「ジィージィージィー」と蝉の鳴き声がする。夏になったと感じる瞬間だ。土中に居た蝉の幼虫が、雨で柔らかくなった土をかき分けて這い上がり、どこかの樹に登って羽化したのだろう。マンションの庭に植えられた樹木、近くの公園の樹木が無くなれば、蝉の声も聞こえなくなってしまう。
蒸し暑い日々がやって来る。私の子どもの頃の記憶では、梅雨の最後に夕立が来て、本格的な夏になる。夏は防ぎようが無かったから、嫌いだった。扇風機は祖父のところにしか無かった。部屋を通り抜ける風か、うちわで扇ぐ風が涼しさを感じるものだった。私たちが暮らしていた部屋は、倉庫を改造した北向きだったので、夏は涼しく冬は寒かった。
蝉の鳴き声を聞いて、いよいよ夏の到来だと思っていたら、午後3時に雷が鳴りだしたが、しばらくしたら止んでしまった。「雷雨は長続きしないが、熱中症には注意」と、気象予報士が呼び掛けていた。蒸し暑さが戻って来たから、今晩はエアコンを点けて寝よう。エアコンのおかげで、昨夜も寝汗をかかずによく眠れた。
私は土曜日の『よしもと新喜劇』と日曜日の『のど自慢』が好きだ。運よく(?)両日ともカミさんが居ないので、ひとり涙を流して観ている。他人が見たら、「バカじゃーない」と言うくらいティッシュが要る。『よしもと新喜劇』は落語と同じで、人情ものが多くて、最後に「よかった、よかった」と泣かされる。
『のど自慢』でどうして泣かされてしまうのか、自分でもよく分からない。歌って、ちょっと司会者とのやり取りがあるだけなのに、なぜか涙が溢れて来る。私の魂が汚れているのか、浄化されていく。『のど自慢』を観て、こんな風に涙を流すようになったのが、何時頃からか覚えていないが、高齢者になってからだろう。
涙も流せない冷徹な人間よりも、格好は悪いが、よく泣く人間の方がまし、などと自己弁護に走る。娘たちから、「パパはすぐ泣くんだから」と言われないように、もう少し男らしくならなくちゃーと思う。
ホロってくることはありますが。
最近は2話やってくれるので録画して2話目は夜のお楽しみです。
人前で泣くのではなく、自宅ですからどんどん泣いて下さい。
今日は都合により2話とも夜のお楽しみです。