前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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関西電力、県内3か所に使用済み核燃料の中間貯蔵施設計画。60年を超えて際限ない再稼働では核のゴミ捨て場になりかねない。しかも巨大地震想定で原子力防災計画見直さないまま、とは福井県民にとって悲劇的。

2024年02月07日 | 福井県政

 関西電力が県内原発設置3か所に使用済み核燃料の中間貯蔵施設計画、などと報道されています。60年を超えて際限ない再稼働とセットの計画でもあり核のゴミ捨て場になりかねない。しかも原子力規制委員会は能登半島地震の大被害を前にしても巨大地震想定での原子力防災計画見直さないまま、とは福井県民にとって悲劇的。「もうやめてくれ‼️」の世論と運動を起こしていきましょう。大地震は止めることは出来ませんが、原発は県民の声、政治の決断で止めることができます。チカラをあわせましょう❣️

 

■1月24日に日本共産党が福井県に要請した内容

政府がすすめてきた原発推進政策、原子力防災計画の破綻は明らか。大地震と原発事故による破局を迎えないために、原発の停止を国と関西電力に求めてください。

1,東日本大震災・福島原発事故で大震災・津波で原発が破壊されれば破局的事態となることが明らかになりました。今回の能登半島地震でも志賀原発と周辺のモニタリングポストに重大な障害が起こっています。巨大地震で数メートルも地面が動き、隆起するなどの自然現象に対して原発だけは壊れない、などはあり得ません。放射能汚染となれば、消防などによる住民救援すら困難な状況に陥ります。活断層の巣である若狭湾の原発群はすべて停止を政府と関電に求め、今回の大地震をふまえた全ての原発機能の検証、住民避難・原子力防災計画の検証を県民の意見を聴きながらおこなってください。また、今回重大なトラブルが発生した志賀原発についても北陸電力に廃止措置をふくめ検討をもとめてください。

2,関西電力の「使用済み燃料対策ロードマップ」は、県の原子力行政上の重大な変更をともなうものであり、嶺北嶺南地域での国と関西電力による県民説明会などを開催し、県民の声を聴く機会をもうけてください。また、あらためて関西電力に「乾式貯蔵施設」の概要をしめさせ、県と県議会、立地自治体関係者への説明を求めるべきです。いずれにしても、国と関西電力の「使用済燃料対策ロードマップ」は「画餅」となる恐れもあり、「一歩前進」と評価できる内容ではなく、知事は40年超原発3基の運転停止を求めるべきです。また、中間貯蔵施設計画の山口県内でも反対の世論と運動が強まっています。核燃料サイクルが事実上破綻しているもとで、使用済み核燃料を増やし続けること自体が矛盾をますます深いものとします。使用済核燃料対策は原発依存からの脱却のロードマップと並行して議論してください。

 

■NHK  関電 県内3つの原発に「乾式貯蔵施設」設置の方向で調整     02月06日 12時27分

  関西電力は、原子力発電所から出た使用済み核燃料を一時的に保管する「乾式貯蔵施設」を、県内にある3つの原発すべてに設置する方向で調整していることが分かりました。

近く、県や原発が立地する町に方針を伝えるとみられます。

関西電力は、去年原発から出た使用済み核燃料を県外に搬出する計画とともに、核燃料を一時的に保管する「乾式貯蔵施設」を原発の敷地内に設置することを検討する方針を県に示していました。
関係者によりますと、関西電力は、高浜原発、大飯原発、美浜原発の3つの発電所すべてに乾式貯蔵施設を設置する方向で調整しているということです。
これらの原発では、使用済み核燃料を保管する燃料プールが、保管できる容量の8割以上埋まっているものの、県外の搬出先については、その多くで具体的なめどが立っていません。

  関西電力は、原発の安定的な稼働に向けて乾式貯蔵施設の設置を進め、核燃料の保管場所を確保したい狙いがあるものとみられます。
施設の設置には立地する自治体の事前の了解が必要で、関西電力は、近く、県や発電所がある町に対し詳しい方針を伝えるとみられます。
杉本知事は、関西電力が施設の計画を具体化した際には県議会などと議論した上で、判断する考えを示していて、2月13日から始まる県議会の議論が焦点となります。

 

 

 

■東京新聞  《「今の石川県で原発災害が起きたら避難できない」 それでも災害指針を見直さない、楽観論の背景にあるもの》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/307567
2024年2月6日 12時00分 東京新聞こちら特報部

 能登半島地震では、原発防災の限界が鮮明になった。道路や建物の損壊が激しく、避難や屋内退避をしようにも無理があると突きつけられた。現実逃避するのが、原子力規制委員会。住民防護の基本方針を記す「原子力災害対策指針」を巡り、山中伸介委員長は「見直しを考えず」と述べた。これでは汚染が拡散した際、住民らが被ばくしかねない。思考停止を正す術(すべ)を探った。(西田直晃、安藤恭子)

◆「原発を動かすべきではない」要請書

 「地震と原発事故が複合すれば、お手上げの状態になるのは明らか。どうして指針を見直さないのか」
 「北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会」の中垣たか子さん(73)=金沢市=は憤りを隠さない。今回の惨状を考慮すれば原子力災害対策指針が定める屋内退避や避難は困難とし、1月末に原子力規制委員会宛てに「各地の原発を動かすべきではない」と求める要請書を提出した。

 中垣さんが問題視する指針は、原子力規制委が原子力災害対策特別措置法に基づいて策定する。事故の際に住民を防護するため、各自治体がつくる防災計画のよりどころになる。

◆陸海空の避難路は途絶、屋内避難も難しく
 指針によれば、原発に異変が生じた際には原則、原発5キロ圏の住民は避難となる一方、その外側は屋内退避でしのぎ、空間線量が一定水準に達したら避難に移行すると定める。
 ただ今回の被災地では道路網が寸断され、地盤の隆起や地割れで海路や空路も断たれた。建物の被害も著しく、石川県によると、5日時点の判明分で5万2000棟余りの住宅が損壊した。

◆「指針そのものの話ではない」と微修正どまり
 避難や屋内退避をしようにも無理がある現実。中垣さんは「能登半島地震を自然の警告と受け止める契機にするべきだ」と訴える。
 ところが、原子力規制委の山中伸介委員長は1月31日の会見で「原子力災害対策指針そのものを見直さないといけないとは考えていない」と語り、微修正にとどめる考えを表明した。
 一体、なぜなのか。

 山中氏は1月17日の会見で「能登半島地震の状況を踏まえると、現在の原災指針で対応が不十分であったかというと、それはそうではない」と持論を展開。同31日の会見では「自然災害に対する防災については見直さなければいけないところはあろうかと思いますが、原災指針そのものの話ではない」と述べた。

◆見直せば原発を動かせなくなるからでは
 「自然災害による被害は守備範囲外」と言わんばかりだが、指針が今のままだと何が起こりうるのか。

 ジャーナリストの政野淳子氏は「原発事故が発生しても現地は対応しようがない。道路が寸断されれば逃げられないし、家屋が倒壊すればそのまま被ばくしてしまう」と危機感を募らせる。それでも国が指針を見直さない点について「本気で見直せば、各自治体は実現可能な防災計画をつくれず、原発を動かせなくなるからでは」とみる。

■ 不可解さは他にもある。
 山中委員長は微修正のポイントに「屋内退避の開始時期・期間」を挙げたが、この見直しを検討するのは、東北電力女川原発(宮城県)の周辺自治体から要望があったためだという。だが、山中氏は会見で「他の自治体など関係者の意見を聞くことはあるか」と質問されても「まずは規制委の中で議論して進め方を考える」との回答。自治体との意見交換を二の次にする姿勢が浮き彫りになった。

◆現実的な対策を求める首長の声も
 政野氏は「規制委は運用の改善レベルで体裁を繕おうとしている。被災地の現状があまりにも無視され、これほど、ばかばかしい話はない」と語気を強めた。

 物議を醸す原子力災害対策指針。その軸となる住民避難や屋内退避を巡り、自治体からは今回の地震後、現実に即した見直しが必要とする声が出始めている。
 北陸電力志賀原発が立地する石川県志賀町の稲岡健太郎町長は本紙の取材に、県などによる避難訓練に言及。「海にも空にも逃げられない」と述べた。
 東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県の花角英世知事も1月24日の会見で家屋の倒壊を踏まえ、「物理的に屋内退避できない」と発言。「現実的な避難」に向けた議論を求めた。

◆国への追従姿勢が目立つ石川県

 原発被災を研究テーマとする茨城大の蓮井誠一郎教授(国際政治学)は「道路は寸断し、待機する自宅も放射能を防げるだけの気密性はない。今回の地震で安全な避難が成り立たないことが明らかになる中で、立地自治体が地域で得た知見を基に声を上げることは大切だ」と受け止める。

 指針の問題を可視化する自治体の声。国を動かす力にもなり得る。より重みを持つのが石川県の対応だ。志賀町同様、被災した原発立地自治体。注目度は高く、影響力も少なくない。
 ただ、谷本正憲前知事時代に起きた2011年の東日本大震災以降、国への追従姿勢が目立ち、後手に回った印象が否めない。
 「原発有事対応 鈍い石川『国検証待つ』」。11年6月、北陸中日新聞がそう報じた。他の立地府県が災害対応の見直しを始めたのに、県が「国が福島の事故の全容を把握していない」(谷本知事)などとして庁内の部会を開かない状況を問題視した。

◆空港や港が使えなくなる想定は「極端」と否定

 11年11月には国が防災対策の重点地域を原発の8〜10キロ圏から約30キロ圏に拡大することで合意した。広範な汚染に備えることになった一方、石川県内では能登半島北側にある奥能登の孤立化が懸念された。奥能登の大半は30キロ圏外だが、その内側が通行止めになった場合、陸路が遮断される恐れがあるとされた。
 ところが谷本知事は12年2月の会見で、放射能汚染の範囲について「30キロ圏外は危なくない」と自前の解釈を表明。奥能登への物資が途絶えた際の対応は「飛行機、船舶を使い、生活用品を投入すればいい。それだけのインフラを政府が持っている」と唱えた。冬場で天候が荒れ、空港や港が使えなくなるという想定の質問には「極端」として、想定ごと否定していた。

 「国任せの甘い見通しだった」。社民県連副代表で内灘町議の清水文雄氏はそう述べる。同町は志賀原発から南に約40キロ。今も余震が起きるたびに原発への不安がよぎる。「道路は寸断、自宅は倒壊、避難所は満杯。今の石川県で原発災害が起きたら避難できない

◆馳知事も安全対策の働きかけは乏しく

 22年の石川県知事選で初当選した馳浩氏も今のところ、原発の安全対策への言及は乏しい。県危機対策課の担当者は「災害対応を優先しており、知事が今後の原発災害や避難のあり方について、国に要請しようという動きにはなっていない」と説明する。

 とはいえ先の蓮井氏は「自治体は住民の生命財産を守る窓口」と述べ、代弁者として耳を傾け、国に働きかける重責があると説く。
 今は災害対応を優先しても、県が住民から情報を取りまとめ、国や原子力規制委に要望を上げる意思を発信するだけでも「原発への不安を和らげられる」。さらに「大きな犠牲を払って得られた地域の知見を今後の原発防災に生かせるよう、国も自治体も最大限に努めるべきだ」と訴える。

◆デスクメモ
 前知事の楽観論は理解に苦しむ。石川県政の担当時もそう感じた。懸念された奥能登の孤立は今回顕在化した。前知事の言うように空路や海路は十分に使えたか。7期28年の長期政権。耳の痛い言葉が届いたか。思考停止の代償は住民に及ぶ。現知事の馳氏はそう捉えて行動すべきだ。(榊)