鼎子堂(Teishi-Do)

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機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル

2015-03-06 22:58:01 | Weblog
寒の戻り。寒い一日。


昨日(5日)は、夕刻より、相方と隣市シネコンへ、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル』を鑑賞に。


今から35年前。この物語が、始まった。

かつて、この物語は、否応なく、戦争に巻き込まれていった少年・アムロの物語だった。
軍の機密・ガンダム開発者を父に持つ、未成年の民間人アムロ・レイが、移民となったスペースコロニー、地球よりの独立を求めて、反旗を翻したサイドスリー・ジオン公国と戦う民間兵として、連邦軍のホワイト・ベースに搭乗することになる・・・それ以前の・・・。

地球側の敵・サイドスリー・ジオン公国の独立運動の指導者・ジオン・ダイクンの子供として生まれ、政治的陰謀に巻き込まれていったキャスバル・・・後の赤い彗星・シャアと、その妹アルテイシア(後のセイラ)の物語である。

私は、この物語を待っていた(苦節?35年目にして、ようやく邂逅した!)。


シャアとセイラの・・・、キャスバルとアルテイシアの・・・、ジオン公国の創世記の物語を。

後に、敵(ジオン公国)と地球連邦軍とに分かれて、戦うことになるキャスバルとアルテイシアの物語を。

機動戦士ガンダムは、所謂、ロボット・アニメであった。
子供向けのアニメーションが、子供だったひとが、大人になっても、その魅力から抜け出せないのは、そのメカニカルな手法、表現方法もさることながら、それ程遠くない未来、地球が、人口増加に耐えられなくなって、地球を取り巻くスペースコロニーに移住せざるを得なくなる未来を描いているからなのだろうか?
旧態的な地球人(オールドアース)は、特権階級として描かれ、格差社会の典型だ。

スペースコロニー・サイドスリー、オールドアースからの独立を掲げる指導者・ジオンダイクンの血を引く遺児として、生まれたキャスバルとアルテイシアは、後にジオン公国を掲げることになるザビ家の陰謀により、命が危うくなり地球へ亡命するまで描く今回の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル』。

35年前の物語の始まりの始まり。

近未来を描いているのに、何故か、クラシックで、レトロな貴族階級を連想させる指導者達の邸宅、登場人物の女性の衣装は、20世紀か或いは、アールデコ調。
背広ネクタイの現代風の官僚、ナチスを連想させる軍人の衣装は、何故か、第二次世界大戦以前のヨーロピアン・コンチネンタル風とでもいうのだろうか・・・タイムスリップしたようで、懐かしい。

未来は、過去へ戻りながら、逆行していく帝政風の趣。

初期のアムロ・レイと死闘を繰り広げるランバ・ラルと恋人のハモンの若き日の始まりの物語が、もうひとつの軸となる。

機動戦士・ガンダムのもうひとつの魅力は、やはり『女性』達だろう。

アルテイシア、ハモン、アストライア、キシリア・・・彼女たちなしには、ガンダムは、語れない。

一番初めの・・・この物語を見たとき・・・も、春休みだった。

あの春から・・・私は、一歩も踏み出していなくて、今また逆戻りして、現在に至る。
そんな境遇が、オーバーラップして、やはり物憂い春に、次回作、秋公開の第二弾を楽しみに、待っている。

未来は、逆行しながら、過去へ・・・。
過去に戻ったようでも、過去ではなく・・・今は・・・。
時間の経過が信じられない未来だった今は、過去になりつつあって、この物語に・・・再び出会った・・・。