漫画家の鳥山明さんが亡くなった。68歳とあった。世界的にも有名な漫画家なのに、私は隣の清須市の人、くらいしか知らない。「Drスランプ」も「ドラゴンボール」も見たことが無い。吉本隆明の長女で漫画家、ハルノ宵子さんが1957年生まれだから、鳥山さんは2つ年上だ。
この世代は、漫画週刊誌が世に出てきて、ブームになっていた。手塚治虫さんらが先駆けた世界だ。私が子どもの頃では、「赤胴鈴之助」くらいしか覚えていない。それも、買って読むことも、誰かから借りて読むことも無かった。私はどちらかと言えば、図鑑や年鑑に興味がある根暗な少年だった。
私が漫画に関心を持ったのは、上村一夫さんの「同棲時代」だった。デザイン科の職員室で見ていると、先輩の先生から「今の若い先生はこういう漫画を見るんだ」と、皮肉を言われた。私よりも10歳くらい上だったから、「のらくら」漫画の世代だったと思う。
漫画らしい絵が、どういうものかの定義は難しいが、私は写実的な絵が好みで、ストーリーも空想的なものより現実的な方が好きだ。映画監督を目指していた時も、日常を淡々と記録するような作品を撮りたいと思っていた。ヌーベルバーグ作品や北欧の映画を観た時、自分が造りたかったのはこれだと思った。
漫画や映画は、楽しく笑って観られるものがいいと思う人は多いだろう。土曜日の昼、私は吉本新喜劇を毎回見ているが、笑っていられることが楽しい。それでも、ちょっと風刺が効いていたりするものに出会うと、やったねと思ってしまう。
以前は、ド突いたり、容姿の悪口を言ったり、トコトン相手をいじめるものが多かったが、最近はちょっと違う。昔の落語のように、ホロリと泣かせるものがある。そう言えば、セクハラで問題になっている松本人志は吉本喜劇の出身だが、どんなオチになるのだろう。
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