大和塾の活動が広く知られるようになり、ひょんなことから市の男女共同参画推進事業実行委員を引き受けることになった。行政に協力することを拒む理由もないし、何よりも友だちに委員を押し付けておいて、彼女が夜ひとりで出かけるのを放っておくわけにはいかないから、運転手のつもりで一緒に出るようにしてきた。実行委員会と言いながら、実際は行政が掲げる男女推進事業の一部を担っているに過ぎず、大方は3月に行なっているフェスタをどのように行なうか最大の課題である。
今では男女共同参画などと言われているが、かつては男女平等と言い、性による差別をなくすことが主眼だった。安倍政権は、女性が輝く社会を掲げているので、各自治体はその具体化に取り組まなくてはならない。職場や社会における性差別をなくしていくというより、男性も産休や育休を取りなさいとか、家庭では家事を分担しましょうとか、学校では男女混合名簿にしなさいというようなことが取り組まれている。家庭科の授業では男の子も料理や裁縫や掃除・洗濯などを学ぶというが、私の小・中学時代もそういう授業だった。
どのような家庭が理想かはおそらく人によって違うだろう。ましてや子どもを生むか生まないかは政府が口に出すことではない。今、若者たちは結婚しない風潮にあるが、やたらと「結婚しなさい」と押し付けることもどうかと思う。家庭とか、結婚とか、形が変わってきている。いや、考え方が変わってきた。アメリカ合衆国は同性の婚姻も認めた。どうも私たちは、結婚は異性とするもの、家庭は父がいて母がいて子どもがいると考えてきた。愛し合う者同士が結びつくことが結婚なら、同性であってもいいわけだ。
友だちが、「ひとり暮らしの人のために、恋人リースというものがある」と教えてくれた。「一緒に食事に行ったり、映画を観たり、散歩したり、お話したり‥でも恋愛はダメなのよ」。ひとりの方が気楽でいいと言いながらも、やっぱり寂しくなる。そんな時は相手をしてくれるというシステムだ。結婚で縛られるのはイヤという人にはちょうど良いのかも知れないが、まだ古い私はちょっと寂しい気がしてしまうが、きっとそうなっていくのだろう。