友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

栗原小巻さんの朗読を聞いて

2007年04月29日 23時59分48秒 | Weblog
 親しい演劇グループが10周年を向かえ、女優の栗原小巻さんを迎えての朗読の会がありました。小巻さんに直接お会いする前、40年位前のことです。私が大学4年の時に、光村図書出版という国語と美術の教科書を作っている会社で、私はアルバイトとして働いていました。その時、背が高くとてもハムサムな人が会社にやってきました。「あれが栗原先生だ」とみんなが言うのですが、田舎者の私にはどうして騒いでいるのかわかりませんでした。栗原小巻さんがテレビなどで活躍するようになって、ああこの人のお父さんだったのかと知りました。

 今日、栗原小巻さんが朗読した作品はとても悲しいお話で、ズーッと涙が流れ、止めることができませんでした。幸せになれない人はどこまでも幸せになれないのか、いいえそんなことは決してあってはならないことです。いつかきっと幸せが訪れるはず、そうでない人生があることは人として許せることではありません。女郎の女性を愛した男も立派ですし、愛された女性の生き様も立派でした。朗読してくださった小巻さんはとても澄んだ声でした。歌も歌ってくださいましたが、どうしてこんなに伸びのある声が出せるものかと思いました。

 昨日は、孫娘と一緒にテレビで『中学生日記』を見ました。好きになった男の子が、30分おきにメールすることを命じたり、自分以外の男の子と口を利くことを許さなかったりします。小巻さんが描いてくれた時代のものからは百年くらい経ているのでしょうか、すっかり愛も様変わりです。昨日の講演で、八谷先生は「化け物みたいな子どもが生まれてきている」と話されましたが、化け物みたいな子どもを育ててしまったのは私たちです。もう少し厳密に言うなら、現在の40代の両親ですから、私たちの上の世代、現在の70代の人々です。そしてこれか10年先の時代には、さらに深刻な時代なのかもしれません。
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