今朝のNHKテレビ『おむすび』を観ていたら、橋本環奈の上司にあたる料理人が、尾崎豊の『15の夜』を歌い出した。彼は、この歌を歌うと機嫌が直るらしい。『15の夜』は、「盗んだバイクで走り出す 行先もわからぬまま 暗い夜の帳の中へ 覚えたての煙草をふかし」と、社会への抵抗の歌である。
この歌を歌うということは、この料理人も強い反抗期があったのだろう。尾崎豊はこの歌のような青春を送ったようだ。尾崎豊が生まれたのは昭和40年、上の兄は優秀だったようだから、幼い時から比較されたコンプレックスが下敷きにあったのか知れない。
小学校5年の転校を契機に、学校に行くふりをして街を彷徨っていた。今で言う不登校児である。それでも中学校では生徒会副会長を務め、文化祭実行委員長と頑張っている。ところが喫煙がバレて停学処分を受けている。
高校は青山学院の高等部に進み、剣道部に所属している。けれども、オートバイを乗り回したり、飲酒や喫煙、あげくに大学生のグループと乱闘騒ぎまで起こしている。学校からすれば、手に負えない不良だった。そんな尾崎が、独りぼっちの時によく聞いたのがフォークソングだったようだ。
そこが違うなと思うけれど、尾崎は高2の時、レコード会社のオーディションを受けて合格すると、自分の人生はこれだと突き進む。尾崎が発表した歌は、社会に嫌気がさしていた若者に支持され、ブームを巻き起こした。
尾崎豊よりも20歳も上の私も、すごく心に響いて思わずCDを買った。私自身は尾崎が描く青春とは全く異なっていたが、心情はよく分かる。料理人がこの歌を口ずさむのはきっと、思い当たる青春があるのだろう。
『おむすび』は年寄りの私には面白く無いドラマだが、今朝は昔を思い出させてくれた。橋本環奈に何も魅力を感じないジイジも、ふと、この青春ドラマの行先が気になった。
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