鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『負ける!やめる!あきらめる!:P・ピアソール・著』~魂の失業~

2010-05-11 20:04:32 | Weblog
雨・・・一日中、降ったり、やんだり・・・。


去年の3月から、派遣先の解雇の通達がいつ来るのだろうか・・・とそんな事ばかり考えていた。
今のところ、来月末までの契約で、これから更新なのか打切りなのかとヘビの生殺し状態がまた暫く続くのだけれども。
・・・もういい加減、自分から辞めてしまおうかとも思う。
私の前の席の『あのひと』を見るたびにそう思う。
この6週間というもの、連休を挟んで、まともに1週間(5日間)出社した週は、わずか1回。
しかも、異動してきた直後だけ。
よく解雇にならないよなぁ・・・。
私は、真面目に休まず、勤務しても先の雇用の保証はないのだし。

最近わかったことだけれど、真面目に仕事するヒトほど、報われないというか・・・。

出社しないでも、仕事が溜まるわけでなし、ただ来ていればいいのか・・・ラクでいいよな・・・。
それで、最低ながらも給料貰えて、雇用は、確保されてるし。

・・・とも、思ったのだけれど。

もしかしたら、『あのひと』は、魂が失業しているのかもしれない。
意地悪なワタシは、ここで、声を大にして叫ぶ(もちろん、心の中でだけれども・・・)。
『でも、助けてなんてやるもんか・・・。励ましたりなんてもう絶対しない・・・。自分のことは、自分で、責任もちなよ・・・。みんなそうしているんだから。アンタだけ特別じゃないよ!』

・・・ただ、仕方が無く、つまらない仕事に従事して・・・。
達成感も充実感もなく、ただ、あの金額をもらうためだけに、出社して、そしてイヤになると休む・・・。

魂の失業・・・これは、今日の御題ポール・ピアソール教授の『負ける!やめる!あきらめる!』という本に記載されていた。

仕事を解雇されたときの打撃は、魂のレベルにまで達するという・・・。
解雇でなくても、つまらなくやりがいのない仕事に従事させられ、心が虚しく、朝になると頭痛と吐き気で、会社に来ることができないという『あのひと』は、実際の解雇と同じ・・・魂が失業してしまっていうのかもしれない・・・。休んでばかりだから、会社としても重要な仕事は、任せることができないでいるのだろうけれど。

生活のためにやる仕事でも、その瞬間を味わいつくそう・・・自らが、悪性リンパ腫で、死の宣告を受けた著者が、病を経て、語る文体には、一度人生をあきらめたひとの強さが、にじみ出ているような気がする。

私の薄氷をふむような3ヵ月更新も、もしかしたら、味わい尽くすことができるのではないだろうか・・・これもまた、明日仕事をしていると、不満やグチやら、『あのひと』ととの待遇の差を比較して、惨めになるのだろうけれども・・・。