朝7時、雨の降る中、カミさんはゴルフに出かけて行った。けれど雨は止むことなく、次第に雨の量は多くなってきた。すると10時頃、カミさんが「ゴルフ場がクローズになった」と言って、帰って来た。
「湿気は多いけど、気温は低いからエアコン、止めるわね」と言う。どうぞ好きなようにしてくれ。「午後は太極拳教室に行きたいから、車使うなら午前中に行って来て」と指示する。今日はいつもの喫茶店でエッグサンドとコーヒーで食事をし、書店に寄って銀行にも行く予定でいたが、全てダメになった。
そこで急いで書店と銀行へ行く。店員に欲しい本の名を見せて探してもらう。延江浩氏の『J』が見つかったが、宇野千代さんの『色ざんげ』は取り寄せてくれることになった。『J』は瀬戸内寂聴さんをイメージして書かれた小説だ。
「老いてこそ身体も心も業火のごとく燃える愛の軌跡。かつてない<老いの自由>を描き切った痛切な純愛小説」と帯にある。高齢者の恋愛がどのように成立するのかと興味が湧く。瀬戸内さんの作品は『美は乱調にあり』を読んでいるが、内容まで覚えていない。
瀬戸内さんが95歳で書いた、最後の小説『いのち』は買ったまま書棚に並んでいる。『J』を読み終わったら、次こそ読んでみようと思っている。瀬戸内さんは99歳で亡くなり、宇野さんも98歳と長生きだった。
そんな長寿のふたりは恋多き女性であった。長寿であるがため、若い時の写真よりも高齢になってからの写真が多い。宇野さんの私のイメージは、メガネをかけたおばあさんというもので、若い時の写真を見たら、恋多き女性が理解できた。
それに二科会を代表する画家・東郷青児と同棲していたことや、東郷との恋物語を表してのが『色ざんげ』であることも知り、ぜひ読んでみたいと思った。瀬戸内さんや宇野さんのように、恋多き男性もいただろうに、男性が書くとウソっぽくなってしまうのだろうか。
高齢になって小説を書こうとしている、中学からの友だちの奮闘に期待したい。