『加藤和彦 ラスト・メッセージ』(松木直也氏、文藝春秋刊)を読む。
2008年~2009年に行われた加藤和彦へのインタビューを、著者が構成したもの。加藤が自殺を図ったのは、2009年10月。まさに死の直前のコメントである。幼少期から現在まで何回かに分けて時系列に取材され、さながら加藤の伝記のような仕上がりになっている。
本人曰く「まあ自分で言うのも変だけど、僕と細野君(細野晴臣)がいなかったら日本の音楽は10年遅れていたと思うよ」。フォーク・クルセイダーズ、ソロ活動、サディスティック・ミカ・バンドなどを経て、日本の音楽シーンを常に牽引してきた自負が感じられる。
面白かったエピソードが二つ。一つは、ロールス・ロイス購入秘話。加藤の車好き、とくにロールス・ロイス好きは有名で、最初に買ったのは1970年代前半、24、25歳のとき。当時から仲の良かった景山民夫とロンドンまで直接買い付けに行き、ディーラーにバカにされないよう二人で「主人と執事」という役割分担をし、ビシッとスーツを決めて交渉したという話。もう一つは、昔ポリスが来日したときのライブで、関係者に紹介してもらい楽屋まで挨拶に行ったところ、スティングが、「ミカ・バンドのカトウか!?私はコンサートに行ったことがあるんだ!」と逆にサインをお願いされたという話。
その他にも日本人離れしたスケールの大きい、ハイカラなエピソードが盛りだくさん。いやはやレベルが違う。
そんな人がなぜ・・・?? 加藤の死に様を考えたとき、結局最後、このクエスチョンマークで終わってしまうのだ。
2008年~2009年に行われた加藤和彦へのインタビューを、著者が構成したもの。加藤が自殺を図ったのは、2009年10月。まさに死の直前のコメントである。幼少期から現在まで何回かに分けて時系列に取材され、さながら加藤の伝記のような仕上がりになっている。
本人曰く「まあ自分で言うのも変だけど、僕と細野君(細野晴臣)がいなかったら日本の音楽は10年遅れていたと思うよ」。フォーク・クルセイダーズ、ソロ活動、サディスティック・ミカ・バンドなどを経て、日本の音楽シーンを常に牽引してきた自負が感じられる。
面白かったエピソードが二つ。一つは、ロールス・ロイス購入秘話。加藤の車好き、とくにロールス・ロイス好きは有名で、最初に買ったのは1970年代前半、24、25歳のとき。当時から仲の良かった景山民夫とロンドンまで直接買い付けに行き、ディーラーにバカにされないよう二人で「主人と執事」という役割分担をし、ビシッとスーツを決めて交渉したという話。もう一つは、昔ポリスが来日したときのライブで、関係者に紹介してもらい楽屋まで挨拶に行ったところ、スティングが、「ミカ・バンドのカトウか!?私はコンサートに行ったことがあるんだ!」と逆にサインをお願いされたという話。
その他にも日本人離れしたスケールの大きい、ハイカラなエピソードが盛りだくさん。いやはやレベルが違う。
そんな人がなぜ・・・?? 加藤の死に様を考えたとき、結局最後、このクエスチョンマークで終わってしまうのだ。