鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『非常の人何ぞ非常に』

2013-07-20 23:45:23 | Weblog

風が立ち、涼しい一日。
日中は、暑いものの、帰宅が、夜遅くなり、電車を降りると、ヒンヤリ肌寒い。
・・・それなのに、JRの在来線は、冷房ガンガン・・・。
今週は、相変らず、良く眠れず、その反動で、帰路の電車の中で、爆睡。
汗をかいた状態で、寝てしまったので、咽喉が、痛い。
夏風邪か・・・???


今日は、渋谷・パルコ劇場に 『非常の人何ぞ非常に』を観劇に。
幕末に近い江戸。
マルチな才能を発揮する天才・平賀源内(佐々木内蔵介さん)。
その親友で、努力の蘭学者・杉田玄白(岡本健一さん)を配して、鮮やかに浮かびあがらせる秀作。

自分自身しか愛せない男・平賀源内。
時代の寵児ともてはやされるけれど、運命に翳りのみえてきた平賀源内は、富・名声・・・そして、自分の器に合わぬ世間で、投獄され、獄死する。

一方、ターヘルアナトミア(解体新書)の翻訳に苦戦する杉田玄白。
親友であり、そして、平賀源内の獄死の真相を探る彼は、解体新書の翻訳により、名声を手に入れるものの、結局、ヒトにとって大切なのは、自分を犠牲にしても、護りたい人を守り抜く・・・という境地に至る。

平賀源内には、杉田玄白を理解できないし、杉田玄白もまた平賀源内を理解できないでいる。

それでいて・・・二人は、無二の親友。

自分しか愛せない平賀源内の相似形である陰間の菊千代(小柳友さん)と奇妙な同居生活をおくるけれど、菊千代をかばって、源内は、獄舎に繋がれる。

誰も愛せないはずなのに。

男性5人の出演者のうち、複数の役柄を演じ分けるのが、篠井英介さんと奥田達史さん。
次々と役柄を替えての登場。

一体、何が、幸福なんだろう・・・。

そんな疑問を、二人の時代の天才達が、問いかける。