マンションの庭の草木に詳しい友だち2人に来てもらい、ルーフバルコニーの鉢植えの花を見てもらった。結論は、「植える場所は無いね」だった。大きくなったキンモクセイやジャスミンなど、マンションの中で「植えてもいいよ」というのであれば、処分せずに残しておこうと思っていたが、これでスッキリ全部無くす決意が整った。
ルーフバルコニーの植木鉢を眺めていると、自分が好きな草木が何かが分かる。バラはずいぶん減ったけれど、一番育てたかった花だ。アジサイのブルーも好きで、挿し木で増やし過ぎた。ツバキも好きな花だったのに、カイガラムシにやられてしまった。鉢の中で根が悲鳴を上げているのは、ジャスミンと鹿児島で買った沖縄の花・デイゴ、そしてカミさんお父さんから譲り受けたジャスミンに似た花の2鉢だ。
友だちとコーヒーを飲みながら話していて、年月の重さを感じた。2人とも私よりは若いがそれでも70代だろう。自分たちの住まいであるマンションを、より美しく快適な空間にしようと努力してきたが、後を継いでくれる人たちが現れない。いざという時はきっと、そんな人がどこかにいるのだろうが、古い私たちには見えてこない。
時代は移り変わる。価値観も仲間意識もそれぞれに変化していく。嘆いていても仕方ない。時の流れに身を任せ、私たちも流れていくしかない。昔話に戻りつつも、明日のことを考える。やはり、キンモクセイもジャスミンもアジサイもデイゴもバラも、根元から切り倒し、細かく切って燃えるゴミで出すしかないようだ。
ペチュニアの咲いている鉢は、そのままの方が貰い手があると言うが、これを下まで降ろすのが大変だ。中学生か高校生に、「アルバイトで手伝ってもらおうかな」と私が呟くと、「そんなこと、やめて」とカミさんが言う。「ちゃんとお金を払うのに、どうしていけないの?」と聞いても、「何言われるか分からないわよ」と怒り出す。
困ったなあー、どうしたら良いのだろう。
処分する鉢で貰っても良いですよ〜
という植物はなさそうだし…