鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

今更・・・何なんですが・・・『民王』

2015-12-30 04:31:08 | TV・ドラマ

テレ朝の金曜・深夜枠のドラマは、面白いものが多い。

かの『TRICK』を始め、『信長のシェフ』、『死神くん』、『時効警察』などなど・・・名作が多い・・・なんてことは、以前の拙ブログ内でも、何度か書いていると思う。

そして、ついに出た。

『民王』

政治ドラマである・・・っても・・・。

所謂・・・コメディである。
しかし秀逸なコメディだ。

政治は、なかなかドラマにならないようで、記憶に残るかぎりでは、田村正和さん主演の『総理と呼ばないで』くらいしか思い浮かばない・・・といっても、一時期(20年?くらい)、一切、テレビを見ない時期もあったから、この期間中に放送されたものについては、何とも言えないけれど。

時の総理大臣・民政党・武藤泰山(遠藤憲一さん)は、内閣組閣直後、危機に陥っていた。自分のバカ息子の翔くん(菅田将暉さん)と入れ替わってしまった。
大人しく、頭の良くない・・・所謂、バカ息子が、総理の姿で、輸入交渉、外交、国会答弁・・・と難題を次々とクリアしていかなければ、政権が立ち行かなくなってしまう未曽有の危機である。

同じ頃、政敵・憲民党の倉元(草刈正雄さん)と娘のエリカの入れ替わりも行われていた。

二人の政治家の親子入れ替え。

父は、息子の目と身体を通して、息子も父の目と身体を通して、お互いに見えなかったもの、理解不能として避けて来たものに直面する。

総理役の遠藤さん、バカ息子役の菅田さんの入替演技の妙。高圧的な政治家と内向的な女子力青年の演じ分けは、お見事。草刈正雄さんのオネエも最高。

このキテレツなシチュエーションを乗り切りるのに、刈谷官房長官(金田明夫さん)、貝原第一秘書(高橋一生さん)、新田公安刑事(山内圭哉さん)の存在が不可欠。

池井戸潤氏の描く、社会ドラマを抜群のコメディに仕上げた傑作であろうか。

予期せぬ事態・・・ピンチは、こうしてチャンスと成果につながった。

志あれば、夢は叶う。

諦めに満ちた現代社会に、一石を投じる爽やかなドラマ。

元旦深夜、『朝まで民王』のオン・エアもあるらしい。見逃した方は、一見の価値有・・・です。