暑さ、幾分、和らぐ。
去年の夏から、ウダウダ、ダラダラと暮らしている。
イモムシ状態で、自室の低反発マットレスの上を、ゴロゴロと反転するばかりである。
このイモムシ化は、会社に勤めていた頃も同じであった。
朝・・・目が覚めても、なかなか起きることができない超低血圧で、床の中で、2時間くらい、煩悶する・・・起きたくない、会社へ行きたくない、仕事したくない・・・イモムシは、イモムシのまま、失業してしまった。
蛇の生殺し・・・ならぬ、イモムシの生殺し状態でもある。
そんな日常の状態を相方に説明すると、
『イモムシ・・・っていうと、モスラの幼虫ですかね?』
と可笑しそうに笑う。
『モスラっていうと、あのゴジラのお友達で?』
『お友達ではありませんよ。』
・・・なんだ、違うのか。
蛾と蝶は、似て非なるものである。
どっちも苦手なれど、現在、イモムシ化している私には、避けて通れない話題かもしれない。
小学生の頃・・・。
鉄筋コンクリート3階建ての社宅の一角に住んでいて、その壁に、怪しい生物が、貼りついていた。
真っ白な羽をもつ蛾。
アメリカシロヒトリ・・・という名前なのだと聞いた。
子供達の噂では、触ったり、刺されたりすると、死ぬそうなので、近づかないように・・・ということで、その姿を発見するたび、逃げ回っていた。
たしかに、その異様な白さは、不気味であったし、何より、目が赤かったような記憶があった(あくまで、記憶なので、真偽はしらない)。
漢字表記だと、米国白火取。
火取というのは、灯りに誘われて、街灯や家屋に浸入して、鱗粉などをまき散らしながら、その羽で、灯りを消してしまったりするとことから、夏の季語の火取虫などがあるようだ。
こうしてみると、字ズラとしては、綺麗だ。
私は、蛾の画像は、怖くて、直視することができないので、調べようがないのだけれど、頭部の下には、白い襟巻をしてるようにみえて、なんだか貴族のような感じがするアメリカシロヒトリの画像を発見した。
なかなかに、美しい蛾ではないか・・・と思った次第。
目が赤い?のは、もしかするとアルビノ種なのかも・・・と、勝手に想像してみた。
この白蛾。毒性は、全く無いそうである。