晴れて暑い日になったが、風があって蒸し暑くはない。しかし、暑さは人をイライラさせるようだ。中国のウイグル地区で猛暑のために竜巻が発生し、砂漠から大量の砂が巻き上げられていた。北京でも黄砂の影響で空が見えないほどだ。
日本にどのくらい黄砂が飛来するのか分からないが、まるで悪魔がやって来るような報道だった。黄砂が目に入れば痒くなるし、洗濯ものにも被着するから、来てほしくないと思うのは当然だ。けれど、海の魚にとっては貴重な鉄分の補給になるという。
フランスでは若者たちの暴動が続いている。パリ郊外の街で、北アフリカ系の17歳の少年が警察官に射殺された。車を運転していた少年が、交通検問を拒否したからだが、これを「差別」と感じる大勢の移民や下層の労働者が抗議デモを行った。逮捕者は3千人を超えているという。
デモはフランス全土に広がったばかりか、ベルギーやスイスにも波及した。「虐げられている」と思う不満が爆発したのだ。抗議デモはエスカレートし、街の商店のガラスを割って商品を盗んだり、止めてある車に火を点けたり、憂さ晴らしの行為になっていて、抗議デモというより暴動である。
フランスでは少し前にも、年金を受け取る年齢の引き上げに抗議するデモが各地であった。政府の方針に対する抗議デモが発生するのは、さすがにフランス革命の国と思っていたが、暴動になってしまうのを見ると、まだまだ民主主義は遠いようだ。人々の不満を汲み上げることが出来ない国民主権国家は、共産党独裁国家と変わらない。
アメリカでも人種差別に対する抗議デモは続いているし、銃殺事件も跡を絶たない。世界はどんどん交じり合っているのに、どうして差別が続くのだろう。私は「在来種の保護」とか「外来種の駆除」という言葉も嫌いだ。交じり合っていけばいいのにと思う。今晩も暑い夜になるのだろうか。