友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

「サヨナラ」ダケガ人生ダ

2014年06月05日 18時45分21秒 | Weblog

 大和塾(だいわじゅく)では、市民講座の開催日に合わせて季刊誌『風』を発行している。塾生の皆さんは教養も深く見識も高いので、『風』の原稿はすぐに集まる。市民にいろんなことを知ってもらうことで、より高いレベルの市民を目指しているのだから、そうした目的にふさわしい原稿が欲しい。83歳になる長老は、編集の役目を引き受けている私の意図を理解し、巻頭にふさわしい文章を寄せてくれる。

 今回は3編出され、「どれでもいい、任せる」と難しいことを言われる。1編は井伏鱒二が「サヨナラダケガ人生ダ」と訳して有名な漢詩「勧酒」(于武陵)の話で、「高齢者となっても威張ることでもない。(略)単に物知りだけの人にはなりたくない。」と書いている。他の2編は明治38年5月27日から28日、日本海でロシアのバルチック艦隊を撃破した話で、1つは司馬遼太郎の『坂の上の雲』の中で、秋山真之が「天気晴朗ナレドモ浪高シ」と付け加えたこと。もう1つは東郷平八郎の判断でロシア艦隊に勝利したことから、「戦えば必ず勝つという神話を(略)悪たれ中学生にまで植え付けた」と、歴史から何を学ぶかと問うもの。

 5月27日がそのような「海軍記念日」であることを、昭和19年生まれの私は知らなかった。バルチック艦隊撃破は映画にもなったように思うし、テレビでは『坂の上の雲』で日本海軍の諜報能力や砲術能力が優れていたことが分かった。戦争映画は誰がどのような視点で描くかで全く違ってしまう。戦争はいかに相手をたくさん殺すかに尽きる。だから私は、「武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」憲法第9条を世界に広げていくことが日本の役目だと思っている。

 「考える市民」でありたいと思う私は、「サヨナラダケガ人生ダ」の方を選んだ。人生に別れはつきものだ。花が咲くのに、雨風が邪魔をする。お互いが元気に酒を酌み交わせるのは至福の時、出会いに感謝し、生きていることに喜び、明日の夢を語り合いたい。酒を酌み交わすことは例えで、心から許し合える人との出会いが人生を豊にすると思う。

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