おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

実況

2006年10月24日 | 日記・エッセイ・コラム
村おこしとして、ビーチボールバレーに参加した。

「えっ? そんな出来へんでぇ!」

チームの一員になれと連絡を貰った時、出来ないと思った。

(そもそも、体育館で出来るのぉ?)

よくよく聞くと、ビーチボールを使ったバレーボールだった。
ビーチバレーボールではなかったのだ。

小さめのコートと低いネット。
使うボールはビーチクボール。訂正。ビーチボール。
6チームが二つに分かれて予選をする。
勝ち残った2チームで決勝戦だ。

浜辺で戯れる程度のお遊びなら、何処へ行くのかわからないボールの行方も、
キャッキャッと騒いで、心踊る楽しい一時だが、
コートの中に落とすとなると、結構コントロールすることが難しい。

力が入りすぎて、ネット直撃!
はたまたあらぬ方向へと全力で飛んで行く。

まったくルールを無視して楽しんでいた我がチームは見事決勝進出!

相手は平均年齢最年少チーム。控え選手も何人かいる。
こっちは丁度6人。予選だけで少し疲れを見せている最年長もいる。

「ここまで来たからには、絶対優勝して宴会やるでぇー!」

たかがビーチボールバレー。されどビーチボールバレー。
勝ち負けが決まるとなると、自然と力が入る。

 
白熱してまいりました。決勝戦にふさわしい闘いが続きます。
あと3点で優勝が決まりますが、激しい追い上げ、
この後の展開次第では、まだまだわかりません。
 
さぁ、サーブが入る。レーシブ、トス、
あっと、ボールが流れた所をブロック。
ふわっと舞い上がったボールが相手のコートに飛び込む!
あと2点です。つづいてまいりましょう。
 
ラリーの応酬が続く。予断を許さない展開。
豪快なスパイク。相手のブロックが吹き飛ぶ。
ライン上に落ちるボール。見守る。
コートの角に飛び込む。白のボールが飛び込む。
 
さぁ、最後です。これが決まれば優勝です。
またまた激しいラリーが続く。
あっと、選手が交錯してもつれて倒れた。
レシーブ、トス、そして、

アタックチャァァーンス!

 
 
最後に力尽きた僕達は、決勝戦で敗れた。

しかし悔いはなかった。

 
優勝賞品がビールひと箱だったから。



追伸:実況部分は、華丸になりきって声をだしてお読み下さいm(__)m




高校生

2006年10月23日 | 日記・エッセイ・コラム
車を降りると、一人の高校生が視界の中に入ってきた。

仕事帰り。HOPE MENTHOLをひと箱だけ買おうと思って
コンビニに立寄った。
時間帯は少し遅めだったか。たむろしている高校生はいなかった。

店の前は車で埋まっている。
仕方なく、店の横に少しだけある駐車スペースに止める。

車を降りると、店の影に隠れるように
一人の男子が、自転車に乗っている。
そして、大きなパンにかぶりついた。

丸坊主。
野球部だろうか? 近くの某有名校の陸上部の選手だろうか?
僕の方を向く事もなく、自転車に腰掛けた彼は、
真正面を向いたまま、一心不乱に大きなパンを頬張った。

(旨そうやなぁ~)

実に旨そうにパンを食っている彼を見ながら、
ある記憶が甦った。

15年程前だろうか、本屋の駐車場で声を掛けられた事がある。

店に入ろうとしていた時、公衆電話の前でたたずむ女子高生がいた。
挙動不審ともとれる、落ち着きのない表情で、視線は常に彷徨っている。

(どうしたんかな?)

気にはなったが、声をかける事もなく店の中へ。

当時は必ず購入していた週刊プレイボーイを小脇に抱え、
車のキーを取り出しながら店を出る。

女子高生は相変わらず、辺をキョロキョロしながら、
困った表情のままだ。

車に乗り込みエンジンをかけようとした瞬間、
ミラーに何か動く物を感じた。

(うんっ?)

暗くてよくわからなかった。
改めてエンジンキーに手をかけると、
窓を叩く音。

びっくりして振り向くと、さっきの女子高生が立っていた。

「何か?」

やさしく問いかける僕。つとめて冷静を装った。
急に窓を叩かれて驚いた表情をしていただろうが、女子高生の事を思い、
冷静を装った。

 
「お金、貸してください」

 
か細い声で、しぼり出すように彼女は言った。

「えっ? お金?」

僕と彼女を結ぶ延長線上には公衆電話がある。

(そうか、電話代か)

ずっと困った表情をしていた彼女は、電話代がなかったのだ。
一瞬、本屋の電話を借りるか、お金を借りればいいと思った。
迎えに来てもらうなら、そのお礼も出来るだろう。

ただ、今、目の前に立つ女子高生にはその選択肢はないんだろうと思った。

「ええよ!」

財布を取り出し、小銭を探す。
10円玉を取り出し差し出す。ちょっと間をおいてから、

「足らなんだら、あかんやろ」

そう言って、さらに20円を手渡した。

 
「ありがとうございます。絶対に返しますから」

 
丁寧に頭を下げる彼女を見て、ちょっといい気分になった。

「ええよ」

 
今や、小学生でも携帯電話を持つ時代。
 
連絡を取る手段が公衆電話しかなかったあの頃。
 
 
コンビニを出ると、まだパンを頬張っている高校生を見ながら、
あの時の思いが少し甦った。
 








合コン

2006年10月21日 | 日記・エッセイ・コラム
やってきました、合コン。

参加したんじゃなくて、スタッフ。
説明すると長々となりそうなんで、簡単に説明すると、
主催者側って事。

余計難しいかな。

結局、参加したんじゃなくて、スタッフ。

集合時間より早めに店に到着。
スタッフ4名で早速打ち合わせ。

「あー緊張してきたぁ!」

嵐の前の静けさ?
なんとも言えない緊張感がよぎる。

(腹へったなぁ~)

切実な現実が頭をよぎる。

そして参加者がひとり、またひとりと到着する。

結構、合コンなんて男性側幹事、女性側幹事が居たりして、
同性同士は結構仲間内って感じなんだろうけど、
昨日のは、そんな感じはなし。

そして僕達も普段着。

店に入って来た参加者も、誰がスタッフなのか
誰が店員なのか、戸惑っている。

そして僕達も。

誰が参加者なのか戸惑っている。

ドアが開く度に、

「あの~、今日の合コンの~」

「違います!」

参加者じゃ無い人は、きっぱり否定!

そして、開始の時刻となった。

これからスタッフの腕の見せ所。

僕はまず、
 
 
 
ええっと
 
 
 
会費集めはと、あっ、終ってるね。
 
 
ええっと
 
 
注意事項はと、あっ、済んだね、うん、うん
 
 
 
 
 
ええっと、ええっ‥‥と
 
 
 
えっ? あっ、 そうやね
 
 
 
 
うん。
 
 
 
 
うん。
 
 
 
 
 
結局何の役にも立たなかった。
 
 
でも、合コンって楽しそうだったなぁ~。
 
 
飯もうまかったなぁ~。
 
 
次は、次回の合コンは
 
 
えっ? あっ、 帰るの?
 
 
それじゃまた!
 
 
いや~、ホント、合コンっていいもんですね。
 





あえて

2006年10月18日 | 日記・エッセイ・コラム
先日、恒例となりつつある行事へと参加してきた。

どろんこドッジボール。
このブログで選手に選ばれた事については報告したが、
プレイに関してはまだだった。

秋だとは思えない日差しが差し込む田んぼ。
泥の中に足をつければ、温かい。

田植えなんてしたことがない僕としては、
泥は気持ちいいと思うのだが、予想以上に石が散乱している。

「裸足では入らないでください」

主催者から注意事項として徹底されているが、
あの田んぼに素足で入れるのは、年配者だけではないだろうか?

地下足袋を持っていない僕としては、

“靴下2枚重ね履き”

で乗り切る。
これもこれで、主催者から小言を頂く。

「ぜったいに田んぼの中に靴下を忘れない事!」

そりゃそうだろう。
田んぼは借り物。靴下は肥料にはならない。

1チーム6名。
外野プレーヤーは、内野プレーヤーがアウトになるごとに
内野へとはいる。
内野プレーヤーは、当たられて外野に出ると戻れない。
最後迄内野プレーヤーが残っている方が勝ち。

3セット、2セット先取で勝敗が決まる。

「わかった、わかった、早よやろ!」

日差しは心地いいものの、風はまさに秋の風。
日陰にいると、絶えられない寒さだった。

メンバー構成は自由。
女性だけのチームもあれば、混合チーム。
もちろん、男性だけの威勢のいい奴等もいる。

ここでちっと問題発生。
どうしても“女性に当てる”事を躊躇うのである。

“優しい男性がタイプ”

日頃こう言われ続けている日本男児は、女性を攻撃する事を躊躇うのである。

結果どうなるのか?

相手チームの最後のひとりは、その“女性”となるわけだ。

女性だからと言って、軽くあてるのは返って失礼だと感じる。
かと言って、ぶっとばすほどの勢いで当てるのもいかがなものか?

そう思っている内に、パス交換会が始まる。

「だれが当てるのか?」

誰もがそう思いながら、無言のキャッチボールを始める。
疲れはじめる女性。

(こんな事ではいけない!)

意を決して、涙ながらにその女性目掛けてアタックぅ!

「ピィー、試合終了ぉ!」

ホイッスルと同時に、チームメイトが声を掛けてくれる。


「あんたは、鬼やぁ!」


この日、僕は合計三回相手チームの選手にボールを当てたが、
その内2回がこの女性だった。


う~ん、確かに鬼なのかも知れない。
 



背水の陣

2006年10月17日 | 日記・エッセイ・コラム
退路を絶つ! 迷った時にはこれに限る。

髪型。
坊主頭にしたいと思っていた。だが、なかなか“踏ん切り”がつかない。
大きな頭には、年々薄くなってきた髪の毛が張り付いている。

帽子などをかぶる時は、髪があるほうが、
円周は大きくなる。
しかし、見た目の時は、地肌が見えた方が大きな頭が
より大きく見えるモノだ。
坊さんの大きな頭を見ていて、いつもそう思っている。

それだけに坊主頭にすることに踏ん切りがつかない。

携帯電話。
巷では“番号ポータビリティ”の話題で持ちきりだ。

一大イベントのようになっている。
流行り好きな日本人にとっては、もはや
携帯会社の乗り換えこそが

“最先端”

って感じ?

僕は、どちらかと言うと、デザイン重視で選ぶ。

車通勤しているし、休日も車がないと移動が困難である。
そんな僕が“音楽携帯”を持つ事に意味がないのは当然である。

番号ポータビリティに対して、各社いろいろと新製品を発表しているが、
おかげで、どの会社も同じようなデザインになってきた。

個性が感じられない。

それでも、携帯は変えたいと思っている。

しかし、“踏ん切り”が付かない。

どうすればいいのか?

退路を絶つのである。
もう、もどれない処へ行って、そこから前だけを見ればいいのである。

ハサミを取り出し、髪の毛を切る。
少し短かめに切る。
こうすれば、もう、できる髪型は

“坊主頭”

しか残っていない。

携帯はどうするのか?

破壊するのである。
壊すのである。
使えなくなってしまえば、新しいモノに変えなければならない。

実は、携帯を壊すのは初めてではない。

以前にも壊した事がある。

其の時は、不思議に思われなかったと思っているが、
さすがに“二度目”となると、店員もおかしいと気付くだろう。

事実、今日店頭へ持っていった時には

“またですか?”

と言った顔をしていた。

そりゃ不思議だろ。
いつも携帯を変える時には、真っ二つになった携帯を持参するんだから。

急いでいたが、以前より目を着けていた携帯に買い替えた。

(う~ん、やっぱりええねぇ~)

そう思いながら遠くを見る。
恍惚のひととき。

そんな視線の先にカレンダーが飛び込んできた。

(あっ! 番号ポータビリティまで一週間かぁ!)

別に乗り換えるつもりは無かったが、
あと一週間まで迫った

“世紀の一大イベント”

の前に買い替えた僕は勝ち組なんだろうかと、
しばし考えた。