友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

「そんなことを言ってはダメ」

2018年07月02日 17時52分42秒 | Weblog

 『国境なき医師団』から、「大切なメッセージと贈り物」が届く。10数年も前、国際交流グループの代表を務めていた時、夏祭りの売上金を寄付した。金額はそんなにあった訳ではないので、とても恐縮している。合併して市が国際交流協会を発足させたので、私たちは手を引いた。「困っている外国人の助けに」と思って活動してきたから、日本語教室を開き、時には一緒に食事をしたりして交流に努めてきた。

 グループを解散しても、引き続き『国境なき医師団』にお金を送ることは出来たのに、断念してしまった。私の元の同僚は、ユニセフのテレビコマーシャルを見て、「1日100円、月に3000円なら出せる」と実行している。昔から心優しい男だったが、その話を聞いて「エライ」と思った。特別なことは考える必要はない。自分が差し出したお金が、困っている人の役に立つならそれでいいはずだ。なのに、何故か恥ずかしいような、顔を上げられないような気持が働く。

 ベトナムのフエで宮廷料理を頂いた。刀で野菜を彫刻した鳳凰のようなものがいくつか出てきた。それは見事な作りだったが、先輩女性がガイドさんに、「この作りものはどうするのか、再び次の客にも使うのか」と言い出したので、私はカッとなり、「そんなことを言うのは止めなさい」と叱ってしまった。「冗談よ」と言うが、冗談でも口にしてはならない。料理した人をバカにしている。

 議員の時のこと、沖縄の「ひめゆりの塔」の前にたくさんの献花が置かれていた。それをこともあろうに共産党の議員が、「これをまた集めて、あっちで売るんだぞ」と笑って言った。彼は笑わせるために言ったのだが、私は無性に腹が立って怒鳴ってしまった。沖縄の人を見下し屈辱していると思えないことに怒りがこみ上げた。沖縄の人々の犠牲に頭を下げなくてはいけないのに、そんな冗談が出てくることが情けなかった。

 ベトナムの人も沖縄の人も、心は広く優しい。私たち日本人も海洋民族の血が流れているが、北方のモンゴルの血も流れていて、しかもベトナムよりも暑い夏があり、シベリアのような寒さの冬があり、耐えて過ごせばまた次の季節が巡ってくる体験を積み重ねてきた。このことが日本人の考え方に大きく影響しているようだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする