程度の物が一般的な寸法です。
傘立ては、持つ物ではありませんから、重量があっても、さほど問題には、成りません。
・ 大きな作品は、展示用に作る事が多いです。即ち、陶芸展の様に、広い会場で展示するには、
ある程度の大きさでないと、見栄えがしません。それでも壷などは、高さが30~35cm程度が
中心で、稀に40cm以上の物がある程度で、45cm以上は、ほとんど見かけません。
但し、器ではない作品(オブジェ等)では、50cm以上の作品も珍しくはありません。
前置きが長くなりましたが、前回の続きをお話します。
① 背の高い作品を作る。
b) 繋ぎ合せて、高い作品を作る。
) 下段を形作り、乾燥させ強度を持たせてから、上段に土を載せて、轆轤成形する方法。
下段の成形した物に、更に積み上げる段数は1~2段が多いです。即ち繋ぎ目が1~2ヶ所です。
出来上がり寸法が、高さで30cmならば、生で34cm程度必要で、35cmならば、
約40cm近くの寸法が必要に成ります。(縮み率を、12~13%程度としての話です。)
い) 作品の形や、胴の径にもよりますが、生で34cmの高さにするには、土の量は2~2.5Kg
程度必要です。生で40cmにするには、約2.5~3.5Kgの粘土が必要に成ります。
(一塊の土を、一気に挽き上げる方法では、5~8Kgが必要に成ります。)
ろ) 土の量が2Kg未満でしたら、一段繋ぎ、それ以上なら2~3段繋ぎにします。
一段繋ぎの場合、下部に約2/3、上部に約1/3と土の量を分けます。
二段繋ぎの場合には、下:中:上=5:3:2程度に土を分けます。
三段繋ぎの場合には 下:中:上:最上=4:3:2:1程度に分けます。
(あくまでも、目安です。)
は) この作り方は、上に載せても変形しない状態まで、下部を乾燥させて、上に載せる為、
下部の形を再度、形成する事が困難に成ります。それ故、全体の形を頭に入れ、現在
どの部分を、形作りしているかを、しっかり確認しながら、作業する必要があります。
繋ぐ回数が増えれば増える程、設計した形から、離れてしまいますので、注意が必要です。
に) 実際の作業は以下の様にします。
轆轤作業は最下段から轆轤挽きします。次に中段を、その後上段を、最後に最上段を
轆轤挽きします。但し轆轤挽きは、下の段の形が、出来た後の方が良いでしょう。
・ 亀板の上で、最下段を轆轤挽きし、形を整えます。口縁の径を測定し、乾燥させます。
・ 轆轤上より、上記亀板を取り除き、中段(又は上段)部を底が抜けた筒状に挽き上げ、
底の径を下段の口縁の径に合わせます。挽き上げたら、直ぐに糸を入れ轆轤上より、
取り上げます。少々変形するでしょうが、気に懸ける事はありません。
・ 下段の轆轤挽きした亀板を、再度轆轤上にセットします。
(ワンッタッチで、取り外せる亀板を、自作するか、市販の物を使うと便利です。)
・ 中段の成形品を、下段の上に載せ、繋ぎ目を消し、滑らかにします。
(消す方法や、滑らかにする方法も、前回説明していますので、参考にして下さい。)
中段が変形していたり、中心が出ていなくても、轆轤を回転させて、修正する事が出来ます。
・ 次に下段のカーブに合わせて、形を作ります。当然一体感が出る様にします。
形が出来たら、更に上に載っても、変形しない程度に、乾燥させます。
・ 同様の方法で、上段、最上段を積んで轆轤成形します。形はこれで出来上がりですが、
繋ぎ目が凸凹し、綺麗でない場合は、全体にカンナを掛けて、一皮削り取ると、綺麗に
する事も出来ます。
この方法では、2Kgの土があれば、高さが生で30cmの壷も、容易に作る事が出来ます。
難しい所は、繋ぎ合わせる作業ですが、慣れれば容易に繋ぐ事は、可能です。
以下次回に続きます。
4) 轆轤で大きな作品を作る。
一般家庭では、大きな作品を作っても、出番が少なく、余り役に立た無いかも知れません。
置く場所が無い事と、一度仕舞い込むと、取り出すのが、面倒な為も有りますが、何よりも、使い難い
事が最大の、理由かと思われます。
大皿でも30cm程度までが使い易く、花瓶や壷なども、高さが30cm程度までの物が多く使われます。
陶器で背の高い物は、傘立て位です。高さが42cm~50cm程度の物が普通で、外径も16cm~
25cm程度の物が一般的な寸法です。
傘立ては、持つ物ではありませんから、重量があっても、さほど問題には、成りません。
・ 大きな作品は、展示用に作る事が多いです。即ち、陶芸展の様に、広い会場で展示するには、
ある程度の大きさでないと、見栄えがしません。それでも壷などは、高さが30~35cm程度が
中心で、稀に40cm以上の物がある程度で、45cm以上は、ほとんど見かけません。
但し、器ではない作品(オブジェ等)では、50cm以上の作品も珍しくはありません。
前置きが長くなりましたが、前回の続きをお話します。
① 背の高い作品を作る。
b) 繋ぎ合せて、高い作品を作る。
) 下段を形作り、乾燥させ強度を持たせてから、上段に土を載せて、轆轤成形する方法。
下段の成形した物に、更に積み上げる段数は1~2段が多いです。即ち繋ぎ目が1~2ヶ所です。
出来上がり寸法が、高さで30cmならば、生で34cm程度必要で、35cmならば、
約40cm近くの寸法が必要に成ります。(縮み率を、12~13%程度としての話です。)
い) 作品の形や、胴の径にもよりますが、生で34cmの高さにするには、土の量は2~2.5Kg
程度必要です。生で40cmにするには、約2.5~3.5Kgの粘土が必要に成ります。
(一塊の土を、一気に挽き上げる方法では、5~8Kgが必要に成ります。)
ろ) 土の量が2Kg未満でしたら、一段繋ぎ、それ以上なら2~3段繋ぎにします。
一段繋ぎの場合、下部に約2/3、上部に約1/3と土の量を分けます。
二段繋ぎの場合には、下:中:上=5:3:2程度に土を分けます。
三段繋ぎの場合には 下:中:上:最上=4:3:2:1程度に分けます。
(あくまでも、目安です。)
は) この作り方は、上に載せても変形しない状態まで、下部を乾燥させて、上に載せる為、
下部の形を再度、形成する事が困難に成ります。それ故、全体の形を頭に入れ、現在
どの部分を、形作りしているかを、しっかり確認しながら、作業する必要があります。
繋ぐ回数が増えれば増える程、設計した形から、離れてしまいますので、注意が必要です。
に) 実際の作業は以下の様にします。
轆轤作業は最下段から轆轤挽きします。次に中段を、その後上段を、最後に最上段を
轆轤挽きします。但し轆轤挽きは、下の段の形が、出来た後の方が良いでしょう。
・ 亀板の上で、最下段を轆轤挽きし、形を整えます。口縁の径を測定し、乾燥させます。
・ 轆轤上より、上記亀板を取り除き、中段(又は上段)部を底が抜けた筒状に挽き上げ、
底の径を下段の口縁の径に合わせます。挽き上げたら、直ぐに糸を入れ轆轤上より、
取り上げます。少々変形するでしょうが、気に懸ける事はありません。
・ 下段の轆轤挽きした亀板を、再度轆轤上にセットします。
(ワンッタッチで、取り外せる亀板を、自作するか、市販の物を使うと便利です。)
・ 中段の成形品を、下段の上に載せ、繋ぎ目を消し、滑らかにします。
(消す方法や、滑らかにする方法も、前回説明していますので、参考にして下さい。)
中段が変形していたり、中心が出ていなくても、轆轤を回転させて、修正する事が出来ます。
・ 次に下段のカーブに合わせて、形を作ります。当然一体感が出る様にします。
形が出来たら、更に上に載っても、変形しない程度に、乾燥させます。
・ 同様の方法で、上段、最上段を積んで轆轤成形します。形はこれで出来上がりですが、
繋ぎ目が凸凹し、綺麗でない場合は、全体にカンナを掛けて、一皮削り取ると、綺麗に
する事も出来ます。
この方法では、2Kgの土があれば、高さが生で30cmの壷も、容易に作る事が出来ます。
難しい所は、繋ぎ合わせる作業ですが、慣れれば容易に繋ぐ事は、可能です。
以下次回に続きます。
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