わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶磁器と色彩 1 (色が見る理由)

2010-12-15 21:32:42 | 陶磁器と色彩
人間は、五感を通して、外からの情報を、得ています。

 特に視覚による情報量は、全体の8割以上と、言われています。視覚の他、聴覚11%、嗅覚3.5%

 触覚1.5%、味覚が1%程度と、されています。

 陶磁器では、視覚と触覚が重要で、一部、焼きの加減を、指で弾きその音色で、判断しますので、聴覚も

 使用します。

 ・ 陶磁器の、出来の良し悪しを、判断する方法も、色々有りますが、なんと言っても、色の良し悪しで

   評価される事も多いです。勿論、使い勝手の良い作品も、大事ですが、使い勝手は、使ってみて

   初めて判る物で、一目見て判るとは、限りません。

   一目で判断すると成ると、形よりも、やはり色の良し悪しと、成ります。

 ・ 色の好みは、十人十色で、一概に良い色、悪い色と、区別する事は出来ません。

   今回の「テーマ」は、その色について、お話したいと、思います。

 1) 同じ色でも、人によって、見える色が違う(見え方が違う)

    同じ色、例えば赤ならば、万人が同じ赤に、見える訳では有りません。

    鮮明に赤く見える人、茶色がっかった赤に見える人、グレーを含んだ赤に見える人、黒っぽい赤に

    見える人など、個人差が大きいそうです。それ故、貴方の見ている赤が、他の人も、同じ赤と

    認識する事は、誤りともいえます。

 ① 色はどの様にして感じるのか?

   人の目は、明るい所でしか、色を感じる事が出来ます。暗い場所では、明暗は判りますが、色は、

   判別できません。明るい光の下で、色が感じられます。

  ) 色を感じる細胞が、目の網膜上の「中央か」に存在し、光に刺激され、脳に伝達されます。

  ) この細胞を、視細胞と呼び、600万~700万個あります。

     赤色を感知する「L 錐体」、緑色を感知する「M 錐体」、青色を感知する「S 錐体}の三種の

     視細胞が、有ります。割合は、6:3:1で、存在します。

     尚、「R 錐体」「G 錐体」「B 錐体」と呼ぶ、呼び方も有ります。

  ) この三種類の組み合わせで、全ての色を、見分ける事が出来ます。

     人は、1000万~750万種の異なった色を、見分けられると、言われています。

  ) この細胞は、生まれながらに、個人差があり、「L 錐体」が少ない場合には、赤をはっきり見る

     事は、出来ません。又、全く無ければ、赤色を感知できません。逆に、他の人より視細胞が多い
     
     場合には、赤の中にも、他の人より、多くの色々な赤を見る事が、出来るそうです。

     同様に、緑色や、青色を感知する、視細胞の強弱により、緑色や青色がよく見えたり、

     見えなかったりする様です。

 ) 尚、昔はこの様に、色が他の人と、大きく異なって見える人を、「色弱」と呼んでいましたが、

    現在では、余り使われていません。

    この様な方は、人種、民族、男女差によって、その割合が、若干異なります。我が国では、男子で

    全体の5%(20人に一人)程度、女子で0.2%(500人に一人)の頻度で、発生するそ

    うです。 又「色弱」の程度によっては、本人も気ずかない場合も有ります。それ故、同じ色が、

    少々違って見えている事も、十分考えられる事です。

 ) 加齢や病気によっても、見える色が、変わる事が有ります。

    加齢による白内障の為、目の水晶体が、黄変したり、白濁し、青系統の色が抜け落ち、赤っぽく
 
    見えたり、黄色と白が、判別できなくなる事も有ります。

    又、糖尿病網膜症などによる、網膜の病気にかかると、網膜の錐体の機能が、損なわれます。

    特に、元々少ない青を感知する錐体は、被害が出やすく、青系の色が、感知できなく成ります。

以下次回に続きます。

色の見え方
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