わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ろくろ(底作り、土を延ばす)

2009-10-21 23:00:08 | 電動ロクロ入門
引き続き、電動ろくろの、「基礎的事項」について、述べます。

 6) 土を上に延ばす

  ① 底を作る

    「土取り」し、穴を掘ったら、容器の内側の底を作ります。

     後から底を形作ると、手が底まで届かない場合や、土が振ら付き易いですので、

     先に底の形、大きさを決めてから、土を上に延ばします。

   ) 底の形状と広さ 

     内側の底の形状は、全体に平坦な形、鍋底の様に、なだらかに、内側に傾斜した形、

     抹茶茶碗の様に、茶溜まり(中心が凹む)の有る形など色々有ります。

     底の広さも、皿の様に、底が広い形や、徳利の様に狭い形など、作品に応じて、形を決めます。

   ・ 内側の底の形は、外側の形状に合わせて、形を決めます。内側と外側の形が大きく違うと、

     肉厚が厚くなり、全体に重くなったり、逆に薄くなり過ぎ、亀裂が入る場合が有ります。

   ・ 底を作る時に注意する事は、底の土を締める事です。指や「コテ」で下に押し付け、締めます。

     締めが不十分ですと、底割れの原因に成ります。

  ② 振れ止めをする

    底が出来たら、両手の親指を内側に、他の4本の指を外側に、親指と人差し指の間で、

   土の真上の3ヵ所を、押さえ込み、振れ止めと同時に、肉の厚さの調整も行います。

    又、真上から押さえ込みますので、高さも揃います。この状態から、土を延ばします。

     (この作業を省き、直ぐに土を延ばそうとすると、必ず、狂いが生じます)

   ③ 土を上に薄く延ばす。

     電動轆轤で一番難しい所は、この土を薄く延ばす事とです。

      (いかに薄く上に延ばせるかが、その人の技量を、反映します。)

     又、土の種類によっては、延び易い土と、延びずらい土(一般に、肌理が細かい)が有ります。

     初心者は、なるべく延び易い土を、選んでください。

   ・ 土を上に延ばす方法は、極限まで薄く、土を延ばしした後、形作りに入るやり方と、

     形作りをしながら、土を延ばす方法と、更に、この両方を、併用する方法が有ります。

   ・ 各々、長所短所が有りますが、最初に習った方法で、行うのが一般的です。

   ・ 土延ばしに専念後、形作りの場合、出来るだけ高く、筒状に延ばします。

     筒状ですので、下の土は、上の土を垂直に、支える為、下部の土も、薄くし易いです。

     更に、他の事を、考えなくて良いので、作業も、し易いです。

   ・ 形を作りながら、土を延ばす場合は、作業が早く成りますが、初心者には、かなり難しいです。

   ・ 併用する場合は、土延ばし専念後、形作りで、作品が所定の大きさ(寸法)に、ならない時、

     形を余り変えずに、土を延ばして、大きくします。

     (なぜ極限まで延ばした土が、更に薄く出来るのか、疑問に思うかも知れませんが、

      それは、形作りで、径を細くすると、肉厚は厚くなります。

      又、径を太くすると、肉厚は薄くはなりません。但し高さは、縮みます、その縮分が、

      太さの分と、肉厚の分に、変化します。更に、薄く延ばした土は、時間と伴に、下に沈み、

      背が低くなります、その分肉が厚く成ります。特に水を含んだ、軟らかい土は、

      上に延ばした直後から、直ぐに下に沈み込みます。それ故、形作りの際、

      更に土を延ばす事が、可能に成ります。)

   ・ 実際の、土を延ばすやり方は、人により、千差万別で、統一した方法はありません。

     しかし基本的な物(共通点)も有りますので、いくつか述べたいと思います。

 以下次回に続きます。

 電動轆轤入門 土延ばし  
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電動ろくろ(土取り)

2009-10-20 17:02:59 | 電動ロクロ入門
引き続き、電動ろくろの、「基礎的事項」について、述べます。

 4) 土取り

   一塊の土から、複数個の作品を作る際には、「土取り」と言う作業が、必要です。

   (1個作りの場合には、当然「土取り」は、不用です。)

   即ち、一個の作品に必要な土の量を、決める事が「土取り」です。

   同じ大きさの作品を、数多く作る(数物と言う)際には、土の量を一定にする必要が有ります。

   但し、この土の量は、絶対的な物ではありません。なぜなら、土の量が少ない時には、増やす事も

   可能ですし (糸で切り離す位置を、下にずらす)、多すぎた場合には、作品の上部を、

   弓や剣先(針)で切り取り、調整が可能だからです。

 ① 土取りの仕方

   土殺しの終わった土の上部は、やや長めの、円筒型にして置きます。

   (勿論、円錐型でも良いですが、土の分量が、解かり難いです。)

   左手の親指を、この円筒形の頂上に置き、他の4本の指を揃えて、土を抱え込みます。

   円筒形の径は、作品の大きさに応じて、8~10cm程度にします。

   土の量は、左手のどの指を使うかによって、変わります。

   「ぐい呑み」の様に、作品が小さな場合には、人指し指に力を加え、円筒形の脇に、窪みをつけます。

    作品が大きく成るに従い、中、薬、子指と、使う指を変えていきます。

    指に力を加えると、円筒形の側面に、「くびれ」(溝)が生じます。

    その「くびれ」より上の土を、使って、1個の作品を作ります。

    溝は、位置が解かれば良いですから、あまり深くする必要は有りません。

    指の太さの関係で、「くびれ」は、指の幅になるので、更に竹べら(人によっては、親指の爪)で、

    位置を固定します。この位置が、後で糸(シッピキ)で、切り離す位置になります。

 5) 土の中心に穴を掘る。

   穴を掘る方法は、複数個作りと、1個作りとは同じ作業です。

  ① 左手又は、左右両手の親指で、中心に、穴を、掘ります。

    即ち、土の外周を、手で抱え込みながら、親指の第一関節まで、掘り込みます。

  ② 更に掘り進む。

    掘った穴に、手ですくった水を、入れます。(水切れが、し易いです。)

    右手中指を、穴の中心に置き、更に深く掘り込みます。

    穴は、擂鉢(すりばち)状に、口をやや広げます。その際、中指が、ぐらつかない様に、他の手で、

    支えて、固定します。

  ③ 底の厚みを残す。

    「土取り」した「溝」(糸で切り離す所)と、穴の底は、約1cm位取ります。(削り高台の場合)

    1個作りの際には、木片に長さ1cm出るように、針を埋め込み、この用具で、底の中心に差込、

    木片の痕が付いたら、底の厚みが1cmと成ります。

    複数個作りの場合には、この1cm位の寸法を取るのが、意外と難しいです。

    なぜなら、外と内側を、同時に見る事が出来ない為です。

    そこで、親指で外側の「溝」を、中指で底を触り、その高低さ(底が上で、溝が下)で、

    厚みを判断します。(慣れないと、難しいです)

    他の方法では、口から底までの寸法と、溝との寸法の差から、判断する方法も有りますが、

    測るのが面倒でも有りますが。

  ・ 穴を深く掘り過ぎた場合には、擂鉢型の側面の土を、中心に向かって、落し込みます。

    それでも、底の肉が薄い場合には、1個作りでは、中心に土を補充します。

    但し、中の水分や泥は、スポンジで、拭き取ってからにして下さい。

    複数個作りの際には、糸を入れる位置(溝)を、下に移動します。

 以下次回に続きます。

 土取り
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電動ろくろ(土殺し2)

2009-10-19 18:28:09 | 電動ロクロ入門
引き続き、電動ろくろの、「基礎的事項」について、述べます。

 3) 土殺し

    土殺しは、土を上に延ばしたり(延べ上げ)、下に圧縮する(延べ下げ)の作業を、繰り返す物です。

  ② 土殺しの作業

   ) 延べ上げ

      両手の肘を、体や太ももに付け、両手の親指の付け根と、小指の付け根を使い、土を上に、

      伸ばします。

      その際、両手で土を締め上げます。回転速度は、やや速めにします。

     a) 力が弱いと、土の中心が、凹みます。

       これは、力が土の中心まで及ばない為で、表面の土だけが、上に延びている為です。

       即ち、力不足の状態ですので、もう少し、両手に力を入れます。

     b) 土をネジ切らない様に注意

       轆轤に据えた土は、根元が太く、上に行く程細くなっているはずです。

       太い所は、強い力で、細くなるに従い、力を抜いて行きます。同じ力ですと、ネジ切れの

       原因に成ります。ネジ切れの他の原因は、手が滑らない事です。即ち「水切れ」の状態です。

       手が滑らないと、感じたら、両手の力を抜き、撫ぜる程度で、手を最上部まで、移動します。

       途中で手を離さないで下さい。土に対して、常に手が滑る状態を、保って下さい。

     c) 延べ上げは、出来るだけ高くする。

       土を高く伸ばすほど、土殺しの効果が出ます。

       力は垂直な面を、真横から押すのが、一番有効です。それ故、底面が広く、先端が細い程、

       力は分散し、土が上に伸びません。

   ) 延べ下げ

      一度上に伸ばした土を、圧縮する様にして、下に落とします。

     a) 右回転の場合、右手で土の最上部を、抱え込みます、その際、親指は、人差し指に、

       付けて下さい。

       右手の親指の付け根を使い、左前方に倒す様にします、力はさほど入りません。

       左手は、力を抜いて、添えます。 すると、土は、渦を巻く様にして、下に落ちていきます。

       下に落ちて、手に抵抗感が出たら、両手で土の外周を、しっかり押さえ、綺麗な円を出します。

       延べ下げで、外周が凸凹する場合が多いです。必ず外周を、両手で強く抱え込んで、

       凸凹が出ない様にします。       

   ) 延べ上げ、延べ下げを、数度行います。

      最低でも3回以上、繰り返します。慣れない内は、回数が多く成ります。

      但し、土殺しの回数が増えると、土が水を吸い過ぎ、軟らかくなり、腰が無くなります。

      軟らか過ぎる土では、思うように形に成りません。

      出来るだけ少ない回数で、完了できる様にして下さい。

   )  土殺しの終了(完了)

      回転している土を、左手で抱え込み、その手が「振ら付かない」ならば、土殺しは、完了です。

      手が動く様ですと、更に延べ上げ、延べ下げを行います。

   ) 土殺しは、複数個作りの方が容易です。

      土の裾野が自由に動くと、容易に出来ます。1個作りですと、轆轤面や、亀板に密着して、

      自由度がありませんが、複数個作りでは、かなり自由に移動できます。

      それ故、初心者の土殺しの練習は、複数個作りのやり方で、した方が向いています。    

 土殺し 
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電動ろくろ(土殺し1)

2009-10-18 22:35:02 | 電動ロクロ入門
引き続き、電動ろくろの、「基礎的事項」について、述べます。

 3) 土殺し

    殺しとは、物騒な言葉ですが、「意のままにする」「おとなしくさせる」とかの意味だと思います。

  ① 土殺しの目的

   これから作品を作る為の土を、轆轤の中央に移動する事です。(芯出しをする)

   これが上手に出来ないと、土の中央に穴を掘ると、壁の肉厚が凸凹します。(偏肉と言う)

   偏肉に成ると、遠心力に差が出て、土が「振ら付き」ます。更に土を伸ばすと、肉の厚い所は、

   高さが高くなり、全体に高さがバラツキます。

   土殺しは、轆轤で作品を作る際には、毎回必ず行いますので、マスターすべき、基本中の基本です。

   更に、土殺しは、土の練り癖を直し、轆轤作業をスムーズにします。

   又、菊練りと同様、「土の中の気泡を、除去する働きも有ります」と、本などで書かれていますが、

   真偽の程は、不明です。

  ② 土殺しの作業

   土殺しの方法も、人により、やり方も違いが有り、標準的なやり方は、有りません。 

   ここでは、私なりのやり方を、記したいと思います。

   電動轆轤の電源を入れ、「レバー」操作や「ペダル」を踏み込んで、轆轤を回転させます。

   回転速度は、やや速くします。土殺しの範囲は、1個作りと、複数個作りとでは、違いが有ります。

   1個作りの際には、轆轤に載せた土全部を、土殺しします。複数個作りでは、作品に必要な、

   1.5倍程度の最上部土を、土殺しすれば、十分です。

   ) 土の表面に泥(ドベ)を出す。

      両手を水の入った桶に入れ、濡らします。この手で、土を下から上に撫ぜ上げ、表面に泥を、

      出します。力は要りません、ただ撫ぜて下さい。

      この作業を、3度位続けると、泥(ドベ)が大量に発生します。

      この泥こそが、手が滑り、土との抵抗を、少なくして、轆轤作業を「スムーズ」にする物です。

      (勿論水も大切ですが、水よりも、泥の方が、土のヘタリを少なくし、且つ、手が滑り易いです。)

     ・ 毎回手に水を付ける替わりに、手(左手)に濡れた布を巻く方法も有ります。

       又、布を使うと、粗い土や、石粒の入った土等で、手を痛めるのを、防ぐ効果もあります。

  土殺しの、「土の延べ上げ、延べ下げ」については、次回に記します。

     
 電動轆轤入門 土殺し 
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電動ろくろ(土を据える2)

2009-10-17 21:48:29 | 電動ロクロ入門
引き続き、電動ろくろの、「基礎的事項」について、述べます

 3) 轆轤に土を据える

  ③ 据える前の注意点

   新たに、轆轤に土を据える際には、轆轤面(ターンテーブル)に、水分や泥が残っていない事。

   水分や泥が有ると、轆轤面に土が密着せず、土殺しの際、滑って移動してしまう可能性が有ります。

   但し、前に使った土の最後の糸切りで、轆轤上に残った土は、そのままで、その上に新たに土を、

   据えても、問題ありません。

   亀板を使う場合には、逆にやや硬く絞ったスポンジで、亀板を拭き、水分を与えます。

   板が乾いたままですと、土が密着せず、土が移動してしまいます。

  ④ なるべく轆轤面の、中心に土を据える

    轆轤面には、同心円状に、幾つかの円が、刻印されているはずです。

    亀板を使う場合には、円が無かったり、消えている場合が有ります、その際には、鉛筆等で、
  
    円を描いて下さい。円の大きさは、練り上げた土の底の直径より、やや大きい円にします。

    土を据えた時、その円が完全に見える大きさです。

    ) やや力を加えて、両手で土を抱え、轆轤面や亀板に、打ちつけます。

    ) 1個作りの場合には、土の裾野が、轆轤面の刻印の円や、描いた円と、同心円になる様に、

       手で叩いて、土を移動します。

    ) 一塊の土から、複数の作品を、作る場合には、土の裾野が、中心から「ずれ」ていても、

      問題ありません。

    ) 轆轤は別名「水挽き」と言い、水を多く使いますので、土の裾野から、水が入り込み、

       土が滑って、移動しない様に、両手の小指の付け根で、土の裾野を轆轤面に押し付けます。

    Ⅴ) 両手の掌で土を叩き、土の上部が、轆轤の中心付近に、来る様にします。

       その際、叩きながら、轆轤をゆっくり回転させます。(電源はまだ入っていません)

  ⑤ 電動轆轤の電源を「O N」にする。

以下次回に続きます。

 土を据える


 前回、轆轤に載せる亀板に付いて述べ、自作する様に勧めましたが、その作り方を述べます。

 興味の有る方は、参考にして下さい。

 ここでは、轆轤面の径が30cmの場合について、記します。

 1) 用意する物: 厚さ12~17cm程度で、30X30cmの合板、

          釘 4本、木ネジ 4本、接着剤

 2) 工具類: のこぎり、物差し、紙やすり、鉛筆、コンパス、金槌、ねじ回し、 錐(きり)等

 3)作り方: 

  ) 合板の綺麗な面を上(表)面にします。下(裏)面に対角線2本を引き、その交点を、

   中心として、コンパスで、轆轤の径30cmの円を、描きます。

  ) 合板の四隅を、2辺が5cmに成る直角三角形を、切り落とします。

    切り口は、直角より、やや斜めにした方が、亀板をセットし易く成ります。

    この4個の切れ端が、位置固定と、止めの役割をします。

  ) 四個の切り落とし部分に、各二箇所、錐で穴を開けます。

    但し、2個は釘で固定し、他の2個は木ネジで固定する様に、穴を開けてください。

    即ち、木ネジ用には、調整の為、長穴(小判型穴)にします。

  ) 先ず2個を、裏面に書いた、30cmの円の外側に沿って、釘で打ちつけ固定します。

    この2個は隣合わせの位置で、固定します。その際、)で斜めに切った部分が、上開きにします。

  Ⅴ) 残る2個を、円に沿って、木ネジで「仮止め」します。

  ) 轆轤面の外形に、「スッポリ」入る様に、ネジ部で調整します。

    ゆる過ぎたり、「ガタ」が無いように、数度調整が必要です。

  ) 位置が出たら、しっかり、ネジ回しで固定し、更に接着剤で固定します。

     ネジや釘が、合板の表面に出ない様に、注意します。

  ) 仕上げ、固定した4個の止め部分の、余分な所(直角部分)を切り取ります。

    更に、全体に紙やすりを掛け、「トゲ」が無いように、仕上げます。

  以上で、亀板は完成です。

 亀板をの作り方 

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電動ろくろ(土を据える1)

2009-10-16 17:47:45 | 電動ロクロ入門
引き続き、電動ろくろの、「基礎的事項」について、述べます。

 前回まで、土を練る(菊練り)までを、お話しましたが、いよいよ、実際の轆轤作業に取り掛かります。

 3) 轆轤に土を据える

   土練りの終わりの形は、砲弾形や、三角形にします。この形は、次に行う、土殺しが、し易い為です。

  ① 直接土を据える方法と、亀板を使う方法

   土を直接轆轤に据える方法と、轆轤上に、亀板を置き、その上に土を据える方法が、有ります。 

   作品が大皿の様に大きい時や、土を轆轤上から、取り上げる際に、口縁が歪むのを嫌う場合や、

   作品の1個作りの際には、亀板を使う方が、便利です。

   亀板は、昔と違い、轆轤に密着し、ワンタチで、着脱可能な物です。

   (電動轆轤に載せる亀板は、市販されても居ますが、ご自分で作る事を、お勧めします。

    さほど難しい事は、ありません。数枚用意して置くと、重宝します。)

    又、亀板利用の利点は、一度取り上げた作品も、板から作品を、切り離さない限り、

    再度轆轤に乗せて、作業が続行出来る事です。

    (即ち、中心が出ていますので、轆轤上の位置は、前と同じに成ります。)

  ② 1個作り、多数作り

    一つの塊の土から、作品を幾つ作るかと言う事です。

   ) 多量の土から、複数個の作品を作る場合

    この作り方は、轆轤に慣れた方に、向いた方法で、作品を早く、大量に作る事が出来ます。

    又、初心者が、土殺しの練習するのにも、この方法は有効です。

    直接轆轤上に、土を据えます。土殺し(後で述べます)の量は、作品に必要な土の量の、

    1.5倍程度で十分です。作品を1個作り上げたら、糸(シッピキ)で切り離し、取上げます。

    その際、土は軟らかいですから、口縁は歪み易いです。

    1個作ったら、又土殺しをして、新たに作品を作ります。土の塊が無くなるまで、この作業を、

    繰り返します。

    (糸で切り離す方法、取上げる方法、歪みを補正する方法等は、後で述べます。)

   ・ 欠点は、慣れないと、土取りで土の量が一定せず、作品の大きさが、中々揃わない事と、

     底の肉厚が、一定に成らない事、糸切りで失敗し易い事です。

   ) 一塊の土から、1個の作品を作る方法

    作品の大きさに応じて、土の重さを秤で測り、その一塊を轆轤に据えて、作品を作ります。
  
    この方法の利点は、土の量が一定の為、同じ形や、大きさの作品を作るのに、向いている事、

    及び、或る程度乾燥させてから、切り離しますので、口縁の歪みが、少なく成ります。

    又、轆轤を一人で、占有する事も少なく、多人数でも、使用可能な事です。

   ・ この方法の欠点は、土の量が少ないと、土殺しが、難しい事、土の量を一々測る事です。
     
 以下次回に続きます。

 土を轆轤に据える
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電動ろくろ(菊練)

2009-10-15 14:05:36 | 電動ロクロ入門
引き続き、電動ろくろの、「基礎的事項」について、述べます。

 2)  粘土の用意と土練り

  ② 菊練の方法

   ) 菊練りする所

     一般に、菊練りは、「しっかりした」木製(ニスや塗装の無い物)のテーブルの上で行います。

     理由は、力が掛かる事と、土が板に張り付かない為と、余分な水分を、吸収してくれる為です。
   
     水分が多くて、板に張り付く場合には、若干乾燥させてから、再度菊練りを行うか、

     石膏板の上で、菊練りをします。

     又、多量の土(5Kg以上)を練る時は、専用の練り台を、使う事も有ります。

     この練り台は、一般のテーブルより、やや低め(高さ60Cm程度)で、容易に体重を掛けて

     土を練る事が出来ます。

   ) 菊練りの方法

      練り方は、人により違い、幾つかの、やり方が有ります。

     a) 右手が主で、左手を添える程度で練る。当然、土は右(時計方向)回転と成ります。

     b) 左手で練り、右手は添える程度、回転は左と成ります。

     c) 練り方も、一方向に練って終わる場合と、半分ほど練ったら、天地を逆にして、

       残り半分を練る方法も有ります。

     何れの方法も、それなりの理由をつけていますが、 大差は無いと思います。

     (ちなみに、私は、右回転のみで、天地を逆にする事も無く、35年余りやっていますが、

     何の問題もありません。) 

   ・ 尚、菊練りの、やり方は、指導者(先生)のやり方で、やるのが最適です。

     ここでは詳細は述べませんが、必ずマスターして下さい。

   ) 菊練りの回数: 土の状態によって違います。
    
    a) 市販されている土を、ビニールの袋から、取り出して(又は、切り出して)使う場合には、

     30回程度で、十分です。

     袋に詰める前に、土練機(どれんき)で練って有る為と、作り易い硬さになっている為です。

     同様に、教室などに土練機が有り、この機械で、練られていれば、30回程度で、十分です。

    b) 前の状態が、はっきりしない土は、50~100回程度練ります。

     土の硬さの状態を見て、水を加えたり、逆に、板に水分を吸わせながら、練ります。

     又、硬さが均一でない場合には、練るだけでなく、硬い部分や、異物を取り除いたり、

     指で潰して、硬い部分を、軟らかくする必要も有ります。

    c) 土練機について

     大量に土を練る事は、労力を必要とします。それ故、一度に多くの土を使う所では、

     この機械を、設置している所も多いです。

     土練機には、手動と電動の物、空気(気泡)まで取り除く、真空土練機が有ります。

     (値段も10数万円~100万円程度まで様々です。)

     真空の物は、ほとんど土を練る必要も無く、直ぐに使えますが、一般の物は、空気を抜く為に、

     土練が必要です。

     (蛇足ですが、土練機の欠点は、掃除が面倒な為、複数の土を使い難い事です。

      色々な土の削りカスを、再利用する為に使う場合には、便利ですが・・)

以下次回に続きます。

  電動轆轤入門 菊練
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電動ろくろ(基礎的事項3)

2009-10-14 21:55:02 | 電動ロクロ入門
ろくろ(轆轤)作業前の準備

1) 作る物(作品)を考える。

  全ての事に言える事ですが、簡単な物から作り始め、順次、技術的に、高度な物へと、

  作る作品を、選んでいくのが、轆轤上達の、王道です。

  但し、上記の事は、本格的に、陶芸を基礎から習いたい方の、方法です。

  体験で、電動轆轤をやって見たい方は、必ずしも、上記の原則に囚われなくても、良いですが、

  いくら希望しても、最初から、難しい作品は、無理で、避けた方が良いです。

 ①  湯呑みが基本

   電動轆轤で、最初に作る作品は、湯呑みが一般的です。

   (湯呑みにも、色々な形、大きさが有りますので、作業に取り掛かる前に、決めておく、

    必要が有ります。)

   湯呑みを作り上げる為には、必要な、電動轆轤作業の、ほぼ全てが、含まれて居ます。

   即ち、土練り(菊練)、土殺し、土取り、延ばし、形作り、乾燥、底削り(中心に置く)と、

   作業を進めて、始めて、湯呑みが出来上がります。

 ②  最初の作品(湯呑み3個)には、4~5時間掛かる。

   全く電動轆轤の経験の無い、初心者が、湯呑み3個を、作るのに、かなりの時間を要します。

   (それ故、一度に、時間が取れない、教室などでは、2度に分けて、作業します。)

2)  粘土の用意と土練り

  ①  ごく一般的には、信楽の「並漉し」と呼ばれる、土を使います。

    (焼き上がりが、白っぽく、作り易い土です。「並」とは、肌理の細かさを表し、良い土悪い土の

     等級ではありません。)

    1回に使用する土の量は、1Kgの場合が多いです。

  ②  土練り(菊練)

    土練りは、手捻りでも必要な事ですが、電動轆轤の場合は、それ以上に大事な事です。

    土練りには、荒練と、菊練が有ります。大量の土(4~5Kg以上)を使う場合には、

    荒練も必要ですが、1~3Kg程度では、その必要性も、ほとんど有りません。

    菊練りは、練った後が、菊の花びらの様な、模様に成る事から、付けられた名前です。

   ) 菊練りの目的

     電動轆轤で、土練りが不十分の事が、重大な失敗を、招きます。

     最初から(菊練りから)、全てやり直す事も、多いですので、充分練習を積むか、

     指導者(先生)に見てもらって(確認して貰う)下さい。

     菊練りの技術は、陶芸にとって、絶対必要な事です。

     時間が掛かりますが(早い人でも、1ヵ月必要)、誰にでも出来るものです。

    a)  空気を抜く

      粘土中に空気(気泡)が無いように、空気を逃がします。

      空気が有ると、その部分の土が均等に伸びず、「コツコツ」と手に当り、直ぐにわかります。

      まるで石粒が、入った様な感じがします。

    ・ 気泡の量が多いと、焼成中(特に素焼中)に、作品が爆発する、恐れが多いです。

    b)  土の硬さを均一にする。

      硬い土と、軟らかい土が、混入していると、軟らかい部分は、肉厚が薄くなり易く、

      硬い所は、中々肉厚も薄くならず、土も伸びません、それ故、高さ厚味とも凸凹し、

      轆轤作業が、スムーズに行きません。菊練りで、手を抜くと、後々苦労します。

    c)  複数の土を混ぜる

      違った種類の土や、色違いの土を、混ぜ合わせる。

      完全に混ぜ合わせる場合と、マーブル模様を出す為に、適当に(少なく)練る方法が有ります。

      マーブル模様を出したい時は、予め、混ぜる粘土を、別々菊練りして置いてから、

      適当に、混ぜ合わせて、菊練をします。菊練前の、混ぜ合わせ方によって、マーブルの

      模様も変わりますので、ある程度意図的に、模様を出す事も可能です。

      (模様が粗い場合には、4~6回、細かい場合でも10回以下、練ります)

以下次回に続きます。

   菊練    

      
     
      
      

     
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電動ろくろ(基本的事項2)

2009-10-13 21:39:58 | 電動ロクロ入門
前回の続きで、電動轆轤の基本事項を述べます。

1) 基準に成る手

  「轆轤」作業では、しっかりと、固定した手(基準に成る手)が必要です。

  作品の外側に来る手です。即ち、右回転(時計回転)方向では、左手で、左回転(半時計回転)では、

  右手と成ります。(回転が逆の場合では、左右の手の使い方が、逆に成ります。)

  基準になる手は、肘をしっかり、太ももや、体に付け、「振ら付かない」様に、します。

  他の手(作品の内側の手)は、必ずしも、肘をつける必要は、有りません。

2) 轆轤作業中は、両手を繋ぐ。

   更に、左右の手が、繋げる事が出来たなら、必ず繋げます。両手と体で、三角計を作ります。

   (但し、高さが高く成ると、中の手と、外の手を、繋ぐ事が、出来なく成ります。)

   この事により、両手の位置が、しっかり決まる様に、成ります。

  ・ 轆轤作業では、所定の位置に、手が有る事が大切です。「ふら付いた手」では、

    作品を、綺麗(形の整った)に造る事は、困難です。

3) 轆轤は、両手による、共同作業です。

   土を殺す時、薄く上に伸ばす時、形造りの時、竹へらや、弓、皮を使う時、半乾燥後に、

   「かんな」を掛ける時など、ほとんどの作業では、片手で行わず、他の手を添えて、作業します。

   そうする事により、三角形を作り、手の位置が、固定され、作品が歪む事や、「ふら付き」、

   偏肉(厚さが、場所により、違う事)を、防ぎます。

4) 小手先で轆轤作業せず、体全体で、作業します。

   土を薄く上に伸ばす場合、手のみでなく、体の背筋を、伸ばす様にして、土を挽き上げます。

   即ち、目と作品の最上部の距離が、常に同じ状態を、保つ様にします。

5) 指先の感覚を大切にする。

   手と言っても、大切なのは、指先です。肉の厚さ、表面の凸凹、曲面の状態(作品の形)などは、

   目で見て判断するよりも、指先で、読み取る方が、正確に解かります。

   それ故、直接土に触らない、「コテ」類は、或る程度技術を、習得してからでも、遅くはありません。

6) 轆轤作業の姿勢は、腰を痛め易い、スタイルです。

   腰を極端に折った姿勢で、長い時間作業をしていると、腰に負担が掛かり、痛め易いです。

   轆轤に夢中になっていると、「あ!」と言う間に、時間が経ちます。

   思ってる以上に長い時間、同じ姿勢で居る事に成ります。

   なるべく、立ち上がり、腰を伸ばす様にして、腰痛を予防して下さい。

以下次回に続きます。
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電動ろくろ(基本的事項1)

2009-10-11 21:28:29 | 電動ロクロ入門
電動轆轤(ろくろ)を使って、作品を作る際に、知って置くべき事項について、述べます。

 初めて轆轤の前に座った時に、指導者(先生)から、最初に教わる事は、轆轤の操作の仕方や、

 注意事項のはずです。

1) 電動轆轤の操作方法

   通電していない、轆轤は、左右に手で回転出来ます。自由に回転出来ない時は、後で述べる、

   「クラッチ」の入っている状態ですので、直ぐに「クラッチ」を切る操作を、して下さい。

   やり方は、後で述べますが、とりあえず、自由に回転しない事を、指導者(先生)に知らせてください。

 ① スイッチの位置を、教わり、電源を入れます。

   スイッチの、位置によって、右又は左に回転します。

 ② 電源を入れても、自動的には、回転しません。

   これは、自動車で言う、「クラッチ」が入っていないからです。

   「クラッチ」を入れるために、轆轤の横にある棒を、手で操作したり、ペダルを、足で踏み込みます。

   すると左右どちらかに、回転し始めます。

  ・ 回転方向が、想定と逆な場合に、スイッチを切り替えても、直ぐには、反転しません。

  ・ 一度スイッチを、OFFにしてから、30秒~1分程度後に、スイッチを逆側に入れて下さい。

   そうすると想定方向に、回転するはずです。

  ③ 注意事項

   ) 電源を入れる際、または電源を切る際には、「クラッチ」を切った状態にしてから、

     電源を、ON、OFFします。「クラッチ」を入れたままですと、電動轆轤の故障に成ります。

     尚、「クラッチ」を切るとは、ペダルに乗せた足の「かかと」の方に力を入れ、止まるまで、

     移動させる事です。又は、ペダルと連動した、轆轤横の操作棒を、手前に倒す事です。

  ④ 用意する物

    轆轤作業で、手元に置いて、使う用具を用意します。

    先ず、桶に入った水、皮(仕上げ用)、竹へら、針、弓、糸(シッピキ)等で、

    場合によっては、「とんぼ」やスケール、亀板を用意します。

    これらを、目の前の、「ドベ受け」の上か、轆轤の横に置きます。


 ではいよいよ今日の本題(基本的事項)に入ります。

2) 電動轆轤の、基本的事項

 ① 粘土は常に、轆轤の中心に有る様にする。

   中心に無いと、作品は上手く、作れません。

   中心に置く方法(土殺し)は、後で述べます。

 ② 轆轤上の粘土は、常に濡れた状態にして置く。

   要するに、手が滑る様にします。その為、初心者は、水を多量に使います。

 ③ 手が感じるスピードを一定に保つ。

   直径の大きな物と、小さな物では、回転スピードが一定でも、手に感じるスピードは、違います。

   径が大きいと、早くなり、小さいと遅くなります。

   そこで、手の感じるスピードを、一定にするには、径の大きな物は、「ゆっくり」、

   径の小さい物は、回転を「早く」します。

   その為に、作品に合わせて、回転スピードを、刻々変えて行く必要があります。

以下次回に続きます。

 電動轆轤の操作方法
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