寒の戻りの最中の真冬並みの気温の中、昨日は、午後から、相方と都内・新橋演舞場へ、劇団☆新感線『乱鶯』を観劇に。
午前中は、ダイヤの乱れもあったようで、いつもは、遅延する電車も、定刻通りの運行。
久々の観劇で、嬉しい。
久々に劇評が書けるのが嬉しい。
銀座で、下車し、三越地下の食料品売り場で、今半の牛飯弁当をゲット。
17:00開演の20分前に劇場入り。
・・・ああ。この劇場は、いつきても、まったりするなぁ。まったり気分の中、幕が上がる。
初手から、殺陣。
お宝は、盗んでも、ヒトは、殺さない。
義賊の鶯の十三郎(古田新太さん)は、仲間の裏切りにより、奉行所の追手の執拗なまでの追跡を逃れ、死線を彷徨う。
そんな十三郎を救ったのが、幕府目付の小橋貞右衛門(山本亨さん)と、浅草小料理屋・つるたやの主・勘助(粟根まことさん)とその妻のお加代(稲森いずみさん)であった。
意識が戻った十三郎に、幕府の要職につく小橋から、賊と取引していることなど、黒い噂のある北町奉行所与力・黒部源四郎(大谷亮介さん)の正体を聞かされる。
そして、盗賊から足を洗い、つるたやの板前になって、静かに暮らせと言い残し去る。
それから7年後。
鶴田屋の主人・勘助は、労咳で、5年前に死去。
残された女将・お加代と十三郎は、場末ながらもあたたかい人情と料理の腕で、店を切り盛りする。
そこへ、隠居した父の跡を継いだ小橋勝之助(大東俊介さん)が訪れる。
江戸の大店の呉服問屋の丹下屋が、関西から流れてきた外道の火縄の砂吉により、襲撃されるとの情報を掴み、盗賊一味を一網打尽にすべく、策を講じているが、いまひとつ決め手にかける。
そんな折、十三郎は、回向院で、丹下屋の絵図面を欲しがる盗賊の頭・砂吉に、協力を要請される。
砂吉を利用して、襲撃の日を突き止めるべく、昔取った杵柄で、重三郎は、小橋親子への恩返しのため、丹下屋の料理人を務めることに決めたが、こともあろうに、勝之助も同行するはめに・・・。
踊るようないつもの新感線の殺陣を観たかったのだけれど、最初から気迫に欠ける緩い殺陣だった。
十三郎を演じる古田新太さん出ずっぱりの舞台で、疲労したのか?生彩に欠けた(噂では、バセドウ病を患っている???とかで、体力が続かない?のかもしれない)。
勝之助役の大東さんが、その足を引っ張る。
学芸会並みの殺陣で、舞台は、緩みながら、失速していく・・・大丈夫?なのか・・・と思いながらの前半。
後半は、新感線の女優陣が、笑いを取り始めてから、加速を始めた。
おお!・・・そうこなくっちゃ・・・。緩かった前半に比べ、テンションが上がる後半。
音楽は、バリバリの岡崎司メロディが、炸裂。
うんうん。やはり新感線は、コレでなくっちゃ。
この舞台の要・・・それは、鶴田屋の主人・勘助だろう。
死してなお、女房のお加代と十三郎を見守り、要所・要所で、出現する。
幽霊の出現場所・・・花道のスッポンから、お約束通りの出現。
これからご覧になる方は、初手の殺陣の最中に、回り舞台の中で、回転させながら、かつ、上下に動く仕組みを見てほしい(具体的には、階段を下りていくシーン5秒?くらいある)。
アレは、技術的に難しい動きなのだ・・・と相方が言っていた。
相方は、ストーリーや役者さんより、舞台セットや演出の方に、興味があるようで、幕間に、牛飯弁当を食べながら、
『エアー・コンプレッサーで、動かしてんだろうか・・・?』
などと感心していた。
私は、そういうことより、ストーリーや演技の方に興味がある。
お互いの視点が、全く違うのは、いつものことだ。