友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

美しい脚を見せて歩いている

2023年07月19日 17時57分15秒 | Weblog

 「雨が降ってくる前に、松坂屋美術館へ行かない?」と、カミさんに誘われて出かけた。卒業生の幾人かが観て来たことをFacebookに載せていたので、私も行ってみたいと思っていた。『川瀬巴水 木版画』は江戸時代の木版画の伝統と技術を受け継いだものだ。

 川瀬巴水氏は明治16年に生まれ、昭和32年に亡くなっているから、大正から昭和にかけて活躍した木版画家だが、私は知らなかった。出口の傍に、アップル・コンピューターのスティーブ・ジョブズ氏がお気に入りの作家で、作品も購入しているとの表記があった。

 展示作品は思った以上に多くて、ゆっくり拝見していたら疲れてしまった。ゆっくり観たのは、どのように作品を作り上げていったのか、その技法に興味が湧いたからだ。確かに、川瀬巴水氏がいなくてはこれらの作品は生まれない。

 しかし、木版画の場合は、原画を描く人の他に、木版が掘る人と色をつけて摺る人が要る。掘る人も巧みな技術を要するが、濃淡で表現する遠近は摺る人の力量にかかっている。木版をタワシで擦るのは禁止だったようだが、それを使っていると説明されていた。

 木版画の木版そのものが観たかった。雨のしずくの線はどのようにして描かれたものなのか、そんなことばかり考えていた。「疲れたわね。松坂屋で食べていきましょう」とカミさんが言う。レストランの前には平日なのにたくさんの人が並んでいる。

 Facebookで裸に近い格好の女性を見かけるが、まさか現実にそんな人はいるとは思わなかった。腰かけて順番を待つ若い女性の中に、太腿に刺青をした人がいた。刺青をする人はヤクザという認識は、年寄りだけのようだ。

 あんなに綺麗な脚に、なぜ刺青なんかするのか、親はどう思っているのだろう。とてもその列に並ぶ気になれなくて、他を探した。寿司屋に入ったが、そこは年寄りばかりで、なぜかホッとした。

 松坂屋を歩いていると、圧倒的に高齢者が多い。けれど、外に出ると夏姿の若者が目立った。女性たちはミニスカートか短パンで、美しい脚を見せて歩いている。夏が来た。

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