曇りのち雨。
昨日の続き・・・。
この小説で、ケンヤから
『死ねばいいのに。』
・・・と言われる人々は、幸福ではない。どちらかと言えば不幸な生活を送っている。
そして、ほとんどの人が、真面目に仕事に従事しているにも関わらず、自分の現状に満足できないでいるひとたちばかりだ。
・・・身につまされる。
それは、誰でも無く、他ならない私であり、そして、この本の読者諸氏の中にも、これは自分自身かもしれない・・・と思われる方もいらっしゃるのではないかと思う。
真面目に努力しているのに、何も報われず、不幸な人達・・・。
そんな人達の対極にいるのが、死んだ女の生前を、聞きまわる無礼な青年・ケンヤだ。
正規の職もなく、バイトで生計を立てているらしい、ケンヤだが、生活苦というか、生活感がまるでない。
どういう服装で、どういう髪型で、どういう容姿なのか・・・それさえもよくわからない。
序章で、『ちんぴら』っぽい・・・という記述があるだけのようだ。
ケンヤ像を想像できるのは、彼の語る『言葉』のみだ。
どういう環境で育ったのかは、最終章の『6人目』で、少しだけ語られる。
そして、だれも、被害者である鹿島亜佐美の本当の姿を語らない・・・というか、語れない。
これも最終章で、僅かに語られるだけである。
コイツは、一体ナニモノなんだ・・・???
ケンヤの正体の謎は、読み続けるうちに、段々と深くなっていく。
心の闇の暗さ、深さ、不気味さ、何が真実で、何が嘘なのか・・・その境界さえ危うくなってくるようで、やはり、この世で一番、恐ろしいものは、ひとのこころなのかもしれない・・・。
このところ、『厭らしい小説』、『冥談』といったラインの小説が続いている京極堂さんだけれど、この方のこころの闇を見てみたい気がする。
そんな事をいったら、京極堂さんに言われるだろうか・・・
『―――死ねばいいのに・・・・。』
・・・と・・・。
昨日の続き・・・。
この小説で、ケンヤから
『死ねばいいのに。』
・・・と言われる人々は、幸福ではない。どちらかと言えば不幸な生活を送っている。
そして、ほとんどの人が、真面目に仕事に従事しているにも関わらず、自分の現状に満足できないでいるひとたちばかりだ。
・・・身につまされる。
それは、誰でも無く、他ならない私であり、そして、この本の読者諸氏の中にも、これは自分自身かもしれない・・・と思われる方もいらっしゃるのではないかと思う。
真面目に努力しているのに、何も報われず、不幸な人達・・・。
そんな人達の対極にいるのが、死んだ女の生前を、聞きまわる無礼な青年・ケンヤだ。
正規の職もなく、バイトで生計を立てているらしい、ケンヤだが、生活苦というか、生活感がまるでない。
どういう服装で、どういう髪型で、どういう容姿なのか・・・それさえもよくわからない。
序章で、『ちんぴら』っぽい・・・という記述があるだけのようだ。
ケンヤ像を想像できるのは、彼の語る『言葉』のみだ。
どういう環境で育ったのかは、最終章の『6人目』で、少しだけ語られる。
そして、だれも、被害者である鹿島亜佐美の本当の姿を語らない・・・というか、語れない。
これも最終章で、僅かに語られるだけである。
コイツは、一体ナニモノなんだ・・・???
ケンヤの正体の謎は、読み続けるうちに、段々と深くなっていく。
心の闇の暗さ、深さ、不気味さ、何が真実で、何が嘘なのか・・・その境界さえ危うくなってくるようで、やはり、この世で一番、恐ろしいものは、ひとのこころなのかもしれない・・・。
このところ、『厭らしい小説』、『冥談』といったラインの小説が続いている京極堂さんだけれど、この方のこころの闇を見てみたい気がする。
そんな事をいったら、京極堂さんに言われるだろうか・・・
『―――死ねばいいのに・・・・。』
・・・と・・・。