きみを月まで連れて行く。
きみを月まで連れて行く。
そう誓った夜に。
・・・でも、きみは、まだ、完全なうさぎになっていないから。
私の魔法で、うさぎにしなくては・・・。
まず、長い耳。
ふわふわの耳を作って・・・。
わたしの手が、きみのほほにふれるたび、
きみは、うさぎになってゆく・・・。
傷だらけの毛皮を癒すのに、一体どれくらいかかるのだろうか・・・?
折れた耳をふわふわの耳にも戻すのに、どれくらいの時間が必要のなのだろうか???
きみを月まで連れて行く。
きみを月まで連れて行く。
そう誓った夜に。
優しく淡い月の光の中で、きみは、うさぎになっていく。
ふわふわの耳は、元通り。
傷だらけの毛皮も、元通り。
きみは、完全な月のうさぎになって・・・。
ぴょんぴょん跳ねて。
私の胸に飛び込む日に。
*仲秋の名月にちなんで、ヘタな詩作を試みるも・・・。