暖かな春日和の週末。
午後から、雲が出てきて、強い西風。
お天気、下り坂・・・かも。
水色のトパーズのような瞳をもつ白い大猫。
彼は、何処から来たのだろう。
美しい猫で、ヒトなつこいところをみると、飼い猫だったようだ。
器用に、ドアを開ける。
食べ物をあげると、静かに食べる。
とても可愛がられていた猫なのだと思う。
私は、彼を『シロ』と呼んでいる。
全身真っ白で、長い長いまっすぐなしっぽ。
シロは、捨て猫なのだろうか?
捨てられても、シロは、ヒトを憎んだり、恨んだりしていないようだ。
シロは、彼の飼い主だったひとに、どんな感情?を持っているのだろう。
どうして、捨てたの?
嫌いになったの?
冬は、寒いよ。
おナカが、空いたよ。
そんな恨み言を言いたくなったこともあったかもしれない。
私は、全く無収入の身で、居候なものだから、シロの飼い主になることは、できない。
我が家は、山林の中に一軒ポツンと立っているから、いろいろな動物を捨てていく不届きモノが多い。犬、猫、栗鼠、狸、イタチ?フェレット?、鶏・・・。
みんな人間の都合で、捨てられたのだ。
シロは、捨てられたのか、迷い猫なのか・・・わからないけれど、ヒトにたいして、おおらかな猫だ。
普通のノラ猫のように、ギスギス、ピリピリ・・・ヒトを警戒することがない。
その綺麗なトパーズのような水色の瞳で、同じ色の春の空を見上げている。