退院して3日目、カミさんはインフルエンザを私に感染させてはいけないと、寝室に籠っていて、「食事の用意が出来たよ」と声をかけて待っていると、しばらくしてのっそりと起きて来る。でも、一緒のテーブルで食べる訳にはいかないので、別々に食事をしているから誠に味気ない。
友だちが「自宅で極楽生活如何!?」とメールしてきた。彼も入院したことがあり、病室での生活に閉口した経験があるようだが、私のブログは見ていない。私に3冊の小説を貸してくれた卒業生も、自身が脳出血で入院し、今もリハビリに通っている。卒業生といっても、私と年齢差は8歳ほどしか違わない同じ70代だ。
話が戻るが、入院していた時、「血圧、検温の時間です」と言う看護師の名札を見てビックリした。ひらがなで「まひろ」とあったからだ。日曜日のNHK大河ドラマは、「源氏物語」を書いた紫式部を題材にしたものだが、その紫式部の幼名が「まひろ」だった。
「ご両親はすごいね。紫式部は知っていても幼名までは知らなかった」と話すと、「小学校の時、自分の名前について発表する授業があって、両親に名前のいわれを聞いたんです。そうしたら、その頃流行っていたマンガからつけたと言うので、恥ずかしくって、脚色して発表してしまいました」と、笑って話す。
看護師さんにはいろいろな女性がいて、私を自分のおじいちゃんと思っているのかというほど世話を焼いてくれる子もいた。雪が降っていた時、病室から外を一緒に見ていた看護師は、「名古屋の人はみんな傘をさすのですね」と言う。怪訝な顔をしていると、「私、秋田の出身なんですけど、秋田の人は傘をささないんです」と言う。
確かに、横からの強い風に煽られる雪に傘は役に立たない。年に1・2回しか雪が降らない地方と、秋田のような雪深い地方では違って当然だろう。病室に掃除に来るおばさんが小学生の孫に、「雪だるまは、ボールを転がすようにして、大きくするんだよ」と教えると、孫は「両手で丸めて、雪だるまにするの」と言ったと話す。
最近、大雪になることは無いから、雪だるまの作り方も私たちの子どもの頃とは違っているようだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます