春が、少し立ち止まっているような寒い週末。
お昼のニュース番組を見ていたら、皇居付近の桜は、咲初め。
一分咲きくらいで、満開は、来週の初め頃と伝えていた。
皇居乾通りには、75本の染井吉野、山桜などが植樹されているとのことで、朝9時から、お花見客が詰めかけている・・・とのこと。
皇居内の一般人が、立ち入り禁止区域にも、桜はたくさんあるのだろうから、やんごとなきひとたちも、お花見などなさるのだろうか?
桜は、やはり、吉野の山。
上千本、中千本、下千本・・・山の頂上へ向かうほど、開花時期が遅くなるから、1ヶ月くらいは、楽しめるらしい。
もう、かなり昔になるけれど、家人が、市役所を定年退職したおりに、お祝いに、吉野・高野山巡りというツアーをプレゼントしたことがあった。
ツアーの前に、『格安』と但し書きが、入るけれど。
吉野山の桜を愛でて、高野山の宿坊に泊り、紀三井寺などにも参拝した。
紀の国は、大河がゆったりと流れていた。
小説『紀ノ川』の作者・故・有吉佐和子氏は、紀ノ川は、青い・・・と書かれている。
そのとおり、鮮烈な美しい川だったことを記億している。
有吉氏も生存されていれば、家人と同じくらいの年齢だろう。
享年53とのことだから、随分、若くして亡くなれたなぁ・・・。
まだまだ、書きたい小説が、たくさんあったのではないか・・・と思う。
紀の国を旅していて、風光明媚な土地柄で、内陸の山、熊野灘から、大坂湾に至る海沿いの地域とさまざまな表情があった。
その頃、土地の名産というか、新品種というか、『清見タンゴール』という夏みかんよりも一回りか二回り小さく、温州みかんよりは、一回りか、二回り大きな柑橘を、食した。
柔らかで、ジューシーな果肉は、オレンジと蜜柑の掛け合わせを行った品種だと聞いた。
紀の国でしか手に入らなかったものが、通販で、手に入れられるようになり、今では、遙か、北関東の我が居住地のスーパーの青果コーナーに並んでいる。
いつもつい、買ってしまう。
果物は、贅沢品なれど、コレを食べねば、春はこない(・・・私的には)。