昨日は、原発行動の一日でした。
昼は、毎月11日の原発ゼロ目指す市民行進。私があいさつし、安倍政権がすすめる原発輸出でベトナムが日本から計画していた輸入を断念したことなどをお話しし、原発再稼働と海外輸出をすすめる政治を変えるためにがんばりましょう、などと訴えました。
その後は、原発問題住民運動県連絡会、嶺南センターが福井県に8月に行われた原子力防災訓練をめぐって、要望、意見交換をおこないました。
敦賀、若狭町、高浜町、美浜町など各地で「監視行動」をおこなったみなさんが現場での実態や、参加住民の声をふまえて要請をおこないました。きちんとした総括文書をまとめ、来年の訓練にいかすうえでも、よりひろく参加者や関係者の声を国も県も聴くべきでしょう。
夕方は、再稼働反対金曜行動。4日におこなった政府交渉の内容をお話しし、「内閣府も規制庁も厚労省も問題のある答弁を繰り返した。きたる総選挙で安倍政権の原発推進を変えよう」などとお話ししました。
本日12日午後2時から、藤野やすふみ衆議院議員が国政の現状と日本共産党の提案についてお話しします。福井市文化会館4階会議室です。ぜひご参加ください。
■原子力防災計画・訓練についての申し入れ
はじめに
関西電力高浜・大飯原発で、大量の放射性物質が放出される過酷事故を想定した広域避難(8月27、28日実施)の訓練が行われました。その前の8月12日、私たちは県に対して熊本地震を教訓にした複合災害に対応できるようにと申し入れを行いました。しかし中身については国(内閣府)と自治体が調整中のため発表は来週中になると述べるにとどまり具体的な回答はされませんでした。訓練を終えて2か月半がたち、福井県としてどうまとめを行っているのかお教えください。また私たちは、福井の2団体と京都の住民団体と連携し当日の訓練の監視行動を行いました。以下に改善が必要な項目を提起いたしますので、この要請項目についてご回答ください。
1、 関西電力高浜・大飯原発・広域避難訓練を終えて、まとめた内容の説明を求めます。
あわせて、可能な資料提供を求めます。①8月27日、28日の避難計画全体の詳細な運用マニュアル②8月27日、28日の訓練それぞれについての、事故想定と訓練内容③住民の参加者数、うち県外避難訓練に参加した住民数とバス、自家用車の台数④京都、兵庫など福井県民を「受け入れる」側の自治体・市町村の役割、当日参加の職員数⑤スクリーニングポイントの場所⑥ヨウ素剤配布の場所⑦熊本地震などをうけて複合災害を想定した訓練内容について
2、住民参加を基本にし現実的な様々な障害を前提とした実効性のある訓練にすること。 広域避難に参加した住民は圧倒的に少なく、避難したとみなすだけで終わった福祉施設もある。住民の実践を伴う訓練を実施すること。震度6以上の大地震を想定しながら、移動に支障はなく、自動閉鎖するはずの高速道路を使用し、渋滞を避けパトカーで先導した分刻みの進行としたが、現実的な様々な障害を前提とした訓練とすること。
3、緊急モニタリングを実施した後、その実測に基づき避難の発令をすること。
緊急事態が8時に発令され、9時に前面緊急事態が発令された。その後避難に移行していて、緊急モニタリングが抜けている。5キロ圏は別にして、30キロ圏が避難に至るには、モニタリングが必要である。
4、安定ヨウ素剤の配布は、UPZおよび30キロ圏内外にも事前配布すること。
安定ヨウ素剤の配布は、一人ひとり問診しながら配っていた。配布場所を抜本的に増やし、手際よくしなければ、放射性ヨウ素から人体を守ることはできない。配布スピードを速めることが重要であるが、最も効果的なのは、UPZおよび30キロ圏内外にも事前配布することである。安定ヨウ素剤を福井県内、全自治体住民分を準備し事前に住民に配布しておくようにすること。安定ヨウ素剤配布のシナリオを実効性あるものに改善し各府県統一すること。
5、天候による計画変更については、風速・風向、津波高の基準を明らかにすること。
高浜町音海地区では、悪天候により陸上自衛隊のヘリが飛ばず、道路を使い汚染源の原発に向かって避難した。舞鶴市成生地区でも船舶による避難訓練が実施できなかった。住民とって安全に避難できない、中止では済まない問題である。若狭湾の気象データでは、当日の最高風速を超える日数が昨年1年間で182日もあった。天候による変更については、基準を明らかにすること。
6、音海半島や大島半島の住民の避難は、地元にある漁船など使うことを優先すること。
緊急時では、遠方から派遣する海保や自衛隊の船では避難が間に合わない。よって、地元にある漁船などを使うか、日頃から避難用の船を確保すること。
7、事故発生からスクリーニングポイント設置の訓練を行うこと。 スクリーニングポイントの設置は、美浜役場や綾部球場のすべてで、事故発生の前日からの設営になっていた。これは、事故発生から短時間で設置できるかが、汚染を拡散させない命綱である。そこで設置が遅れ、渋滞すれば、スクリーニングポイントを勝手に超えていくことになり、汚染が拡大することになる。実際の事故を想定しスクリーニングを設置する訓練を行うこと。
8、スクリーニングポイント設置計画は、実態に合わせ改善すること。 受付や除染などが屋外で行われたうえ、スペースが狭く、汚染車両とそうでない車両が混在し、汚染が拡大する問題があった。屋外テントでの住民の検査・除染は屋内に変えること。水の確保と管理も現地で実際の事故を想定して改善すること。
9、スクリーニングポイントで、車両除染の汚染水回収訓練を行うこと。
美浜役場では、汚染車両の除染訓練は行われなかった。また、綾部球場では、自衛隊の車両が並んでいて、防護服を着用して同隊員が砂地で除染していた。本来ならばシートを敷いて、自衛隊の放射能を保管できるタンクに移設するなど、汚染水の管理・回収を行うと説明をしていたが、実際は垂れ流し状態で、対応はバラバラであった。また、人体に対するシャワーによる除染・着替えもしていない。実際、水も出していないので、汚染水の管理・回収訓練もない状態であった。除染の汚染水の回収訓練についても行うこと。
10、スクリーニングポイントでの、必要機材の標準化を的確に行うこと。 福井・京都・綾部で、必要機材の標準化がされていない。具体的な作業手順の問題と、機材と水の確保、汚染水の管理・処理の問題が重要である。敦賀市の千代田火災によると、除染用テントは「実用化はしていないが、今回、試験的に貸し出した。設営がわずか10分でできる優れもので、値段も5、6百万円で、広域批判訓練を受けて、大量に発注になるのでは」と言っていた。簡易型の車両汚染検査機も同様であった。 必要な機材の標準化については、適格に行うこと。
11、行政の広域連携と、自衛隊と警察などの連携は、実態に合わせ改善すること。 自衛隊について言えば、京都(第3師団)と福井(第10師団)で各師団が対応したという。綾部は福井が近いので、福井から入るのかと言えば、あくまでも京都は第3師団のしきりであると説明する。事故が起こってから移動では実際には間に合わず、実態に合わせ改善すること。
12、自治体職員や消防署員、警察署員、民間のバス運転手、船の乗務員、消防団員など避難活動に携わる多くの人々を大量被ばくから守る対策を講じること。
最後の1人まで住民避難活動に責任を持つ人々が大量被ばくのリスクへの対抗処置が講じられていない。避難計画に携わる人々を大量被ばくから守る対策を講じること。
13、避難先の自治体の受け入れ態勢の確立を促すこと。
県外の自治体では、避難予定の体育館が別行事で使用できずに、他の施設に移動したところもあった。避難先自治体の受け入れ態勢の確立を促すこと。
14、必要な機器を福井県が管理して原発事故発生後に各スクリーニングや関係ポイントにどう運搬・設置するか明確な基準を示すこと。
以上