安倍首相がどうしてあんなに自信たっぷりなのか、私にはよく分からないが、マスコミの使い方はうまいと思う。安倍内閣は必ず、「国民の皆様に、丁寧に説明する」とか、「ご理解いただけるようにしっかりと説明していく」とか、「時間をかけて、納得していただけるように努力する」と記者会見などで述べている。どんなことをしようとしているかよりも、国民とキチンと向き合う誠実な内閣という印象を与えている。
「世界最先端IT国家創造宣言」などと言われると、なんとなく、日本は世界一の創造国家なのだと勝手に思ってしまう。「革新的な新産業、新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実現」と呼びかけられると、バラ色の未来が待っているように見える。「国のエネルギー計画に関して国民から広く意見を募るパブリックコメントを実施する」と聞けば、国民の声に耳を傾け、原発を廃止してくれるのではないか、少なくとも国民の生の声を聞こうとしているように思ってしまう。
「オープンデーター」とか「オープンガバメント」とか、横文字を聞いただけで先進的な政策と錯覚してしまう。友人が先の市議選挙で、自民党系の「若い候補者に投票した」と言う。その理由は「あなたがもし障害者になったらどうしますか」と、障害者のことを唯一取り上げていたという。手元に選挙公報がないので確かめることはできないが、みんなが関心のありそうなことを掲げることはそういうことだ。夢を見させてくれる、そんな響きのいい言葉が有権者をひきつける。
AKBの握手会での傷害事件があった。CDを買うと握手券が手に入るという。AKB総選挙がどんな風に行なわれるのか不思議に思っていたが、こちらもCDを買うと投票券がついてくるという。100枚買えば、100回投票できる。投票というのは1人1票と思い込んでいたけれど、こういう選挙もあるのかと感心した。CDをたくさん買った人がたくさん投票できる。究極の民主主義なのか、斬新な公平なのか、安倍内閣のレトリックとともに私には理解不能である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます