鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

鳩時計

2015-02-19 05:20:21 | Weblog

昨日の冷たい雨、風は、おさまったようで、今は、静かな朝。

今の掛け時計は、電池(乾電池、太陽電池など)で動くものがほとんどで、正時毎に、オルゴールで時を知らせるからくり時計なども、光センサー?などが搭載されていて、夜中には、音を止められるようになっていて、昔(・・・いつの時代だ・・・?)のように、夜中でも、時を知らせる時計の音で、眠れない・・・ってことは、無くなっている。

世間から離れて?気儘な暮らしが続いているから、全く不規則で、時間などあってないようなものだけれど、夜中に時を告げる時計の音が、気になって、一晩中眠れなかったということは、子供頃、1回か2回くらいあった。
中学になるまで、深夜0時以降の時間帯が存在することを知らなかったけれど、小学生までは、起きていられるのが、せいぜい深夜0時前くらいで、大晦日の紅白歌合戦を最後まで見ていることが出来ず、朝まで、眠ってしまっていたから、時計が鳴ろうが、地震が起きようが、台風が通過しようが・・・眠気には、勝てなかった訳である。

正時毎に、時を知らせる掛け時計に、鳩時計というものがある・・・ということを知ったのは、小学生の低学年の時で、父の勤める会社の社宅に住んでいた頃、新婚さんが入居して、その御宅で、初めて鳩時計というものを見せてもらった。
その御宅は、ご主人は、長身で、ハンサムだし、奥さんは、美人で、家電や家具なども、新居に相応しい最新のもので、とても憧れていて、大人になったら、こういう生活がしたいなと常々思っていたけれど、ついに叶うことなく、オバサンになってしまった。

鳩時計は、玩具の家の形で、丸い文字盤の上に、鳩が出入りする扉がついていて、1時間毎に、可愛らしい鳩が出入りする。

1時には、1回、2時には、2回・・・。

当然のことながら、12時には、12回、鳩が出入りする訳だから、その可愛い姿が見たくて、仕方がなかった。
自分の家にあったらいいのに・・・と思ったけれど、鳩時計は、小学生には、高価なもので、お小遣いで賄えるようなモノではなかったし、ねだったところで、買ってもらえるハズもない。

新婚さんの家にあったものも、たぶん結婚のお祝いか何かだったのだと思う。

不思議だったのは、鳩時計本体の下に長く垂れ下がる鎖であった。
あの鎖は、単なる飾りだとおもっていたけれど、アレで、時計の長針と短針を調整するのと、鎖の重みで、時を刻むことを今頃になって知った。

電池式が主流になった今では、無用の長物であろうか・・・或いは、あの長い鎖は、今はついていないのかもしれない。

ゼンマイ式の時計は、淘汰されてしまったけれど、カラクリ時計のあのぎこちない動きは、一生懸命さみたいなものがあって、愛おしい。