4歳の孫娘はご機嫌で起きて来たのに、食事の時になって急にぐずり出した。「食べるよ」と母親が言っても、「イヤ、イヤ」と言って泣き続ける。昨日、あんなにいとこと一緒に遊んでいたので、今朝はその反動なのかもしれない。子どもの心はよく分からないが、無理やり解釈して分かった気にならない方が良いだろう。
私がルーフバルコニーので落ちた花弁などの掃除をしていると、母親に叱られてひとりで北の部屋で泣いているのが見えた。近づいて小声で、「ねえ、水やりを手伝ってくれない?」と伝えると、一瞬泣き止んだが、また泣き出して首を横に振り、「イヤ」と言う。水やりでは泣き止まないか、そう思って水やりを始めると、いつの間にか傍に来て、「お手伝いする」と言う。
「前に、パパちゃんに水かけたもんね」と言いながらホースを向けるから、「ダメ、ダメ、やめて」と後ずさりすると、面白がって水をかけようとする。もう、水やりに夢中で、先ほどまでぐずっていたことなどすっかり忘れている。朝食も全部ぺろりと食べた。しかも、どういう訳か盛んにお話をしてくれるし、幼稚園で習っているという「6がつのうた」を歌って聞かせてくれる。
今日はいとこの「ピアノ発表会」。会場まで電車に乗って行く。「パパちゃんと行く」と言うので、ふたりで手をつないで出かけた。幼稚園で道路の渡り方を習ったから「おしえてあげるね」と言い、「みぎ見てひだり見て、もういちどみぎを見て、手をあげてわたります」と演技して見せてくれる。
ピアノ発表会には長女のダンナの両親も来ていて、4歳の孫娘は早速に挨拶しに行く。そこまでは調子がよかったのに、いとこの発表の時になって、近くに母親が来たので駆け出そうとした瞬間、転んで顔から落ちた。ゴンと言う大きな音がしたからさぞ痛かっただろうに、演奏が始まったので「泣いてダメ」と言われて泣けずに歯を食いしばっていた。意外に負けず嫌いな頑固さもあるようだ。父親が先に帰るので、母親と空港へ見送りに行く予定だったのに、「いとこと一緒にいる」と言い出す。子どもの成長は本当に早い。