鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『イミテーション・ゲーム 』

2015-03-28 22:41:53 | Weblog
 
昨日(27日)は、晩春を思わせる暖かすぎる気候の中、1ヶ月ぶりに休暇を取った相方と隣県M市にある日本三大名庭園ひとつであるK楽園まで、ドライヴ。


そのあと、M市に隣接するショッピング・モール内のシネ・コンで、映画『イミテーション・ゲーム』を鑑賞。

昨年、この映画が製作されたことを知って、いつ日本公開になるのか・・・(それとも日本での公開は、都内などの一部の芸術的作品のみを上映する映画館でしか、公開にならないのか・・・)と待っていた。

チューリング理論(のちのコンピュータ理論)を構築したアラン・チューリング・・・そのひとの物語である。

この映画では、断片的にしか描かれていないけれど(英国では、ご法度なのだろうか?)、少年時代に、変人?アランの唯一の理解者であり、(たぶん)初恋の相手であっただろうクリストファーへの思慕、そして、愛している・・・と伝えるつもりであったその日に、彼の死を知ったアランの絶望。
死んだ人ともう一度会いたい・・・クリストファーに、もう一度会いたい・・・その思いが、人工知能の創造への第一歩となった・・・というエピソードを軸に、ドイツの暗号『エニグマ』の解読する術を探る。

天才は、一般の所謂、フツーの人には、理解できない。
理解できないだけなら、まだしも、迫害して、淘汰させようとする。

アラン・チューリングも、淘汰されたひとりであった。

同性愛は、重大な犯罪。
その偏見による政府の矯正治療の苦痛から、彼は自殺して、この物語は終わる。

もうひとつ、端折られたエピソードに、毒リンゴがあるけれど、チューリングは、毒リンゴを食べて、自らの命を絶ったそうである。
映画の中盤に、クラーク(このひとも、或る意味では、天才なのだろうけれど、普通の女性の途を歩くことに成ったようだ?)から、コミュニケーションの方法を教わって、仲間にリンゴを配るシーンがあった。そのリンゴが、後に彼の命を絶つ重要なアイテムでもあった。

孤独な天才数学者をその独特の雰囲気で、演じたのは、ヴェネディクト・カンバーバッチ。
目の色が、特徴的な俳優さんである。
寡黙さ、静か、孤独を、卓越した演技力で、作り上げた天才数学者は、必見である。