日付が変わって、深夜になってから、本降りだった雨も、夜明けとともにあがり、昨日の真冬の寒さを和らげるおだやかな曇り空。
それでも、北の空は、重い雪雲。
3月になって、自室裏の雑木林から、鶯(うぐいす)が、啼き始めた。
3月に合わせて啼くあたり、ずい分と几帳面なウグイスである。
初鳴きだから、まだ少し、タドタドしくて、最後の伸び?が、少し物足りないと思うけれども、初めてにしては、上手、上手。
朝方に啼くので、それで目を覚ます。
梅に鶯。
紅梅は、去年の末頃、ぽちぽち咲き始めて、今満開。
白梅は、そろそろ・・・。
『うぐいすが鳴きましてね。』
そんなことを相方に話すと
『そりゃ、もう春ですもんね。』
と・・・なんだか、まったり・・・というか、もう既に、老人というか・・・そんな会話である。
『うぐいすは、可愛いんだけどね・・・。ウチの裏の林は、土鳩だとか、キジバトだとか、地味な鳥しかこないんだよね。目つきも悪いし。』
相方、吹き出す。
私の馬鹿さ加減を楽しんでいるかのようだ。
『そりゃ。当然でしょ。きみは、たぶん、インコだの、オウムだの・・・熱帯に生息するような鳥が来ればいいとおもっているんでしょうけれど、インコやオウムのあの色は、熱帯のジャングルの中にいても、目立たない保護色なんだよ。きみんちの裏の林に、インコやオウムがいたら、目立っちゃってしょうがないでしょ。そしたら、一発で、狙われちゃうじゃないですか。』
『土鳩やキジバトは、保護色なのか・・・さもありなん。』
それでも、地味な雑木林でも、小鳥達は、春を寿ぐ。
寒くて辛い冬に、さよなら・・・。
春が来ました。春が来ました。
小鳥達は、春を告げる歌を歌い、その声を競う。