相変わらずルーフバルコニーで、植木鉢から土を取り出す作業をしていた。天気が良く風もそんなに無かったので、マンションの北の棟では布団やシーツが干されていた。午後になって、少し風が吹くようになった。そして、急に強い風が吹いた時、干してあった布団が1枚、風に煽られて宙に舞い上がった。
幸い、1階の出入り口を被おう屋根の上に落ち、管理事務所の人が屋根から拾い上げてくれた。管理事務所はマンションの維持管理と、住民の願いに応えてくれる、小さな役所の役割を果たしている。自治会は管理事務所を統括して、住民の要望や苦情を聴き取り、適切に処置してくれている。
自治会長はいわば首長で、議会に当たる議員は12世帯で1組の組長が担当する。組長は毎年、輪番制で担当し自治会の役員は組長の中から選出する。この方式を考えたのは、このマンションが出来た当初の人々で、当時としては大学出のエリートたちで、60年安保の体験者だった。
今、この地域は県会議員選挙の真っ只中にある。少し地域が広いだけに、市議選のような密着度が無い。市議ならば、地道に地域を回り、有権者と話す機会がある。県議選は市議が持っている票頼みのところがある。県議も市議もその課題から、政党に左右されることは無いはずだが、どういう訳か縦割りになっている。
今朝の中日新聞に良い企画があった。『地方議会を再生するには?』というタイトルで3人の方の発言が載っていた。地方議員を経験した2人の発言が的を射ていた。「議員同士が政策について議論しない」「首長に対峙する存在は、議員ではなく議会です。だから、議会の合意形成が重要になります」(元川崎市議)。
「議員同士が自由闊達な討論を重ね、学び合うべきなんです」「意見を言う場と機会さえあれば、積極的に声をあげてくれる住民はいる」と、「政策サポーター」と「議会だよりモニター」を設けた(元長野県飯綱町議長)。議会の情報公開や住民参加が議会改革となる例である。
首長の持つ権限は大きいのに、議員は勉強もせず、従って議論もせず、手を上げているのが地方議会の現実だ。「思ったことを発言しなければ、世の中は変わらない」と、非戦・脱原発を訴え、環境保護に尽力した世界的な音楽家の坂本龍一さんが亡くなった。
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